アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

スキルアップも高齢者が主役

2009年07月11日 | Weblog
 61歳にして、クロールで25m泳ぐことに成功。「泳ぎは魚に任せておけばいい」と、イソップの酸っぱいぶどうのキツネのような言い訳で強がっていたが、内面では劣等感を感じていた。どうして、自分には「エラ(鰓)」がないんだろう…と、ほかの人が羨ましかった。
 羨ましがっても、「人に習う」ということが嫌な性格。計測の結果、ヘソの位置が30度ほど肝臓側に傾いていた…。定年退職後、見よう見まねで密かにクロールの練習…1年経った。とうとう、25mを泳ぐことに成功した。「やればできるじゃないか!」って?その言葉が無責任。やっても出来ないことの方がはるかに多いのです。

 パソコンは、25年前から使っている。ディスクがレコードのEP盤のサイズでした。ワープロ機能のみ使用。しかも自己流。一太郎を得意とするが、ワードに押されて息絶え絶え…肩身も狭いが…何とかなっている。何ともならないのが、「エクセル」。無から有を生じさせる私の能力でもギブアップ。それで…とうとう習うことにしました。
 現在、40時間のコースを受講中。後半の、18時間は、会計ソフトの講習。政府の肝いりで、無料。約2倍の競争率を突破し、受講生に選ばれました。残りの人生の「ツキ」をこれで使い果たしたって感じです。

 昨日までで、5日間通いました…
 受講者は、高齢者ばかり。私(還暦を過ぎて1年目)が、サイ・ヤング賞。大リーグで最も活躍した投手へ贈られる賞のことではなく、「最も若い」の意味の、「サイ・ヤング」です。7日連続、終日行われる講習に出られるのは、暇な高齢者しかいないってことでしょう。後期高齢者も数人おられる。感心させられるのは、その学習態度。メモをとり、付箋を貼り、質問し…

 政府としては、雇用対策で予算をつけた事業。若い無職の人が講習を受けて就職できればいいのでしょうが…現実は、高齢者に雇用対策している状況。
 2009年版「高齢社会白書」では、75歳以上の人口が、1,322万人。総人口に占める割合は10.4%。そういうことだから、高齢者に雇用対策…?

 今は、「講習も悪くないな」と、思いはじめています。パソコンの技術があがったから…ではなく、人を見て楽しめるからです。
 いま、一番気になっている人は、私の席の、左2列前のオヤジさんです。…このオヤジさんは、暑いのに黒いトレーナーに黒いスエットパンツを愛用している。同じ物を何着も持っているらしく、毎日同じ服装。頭髪は坊主。年齢は70歳ぐらい。中背で肥満体。太鼓のような腹。山下清さんを彷彿とさせる。厚手のトレーナー着用ですから、当然暑い。タオルで汗を拭きっぱなし。しまいに、頭に巻いた!なぜ長袖?山下清さんのようにランニングシャツが似合うと思うが。昨日など、Tシャツを着ているのが見えたので、「お!半袖デビューか!」と思ったら、中に例の黒いトレーナーを着込んでいた。
 それがどうしたって?察してください。御本人に確認する度胸がないもので。
「オヤジさん!長袖のイレズミしているんだって?確認させてよ」などとは、とてもとても言えません。このオヤジさんも、熱心に講習を受けています…。