<東海道五十三次(5)>
(5) 元箱根~三島
突然だが、いったいガソリンはいくらまで上がるのだろうか。
5月31日にいれたガソリンスタンドは、会員価格でレギュラー1リットル154円だ
ったが、今日見たら、174円だ。なんと、20円も上がった。
輸送費のかかる地方だったら、180円なんてとこがあるような気がする。
わたしみたいに、出かけると数千キロ走るようなアホな旅をするものにとっては
大打撃である。
なにしろ、旅が好きになったころは90円から95円の時代だったのだから。
いきおい、ウォークのほうに力点をおくことになるのだろうか。
11.(元)箱根~三島 5月30日 5時間00分 31,428歩 22キロ
わたしの車はいつもは、ずっと静かに駐車場で丸まって日向ぼっこしているのだ
が、ひとたび旅に出ると、何千キロも走らされることになる。機械だから泣きも
いれずひとことも文句はいわないが、恨んでいるのはまず間違いあるまい。
東海道ウォークもそうだ。
思い立つたびに、突然、脚はこれでもかと死ぬほど歩かされものだからたまった
ものではない。ただ車と違うのは、脚はお返しをする。空恐ろしいほどの脚、腰、
背中への疲労、それにともなう食欲の減退などだ。三日ほどそれに悩まされるの
だ。
わたしは甘かった。
元箱根まで登れば、あとはお茶の子さいさい「楽勝」と思っていたのだ。
東海道線で小田原まで行き小田急に乗り換え、箱根湯本までいき、愛想の超悪い
運転手のバスで元箱根にむかったのだった。
元箱根は、今回も雨だった。予報では曇りだったのに。だいたい箱根とか伊豆は
低い山の割りには、天気が異常に変わりやすいのだ。
(えぇー、四里・・・16キロじゃあないのかよ!)
三島まで20キロ・・・道路標識をみて、顔がひきつった。ここまでの経験から
いくと、だいたい標識のキロ数の一割増くらいが現実である。
杉並木を快調に歩く。まだ歩き始めだから元気はあるのだ。
箱根の関所跡。雨なのに観光客がいっぱいだ。
山中新田。
ここまで、坂道に背中を押されるように大またで歩いてきた。身体は、通り過ぎ
る車やトラックの後輪が巻きあげる細かな泥まみれの飛沫でびっしょりである。
石畳の道だ。このへんから、雨がやみ、太陽が顔をだした。とたんに暑くなる。
三島の街は気が遠くなるほどはるかかなたである。
人家が増えてくると、街道に面するあちらこちらの家で道路際に花の鉢などが
並べられていた。三島のひとは、よほどの花好きなのかもしれない。旅人には嬉し
いことだ。
やっと喫茶店をみつけて、アイス・エスプレッソを注文する。苦味に混じった
ほんのりした甘味で元気がでる。洒落た店で、メニューの「ペンネ・アラビアー
タ」もちょっと心が動いた。
連続四時間歩いて、かなりあちこちが悲鳴をあげている。ついでにトイレを借り
た。
ここまで、休むところのまったくない道なのだった。あと、30分くらいだろう。
「三島まではあと、どのくらいでしょうか」
「えーと、あと一時間くらいかな」
ママさんの答えに、がっくりする。あと、一時間もあるのかよ。
「あーと、四、五十分くらいかもしれません。男のひとの脚なら」
よっぽど情けない顔をしたのだろう、あわてて言い直した。
地元のママのいうことはさすがに正しかった。
きっちり、あと一時間かかったのである。
登りだけでなく、下りも、箱根の山は「天下の険」「天下の岨」であることをつく
づく思い知ったのだった。
累計:11宿(次) 日本橋より28.5里(114キロ) 所要日数:11日
所要時間:29時間30分
歩数:185,246歩 実際に歩いた距離130キロ
交通費:8,780円(戸塚までは通勤定期を使用)
宿泊費:0円
→ 東海道五十三次(4)-1の記事はこちら
(5) 元箱根~三島
