半年前に工場で小火があったと知った。
調べてみるとメールでの連絡の形跡無、WhatsAppでの連絡の形跡も無かった。ひっそりとファイルサーバに監視カメラ映像が残るのみ。監視カメラ映像残されていると言う事は、マネージャーには報告が上がり、ある程度の人間はそれを知ったはず。ファイルサーバの周辺フォルダを探すも報告書は見つからず。現場の毎月のレポートにも小さな文字でfireと書かれているのみでその日の生産が遅れた事に関してメモも無。メンテナンスチームの報告にも停止時間が長めに書かれているが火事とは書いて無くて、しかも停止時間には停止後の試運転その他が全く含まれていない。
誰かが死ななく良かった。それ以上の事は無し。でもまた起きるのだろうな。
ずっと前の隣の工場の大火事の時には自分が近くに住んでいるのでデータの入ったパソコンを運び出したりもした。今ももっと近くに住んでいる者もいるにはいるが、頑なに鍵を持つのを拒否しているから状況は同じだろう。でも、連絡が無ければ運び出す必要があってもできないって事になるからどうなるんだろう?
と言うか、そもそも連絡を回さないなら放って置いて構わないって判断と解釈すれば良いので気にしないでおこう。夜中や休日の生産中にネットワークの不具合があっても誰も走って来なくて止まるのを黙って見ている会社だからきっとそんなものだ。
まあ、ちょっとその話はそれとしてだけどね、こう言う感じで事件を内々に済ますって事は済ましている方にその場ではメリットがあるわけだけど、中長期的にはデメリットしかないと言うのは自認していないといけないと考える。
経験上で言うのだけれど、そのうち、と言うか、もうなってしまっているのを知っているが、自分が次に騙されるようになってくる。この程度ならとやってしまうとその後の「この程度」は絶対に想定以上のこの程度になっている。問題が起きた時に例え報告されたにせよ、出てくるのは機械が壊れたとか物理的に問題があった程度になってしまって本当の問題は出てこない。機械に不具合があったのは事実かもしれないが、さらにその原因に使い方とか、メンテナンスがどうだったかとか、点検はされていたかとかは消される。製品の不具合が見つかった時、顧客から報告された時、物理的な問題までは報告されるが、なぜ社内で見つけられなかったか、なぜ製品の品質にムラが発生したか、マニュアルは見られたか等のソフト面の問題は絶対に報告される事がなくなる。
残念だけれど、隠すって行為の及ぶ範囲は相当なものだ。工場ってそう言う場所なんだよ。