<咲花温泉(1)>
咲花(さきはな)・・・温泉とは、読みも字面もなんともいい名前である。

もともとここの地名は「先鼻」だったそうで、きっと目と鼻の先に大河、阿賀野川が流れていたところからきていたのだろう。
それが、川面に湯の花が咲いているところから「咲花」という地名に改名したそうだ。
阿賀野川観光のライン舟下りの終着点としても発展してきた温泉地であるが、開湯は1954年と、まだまだ若い温泉だ。
電車で行くなら、磐越西線が通っている。


簡素な咲花駅で、無人駅だから出入りは自由だ。
ホームは単線なのでひとつのみだ。

ちょうど電車がはいってきたが、乗降客は少ない。

会津若松から二時間、新潟から一時間と所要時間はけっこうかかるところから、月岡温泉のような大型の宿泊施設はなく、中小の宿が十あまりで、ここは阿賀野川沿いに広がるいい感じに鄙びた温泉街となっている。
休日にはたしか「SLばんえつ号」という機関車も走っているので、それで訪れるのも面白いかもしれない。
今宵の宿は、駅に一番近いところにあった。

若い仲居に案内された部屋の窓からは、阿賀野川、それに沿った国道がみえる。

「ややっ?!」
いまのはなんだ? 正面の山のところを横一線に光がひと筋走った・・・ような気がした。
よくよく見ると、国道のすこしうえを高速道路が平行に走っていて、走行する車の車体が光を受けて走り抜けたのだった。
走行する車の数は少ない。乗用車よりトラックが多いようだ。
夜になってからは、高速で疾走する車のヘッドライトの光芒が闇を切り裂いていくのだった。
咲花温泉には日帰りで二、三度訪れていて、すこぶるいい温泉であることは承知しているのだ。
今回、初めての宿泊である。
― 続く ―
咲花(さきはな)・・・温泉とは、読みも字面もなんともいい名前である。

もともとここの地名は「先鼻」だったそうで、きっと目と鼻の先に大河、阿賀野川が流れていたところからきていたのだろう。
それが、川面に湯の花が咲いているところから「咲花」という地名に改名したそうだ。
阿賀野川観光のライン舟下りの終着点としても発展してきた温泉地であるが、開湯は1954年と、まだまだ若い温泉だ。
電車で行くなら、磐越西線が通っている。


簡素な咲花駅で、無人駅だから出入りは自由だ。
ホームは単線なのでひとつのみだ。

ちょうど電車がはいってきたが、乗降客は少ない。

会津若松から二時間、新潟から一時間と所要時間はけっこうかかるところから、月岡温泉のような大型の宿泊施設はなく、中小の宿が十あまりで、ここは阿賀野川沿いに広がるいい感じに鄙びた温泉街となっている。
休日にはたしか「SLばんえつ号」という機関車も走っているので、それで訪れるのも面白いかもしれない。
今宵の宿は、駅に一番近いところにあった。

若い仲居に案内された部屋の窓からは、阿賀野川、それに沿った国道がみえる。

「ややっ?!」
いまのはなんだ? 正面の山のところを横一線に光がひと筋走った・・・ような気がした。
よくよく見ると、国道のすこしうえを高速道路が平行に走っていて、走行する車の車体が光を受けて走り抜けたのだった。
走行する車の数は少ない。乗用車よりトラックが多いようだ。
夜になってからは、高速で疾走する車のヘッドライトの光芒が闇を切り裂いていくのだった。
咲花温泉には日帰りで二、三度訪れていて、すこぶるいい温泉であることは承知しているのだ。
今回、初めての宿泊である。
― 続く ―
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