もんく [とある南端港街の住人になった人]

コーヒー1杯のための1日

コヒーが飲みたいと思った。

(1)パサールへ豆を買いに行く。
大きな麻袋口を開けてそこから生豆(なままめ)が見えている。あちこちにそんなコーヒーを売っているおばちゃんがいる。できるだけ虫食っていなくてできるだけカビ臭くない豆を選ぶ。カビ臭くても煎ると消えるから問題ないのだが。
おばちゃんに値段を聞く。"ブラパ ハルガ イトゥ ?"
愛想も何もないが "サトゥ キロ xxx" と答える。野菜でも何でもキロ単位だ。
1キロ買う。"ミンタ サトゥ キロ"

(2)豆の選別をする。
虫食い豆や育ちの悪い豆を選別しておいた方が美味い。日本人らしく箸を使う。新聞紙の上に少し豆を出しながら選別する。厳しく選別すると120g位は捨てなければならない。話しでもしながらでもゆっくりやる。

(3)豆を煎る。
豆を煎るのにフライパンや中華鍋はだめだ。よく振りながらやっても豆の平らな部分がフライパンの底に向き易く、そのため平らな部分ばかりが先に黒く煎られてしまいムラが出る。金網を買ってきて丸めて簡単な煎り器を自作すると良いだろう。

(4)シルバースキンを取り除く。
豆が黒くなってくるとシルバースキンが豆から剥がれてくる。コンロの周りがそのゴミでたいへんなことになるが息を吹きかけて飛ばす。飛ばしながら煎と豆に熱が伝わり易いようだ。

(5)豆の色を見る。
煎りながら豆の色を観察する。豆は火から下ろしてもしばらく熱が冷めない。だからしばらく色は黒くなり続けてしまう。深煎りになっていく。目標の色より20%程度薄い色になったと思ったところで火から下ろすべきだ。後でちょうど良い色になるはずだ。深煎りを目指す場合には炭になってしまわないよう注意する必要がある。

(6)豆を冷やす。
火から下ろした豆は新聞紙の上に広げて冷ます。ここでもシルバースキンが大量に出るのでできれば風にさらして飛ばす。
1キロの生豆が深煎りなら600g位になって出来上がるはずだ。

(7)コーヒーを楽しむ。
菓子を用意するのを忘れないようにしよう。フルーツは合わないからだめだ。


日本は金持ち国家だから世界中から良いコーヒーを買ってくることができる。だから美味いコーヒーも手軽に飲める。贅沢だ。
しかし現在の日本において本当の贅沢はお金を使うことじゃなくて時間を使うことだ。1杯のコーヒーのために1日使える人間なんて日本にはそう多くはない。
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