温泉クンの旅日記

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読んだ本 2013年6月

2013-07-03 | 雑読録
  <読んだ本 2013年6月>

 上野の山をぶらぶら歩く。
 その昔、よく歩きまわって江戸時代の茶屋みたいなところで、茶を飲みながらだんごを食べた。何度か行ったことを考えると、そのだんごはきっと飛騨高山のみたらしだんごみたいな醤油味だったのだろう。まだあったら嬉しいが、もう、ないだろうなあ。

 こんなところに稲荷神社があるとは知らなかった。



 俗に江戸名物は「伊勢屋、稲荷に犬の糞」といって、江戸時代にはどこにでも稲荷や伊勢屋という屋号の店はあったのだ。犬のなんとかも。
 いまでも深川あたりには伊勢屋という店は多い。

 パンダが偽妊娠の可能性が高いとのことでガッカリしたひとも多いだろう。
 その上野動物園前のポストが、「パンダ」仕様だとは知らなかった。



 なおも歩いていると、なんとも歴史のありそうな重厚な建物があった。まあ、上野には多いけどね。



 そばに行ってみると、なんと「国際こども図書館」とある。
 図書館にはしょっちゅう世話になっているので、敬意を表してちょっと寄ってみることにした。



 明治39年に建てられた旧帝国図書館の建物の空間と意匠を活かして、安全性と耐久性を考慮して再生したそうだ。



 どうして、なかなかの雰囲気がある建物である。
 自由に入れるとのことで、図書館好きのわたしはぐるりと巡ってから、本来の目的であるトイレをちゃっかり拝借した。
 有名なだんご屋はあったが、けっきょく目当ての茶屋はみつけられなかった。

 さて、今月に読んだ本ですが、6月もまずまずの7冊、累計で40冊です。

 1.○噂の女           奥田秀朗 講談社
 2.○やぶへび          大沢在昌 講談社
 3. ○夕陽をあびて        山田太一 日本放送出版協会
 4. ○海辺の扉 (上)      宮本輝 文春文庫
 5. ○海辺の扉 (下)      宮本輝 文春文庫
 6. ○百鬼園随筆         内田百 新潮文庫
 7. ○死闘 古着屋総兵衛影始末一 佐伯泰英 新潮文庫

 ◎の付いた本が一冊もなかった寂しい月である。

「夕陽をあびて」は、海外移住を含めての老後の生き方がテーマのドラマ脚本である。
 1980年代のもので、海外ロケはオーストラリアのバースが中心になっている。三十年後のいま読んでも充分に面白かった。
 配役が大滝秀治と八千草薫だったこともあるかもしれない。

 内田百の「百鬼園随筆」のなかで、雑読のわたしにはぎくりとする一文があった。

  『本を読むのが段段面倒くさくなったから、なるべく読まないようにする。読書と
   云う事を、大変立派な事のように考えていたけれど、一字ずつ字を拾って、行を
   追って頁をめくって行くのは、他人のおしゃべりを、自分の目で聞いている様な
   もので、うるさい。目はそんなものを見るための物ではなさそうな気がする。』


 読んだ冊数を気にする莫迦(おれだ)もいれば、じっくりと本を読みこむひともいる。
 この内田百ものを読むと、この下流に山口瞳とか山本夏彦なんかがたしかにいそうな気がわたしはするな。

 海辺の扉の上巻で、しばらく眼が離せない箇所があった。

  『「誰かがこんなことを言ったよ。誰だったかな。何かの本で読んだんだ。母親が
   死んだら、子供はそのとき哀しくて泣き暮らす。父親が死んでも哀しいことに
   変わりはないが、五年、十年たつごとに、思い出して泣く回数が増える。
   父親の死は、人間に、いろんな形の愛情というものを教える・・・・・・。
   そんな言葉だったな」』


 佐伯泰英の本は久しぶりである。
「密命」26巻を読んだのが、2010年6月から2012年3月だったっけか、な。
 懐かしい・・・。
 最近、図書館の予約待ちが長い。この「古着屋総兵衛シリーズ」は11巻くらいらしいので、軽く付き合うとするか。


   →「読んだ本 2013年5月」の記事はこちら

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