<大船フラワーセンター、弥生3月(2)>
右手奥にあるグリーンハウスを次の機会にしようと飛ばして、約四十種類の梅の木があるという梅園に向かった。
「梅は百花の魁(さきがけ)」といい、年初、あらゆる花の先頭を切って馥郁たる香りをともなって春を告げる。
いまや花といえば「桜」が主流であるが、花といえば梅、という時代は長かったのだ。梅が桜にとってかわったのは平安時代に入ってからだそうである。
「歳寒三友<さいかん(の)さんゆう>」、厳冬の時期に友とすべき三つのものは「松・竹・梅」もしくは「梅・水仙・竹」ともいわれる。清楚な画材の「三清(さんせい)」とは「梅・水仙・竹」のことを、同じく画材の「三君(さんくん)」とは「梅・水仙・沈丁花」である。
女の子のお宮参りの着物に用いられるめでたい文様である「四君子(しくんし)」とは『蘭(春)、竹(夏)、菊(秋)、梅(冬)』のことで、四種の草木を指し、四季を表す。
そのいずれにも、人を和ませる“梅”が入っているのがさすがに天晴れで、面白い。
梅が散る「惜梅(せきばい)」にはまだもうほんのすこしの間があるようである。
平安時代に編纂された「後拾遺和歌集」に載る、至高の花を詠った中原致時(なかはらのむねとき)の和歌がある。
「梅が香を 桜の花ににほわせて 柳が枝にさかせてしがな」
(梅のよい香りを桜の花に匂わせて、しなやかな柳の枝に咲かせたい、の意)
しだれ梅にぴったりくる歌である。
さすがに遅咲きの梅とあって、思ったとおり少なかったがまあ満足できた。
さて、次だ。早咲きの桜を求めて園内の奥に進む。というか正味な話は喫煙場所を目指してである
「梅は香りに桜は花」というが、どちらも可愛くて美しくて、素晴らしい。
どちらも愛でられる今日は、俗にいう「両手に花」の状態だ。まあ果報者といえるが、真に残念なことに両手に美人のオネーチャンではない。
桜の開花には「600度の法則」というのがあるそうだ。
2月1日からの<最高気温>を足していき、その合計が600度になったころに桜(ソメイヨシノ)は開花するそうで、「600度の法則」の誤差はなんとわずか1日というから精度は高い。<平均気温>を足していく「400度の法則」というのもあるから面白い。
ちなみに「600度の法則」によると、2021年の開花予測は東京で3月14日、ということはこの記事がリリースされる今週の末から来週にかけて大船でも満開になるはずだ。
― 続く ―
→「大船フラワーセンター、弥生3月(1)」の記事はこちら
右手奥にあるグリーンハウスを次の機会にしようと飛ばして、約四十種類の梅の木があるという梅園に向かった。
「梅は百花の魁(さきがけ)」といい、年初、あらゆる花の先頭を切って馥郁たる香りをともなって春を告げる。
いまや花といえば「桜」が主流であるが、花といえば梅、という時代は長かったのだ。梅が桜にとってかわったのは平安時代に入ってからだそうである。
「歳寒三友<さいかん(の)さんゆう>」、厳冬の時期に友とすべき三つのものは「松・竹・梅」もしくは「梅・水仙・竹」ともいわれる。清楚な画材の「三清(さんせい)」とは「梅・水仙・竹」のことを、同じく画材の「三君(さんくん)」とは「梅・水仙・沈丁花」である。
女の子のお宮参りの着物に用いられるめでたい文様である「四君子(しくんし)」とは『蘭(春)、竹(夏)、菊(秋)、梅(冬)』のことで、四種の草木を指し、四季を表す。
そのいずれにも、人を和ませる“梅”が入っているのがさすがに天晴れで、面白い。
梅が散る「惜梅(せきばい)」にはまだもうほんのすこしの間があるようである。
平安時代に編纂された「後拾遺和歌集」に載る、至高の花を詠った中原致時(なかはらのむねとき)の和歌がある。
「梅が香を 桜の花ににほわせて 柳が枝にさかせてしがな」
(梅のよい香りを桜の花に匂わせて、しなやかな柳の枝に咲かせたい、の意)
しだれ梅にぴったりくる歌である。
さすがに遅咲きの梅とあって、思ったとおり少なかったがまあ満足できた。
さて、次だ。早咲きの桜を求めて園内の奥に進む。というか正味な話は喫煙場所を目指してである
「梅は香りに桜は花」というが、どちらも可愛くて美しくて、素晴らしい。
どちらも愛でられる今日は、俗にいう「両手に花」の状態だ。まあ果報者といえるが、真に残念なことに両手に美人のオネーチャンではない。
桜の開花には「600度の法則」というのがあるそうだ。
2月1日からの<最高気温>を足していき、その合計が600度になったころに桜(ソメイヨシノ)は開花するそうで、「600度の法則」の誤差はなんとわずか1日というから精度は高い。<平均気温>を足していく「400度の法則」というのもあるから面白い。
ちなみに「600度の法則」によると、2021年の開花予測は東京で3月14日、ということはこの記事がリリースされる今週の末から来週にかけて大船でも満開になるはずだ。
― 続く ―
→「大船フラワーセンター、弥生3月(1)」の記事はこちら
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