温泉クンの旅日記

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京都・伏見、醍醐寺「伽藍」(1)

2024-09-08 | 京都点描
  <京都・伏見、醍醐寺「伽藍」(1)>

「さて、三宝院の次は五重塔と金堂だ!」
 三宝院を出ると、桜の馬場を左手に見える「西大門(仁王門)」に向かった。

 

 しとしとと降る雨はいっこうに熄む気配がない。
 西大門の両脇の仁王像は帰りに拝観することにして、受付で券を提示し、まっすぐ延びた路を、水溜りを避けて歩く。伽藍エリアまではクランク状の路になっている。

 

 

 突きあたりで振り返ると、後続する独りの客が門のところに見える。さすがにこの天気で観光客も少ないようだ。
 短い直線の路があり、そこを左折するとあとは真っ直ぐになる。右手に寺の総鎮守の社「清瀧宮」がみえたが、寄り道しないで進む。

 

「あれが、『金堂』だ・・・」

 

 堂内には本尊の「薬師如来」像、それに日光・月光及び四天王像が安置されている。
 醍醐寺の中心となる金堂は、醍醐天皇の勅願により創建され、当時は釈迦堂と呼ばれていたが文明年間の兵火により焼失してしまう。太閤の意思を継承した「秀頼」が仁王門とともに、慶長5年(1600年)紀州「満願寺」の金堂を移築したもので、平安時代末期の仏堂の様式を残している。
 すこし離れたところにある鐘楼だが、200万坪という広大な敷地をもつ醍醐寺に響き渡らせるにはなんとなく質素にみえた。

「この(伽藍)あたりでは、どこを拝観したらいいでしょうか?」
 傘をさした年配の独り観光客が近寄ってきて、尋ねられた。いつのまに追いついてきたのだろう。
「わたしも初めてなんですが、あの『金堂』と、それに『五重塔』の最低二つだけは押さえておいたほうがよろしいかと思います」
 と答えると、丁寧に腰を折って礼をいわれた。

 そして、「五重塔」だ。

 

 威風堂々堂と聳え立ち、上部の「相輪」部分が全体の3分の1を占め、塔に安定感をたっぷり与えている。初層内部の板壁には両界曼陀羅や真言八祖像が描かれている。

 

 醍醐天皇の冥福を祈るためその「朱雀天皇」が起工し、「村上天皇」の天暦5年(951年)に完成した。
 高さは約38メートルで、京都府に現存する<最古>の建築物(塔)である。前に行った「東寺」の五重塔は高さ約55メートル、現存する木造建築物としては日本一の<高さ>を誇る。
 先ほどのオジサンとすれ違い、お互い会釈を交わした。

 

 伽藍エリアの目的だった金堂と五重塔は拝観した。
 まだ、写真が撮れぬほど雨脚は強くない。
 伽藍エリアは、平地と、山上とに分かれている。雨がこの調子なら、平地のほうだけでもすべて拝観させていただくとしよう。


  ― 続く ―


   →「京都・九条、東寺(1)」の記事はこちら
   →「京都・九条、東寺(2)」の記事はこちら
   →「京都・伏見、醍醐寺「三宝院」(1)」の記事はこちら
   →「京都・伏見、醍醐寺「三宝院」(2)」の記事はこちら
   →「京都・伏見、醍醐寺「三宝院」(3)」の記事はこちら


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