温泉クンの旅日記

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読んだ本 2023年9月と10月

2023-10-29 | 雑読録
  <読んだ本 2023年9月と10月>

 いまではもうひと昔前の話だよといわれそうだが、北海道・道東の知床あたりを車で走らせていると、運よくエゾシカと出逢うことがあった。
 森の中で、いきなり“ビキニ美人のボンドガール”に出くわしたようなものだ。(古くさいけどジツにわかりやすい表現)
 舞いあがってしまって、ただただ目を見開き、胸をときめかせながらも思わずブレーキペダルを踏みこみ、車を止めてカメラを探してしまう。

 

 奈良では、鹿は神の使いとして手厚く保護されている。
 朝の通勤で忙しいなか、でかい面して、ゆっくり堂々と車道を横断しているのを見守らなければならない。奈良は鹿天国なのだ。

 

 最初は珍しいものだから可愛いなどと思っているが、だんだん麻痺している。
 広大な奈良公園だけでなく、東大寺、春日大社、興福寺と、どこへいってもウジャウジャと鹿はいるのである。奈良で鹿と出逢うのに運の必要は、ゼロなのだ。

 

 鹿は普段、もっぱら「芝」を餌としているらしいのだが、「鹿せんべい」を買った人間をみると、
「ええやん、ちょっとでええからセンベイおくれな~、ワシじゃなくてこの子にだけでええんで、ホンマたのむで~」
 と、大相撲の新弟子クラスの体重はたっぷりありそうな鹿が、可愛い小鹿連れですり寄ってくる。今にもこちらの肩に腕(脚)をまわさんばかりの慣れ慣れしさで。
 最初は「ヨカヨカワカッタよ」でもだんだんと鬱陶しくなってくる。

 それに、だ。食欲旺盛な動物がウジャウジャいれば、当然ながら出すのだ。ふんだんに黒豆とやらを。

 

   ♪奈良の春日野 青芝に
    腰をおろせば 鹿のフン
   フンフンフーン 黒豆や
   フンフンフーン 黒豆や
   フンフンフンフン 黒豆や


 まさかあの吉永小百合の歌かよ・・・と話題になった、「鹿のフン」(しかのふん)の通称で知られる「奈良の春日野」の歌詞にあるとおりなのだ。
 奈良に旅するてェことは、なかなかの異世界への旅である。

 さて、9月と10月に読んだ本ですが、2カ月で7冊、累積で35冊。

 1. ◎みとりねこ                有川ひろ        幻冬舎文庫  
 2. ○侠(おとこ)飯5 嵐のペンション篇    福澤徹三        文春文庫
 3.◎アンマーとぼくら            有川ひろ        講談社文庫
 4.◎明日の子供たち             有川浩         幻冬舎文庫
 5.○ダーク・アワーズ (上)         マイクル・コナリー   講談社文庫
 6.◎ダーク・アワーズ (下)        マイクル・コナリー   講談社文庫
 7.◎駅の名は夜明 軌道春秋Ⅱ        高田郁         双葉文庫

 高田郁著の「駅の名は夜明 軌道春秋Ⅱ」。
 その昔、九州出張を終えて久留米から日田方面の各駅電車に乗ったとき、途中にあった「夜明」という駅に記憶があった。よく観てた「タクシードライバーの推理日誌」というドラマの主人公の名前と同じだな、と思ったのである。

 興味を覚えて読んでみたら、短編集だった。

 

  『その駅は、オホーツク海に最も近い。
   冬には流氷がホーム間際まで迫るというが、今は海面に白い波が次々に生まれ、優しい海鳴りとともに寄せては返す。
  彼方、分厚い雲が切れて、鈍色の海に光の梯子が掛けられていた。』

         短編「途中下車」より

 

 

(あれっ、この短編小説の舞台のここって釧網本線の『北浜駅』じゃんか!)
 そして北浜駅は、次の短編「子どもの世界 大人の事情」でも使われる。
 短編集の出来としては「なんだかなぁ・・・」と思っていたら、最後の「約束」と「背中を押すひと」できっちり泣かせてくれた。


  →「読んだ本 2023年7月と8月」の記事はこちら


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