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もんく [とある南端港街の住人になった人]

今日はちょっとマジメに、安全

安全と言うのはけっこう難しい事です。

事故が起きて初めて安全じゃなかったってわかりますが、事故が起きないと今の状態が安全なのか、安全じゃないのかわからないからです。目隠しをして歩いていると、そこが崖の淵なのか普通の道路なのかわからないのです。

工場では、多くの会社が小さくても何らかの事故を経験していますし、その経験は会社の中で共有されたり社会の中でも共有されますから情報はけっこうあります。事故が起きる前に対策しておけば良いのですが、100%はできない事もあります。お金も手間もかかります。それに物に全部請け負わせる事はできなくて、人が毎日安全のために何かしなくてはいけません。

事故が起きないと人は忘れますし、この程度は大丈夫だろうなどと考えてサボりがちにもなります。慢性化してくると安全も何もなくなってしまいます。


ここマレーシアの場合はもっと深刻です。実際に事故に遭う可能性のある作業者は外国人労働者ばかりです。彼らは学校教育をちゃんと受けていない場合が多いです。カレッジレベルの人もいるにはいますが少数で、数字やアルファベットの書き方を練習しないといけない人も多いのです。と言う事は、仕事についても安全についてもまるで知識なんてありません。それに経験も無い若者なのです。これで何もしないでおくと事故が起きないわけが無いのです。

(日本が外国人労働者を受け入れるようになったらどうやって指導したり安全を守ったりできるんだろう?)


うちの工場、これから新しい設備を入れるとき、日本の本社からあれとこれとそれを買いなさいと言われるのです。でも、言われるものは"生産"と言う目的を達成するためだけの物です。これがあればこうできるよ、と言うような物で、そこに安全に関しての事はほとんどありません。怠慢とかそう言うことではなくて、日本では言わなくても安全に配慮して設置してしまったり、作業者もこうすべきと有る程度知っているので特に注意してどうこうが無いからです。

このマレーシアではなかなかそうは行きません。安全に対する知識と言うのがあまり無い。それに加えてそれを考える人間は自分が事故に遭うわけじゃないので軽く考えがちです。命令はするにしてもできる命令かできない命令か、または守り易いか難いかまでは想像できないのです。


この状況の中で、外国人労働者は1日あたり12時間x1週間で6日x3年とか5年の契約期間を経て五体満足で家族に会いに国(故郷)へ帰れるんでしょうか?
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