突然だが、いったいガソリンはいくらまで上がるのだろうか。
5月31日にいれたガソリンスタンドは、会員価格でレギュラー1リットル154円だ
ったが、今日見たら、174円だ。なんと、20円も上がった。
輸送費のかかる地方だったら、180円なんてとこがあるような気がする。
わたしみたいに、出かけると数千キロ走るようなアホな旅をするものにとっては
大打撃である。
なにしろ、旅が好きになったころは90円から95円の時代だったのだから。
いきおい、ウォークのほうに力点をおくことになるのだろうか。
11.(元)箱根~三島 5月30日 5時間00分 31,428歩 22キロ
わたしの車はいつもは、ずっと静かに駐車場で丸まって日向ぼっこしているのだ
が、ひとたび旅に出ると、何千キロも走らされることになる。機械だから泣きも
いれずひとことも文句はいわないが、恨んでいるのはまず間違いあるまい。
東海道ウォークもそうだ。
思い立つたびに、突然、脚はこれでもかと死ぬほど歩かされものだからたまった
ものではない。ただ車と違うのは、脚はお返しをする。空恐ろしいほどの脚、腰、
背中への疲労、それにともなう食欲の減退などだ。三日ほどそれに悩まされるの
だ。
わたしは甘かった。
元箱根まで登れば、あとはお茶の子さいさい「楽勝」と思っていたのだ。
東海道線で小田原まで行き小田急に乗り換え、箱根湯本までいき、愛想の超悪い
運転手のバスで元箱根にむかったのだった。
元箱根は、今回も雨だった。予報では曇りだったのに。だいたい箱根とか伊豆は
低い山の割りには、天気が異常に変わりやすいのだ。
(えぇー、四里・・・16キロじゃあないのかよ!)
三島まで20キロ・・・道路標識をみて、顔がひきつった。ここまでの経験から
いくと、だいたい標識のキロ数の一割増くらいが現実である。
杉並木を快調に歩く。まだ歩き始めだから元気はあるのだ。
箱根の関所跡。雨なのに観光客がいっぱいだ。
山中新田。
ここまで、坂道に背中を押されるように大またで歩いてきた。身体は、通り過ぎ
る車やトラックの後輪が巻きあげる細かな泥まみれの飛沫でびっしょりである。
石畳の道だ。このへんから、雨がやみ、太陽が顔をだした。とたんに暑くなる。
三島の街は気が遠くなるほどはるかかなたである。
人家が増えてくると、街道に面するあちらこちらの家で道路際に花の鉢などが
並べられていた。三島のひとは、よほどの花好きなのかもしれない。旅人には嬉し
いことだ。
やっと喫茶店をみつけて、アイス・エスプレッソを注文する。苦味に混じった
ほんのりした甘味で元気がでる。洒落た店で、メニューの「ペンネ・アラビアー
タ」もちょっと心が動いた。
連続四時間歩いて、かなりあちこちが悲鳴をあげている。ついでにトイレを借り
た。
ここまで、休むところのまったくない道なのだった。あと、30分くらいだろう。
「三島まではあと、どのくらいでしょうか」
「えーと、あと一時間くらいかな」
ママさんの答えに、がっくりする。あと、一時間もあるのかよ。
「あーと、四、五十分くらいかもしれません。男のひとの脚なら」
よっぽど情けない顔をしたのだろう、あわてて言い直した。
地元のママのいうことはさすがに正しかった。
きっちり、あと一時間かかったのである。
登りだけでなく、下りも、箱根の山は「天下の険」「天下の岨」であることをつく
づく思い知ったのだった。
累計:11宿(次) 日本橋より28.5里(114キロ) 所要日数:11日
所要時間:29時間30分
歩数:185,246歩 実際に歩いた距離130キロ
交通費:8,780円(戸塚までは通勤定期を使用)
宿泊費:0円
→ 東海道五十三次(4)-1の記事はこちら
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