おりおん日記

電車に揺られて、会社への往き帰りの読書日記 & ミーハー文楽鑑賞記

「家日和」 奥田英朗

2008年03月18日 | あ行の作家
「家日和」 奥田英朗著 集英社 (08/03/17読了)

 「空中ブランコ」や「マドンナ」を超える傑作とは言い難いものの、まぁ、無難に読める小品集でした。「空中ブランコ」がバッターからは高めに見えて、手元で急にストンと落ちる変化球ならば、「家日和」はストレートのスローボールといったところ。ストライクには違いないけれど、「やられたっ~!」感にはやや欠けます。だからこそ、帰りの電車の中で、弛緩した気分で読むにはちょうどいいのかもしれませんが。
 
作品はいずれも「家」にまつわるストーリー。それにしても、奥田さんは、主婦の気持ちがなんでこんなにわかってしまうのでしょうか?ちょっとリアル過ぎます(といっている私も主婦ではないので、主婦が本当にそう思っているかどうかは定かではありませんが…)。「ガール」を読んだ時にも女の感覚があまりにも「奥田英朗って、実は女?」と思うほどの薄気味悪さがありました。

ところで、最後の「妻と玄米御飯」は奥田家をモチーフにしたのだろうか-と思わせる設定です。もしかしたら、単なる架空の小説家一家の話なのかもしれませんが…ヒット作が出るとそんなにお金持ちになっちゃうのかぁと思った次第です。 



2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こちらにも (latifa)
2008-05-08 08:46:19
昨日、これを読んだばっかりなんですよ^^
私は、かな~~り楽しく読めちゃいました。

グレープフルーツの回だけは、ちょっとイヤだったんですが、ラストの過度なロハス話しや、旦那さんが奥さんが出て行った後、オーディオとか揃えて自分の家を自分が好きな様に変えちゃう話とかツボでした。

私は空中ブランコは残念ながら本を読もうと思っていた矢先、ドラマを先に見ちゃって・・本はなあなあに・・。それとインザプールも映画を先に見ちゃって・・・と、名作2作品を読めてないんです。
今まで読んだのは、ガールと、サウスバウンドについで、家日和だけです。他の作品もトライしてみたいです。
返信する
同じツボ。 (おりおん。)
2008-05-08 20:46:46
latifaさん

 私も、奥さんが出て行った後にダンナさんお買い物しまくりの巻が好きでした! 同じツボですね。

 マドンナもオススメですよ。私は、基本的には、長編小説好きなんですが…でも、奥田さんに関しては、短編の方が冴えているなぁと思ってます。

 

 
返信する

コメントを投稿