ニョニョのひとりごと

バイリンガルで詩とコラムを綴っています

コリア文学教室を理解していただくため総務課に送った詩(残り6作)

2013-01-24 20:27:46 | 詩・コラム


6.「 背中 」
          

栗色の長い髪をたらし
ジ―ンズのミニスカートにブーツ履いて
颯爽と歩けば 誰でも振り返りそうな 先生
昨年まで ユファのクラス担当だった 先生

桃のようにピチピチして 可愛い先生が
今年度はいつも 園児をオンブしている
1才児 担当だ

 
《先生、肩凝りませんか?》
《うーん 大丈夫ですよ》
《そのお子さん まだ歩けないのですか?》
《歩けるけど 泣いてばかりなので…》

そうなんですね 泣いている子は
オンブが一番ですね 安心するんですよね
オンブすれば 他の仕事も出来ると仰る 先生

スタイル気にして かっこう気にして
自分の子供でも中々オンブ出来ませんよ
先生えらい! ママ達 負けてますねぇ

先生の背中は鼻水や涙でベッチョリだけど
園児達には まるで 揺りかごのよう
遥か むかしが懐かしい 子育てのころ

先生! 子供達はちゃんと見てますよ背中を
いつか きっと 肩叩きしてくれますよ            
                         


7.「 収穫 」

         
小雨ぱらつく園庭を はさみ片手に
小躍りしながら年長組さんたちが
向かいます 裏門近くの 菜園に

10年ほど前に作られた菜園
きゅうり、なすび,じやがいも、ゴーヤ…
所狭しと植えられています

今日は三度豆の収穫です
「左手で豆をやさしく押さえて
右手でそっと切るのですよ」

赤ちゃんをさわるように豆を押さえ
園児達は次から次へと切っていきます
鼻歌までちらほら聞こえます

「小さいのは取っては駄目よ」
まだまだ大きくなるから
その時取ろうと仰る川野先生

農薬は使わない 害虫も素手で取る
春に蒔いた種が 紫色の小花をつけ
それが散ったあと実がついた三度豆

「後でゆがいて食べようね」
「わぁい やったー」
先生もニコニコ 園児達もニコニコ

収穫の喜び溢れる菜園です
植物への思いやりがもたらした
最高の贈り物です 先生の真心です             
                          


8.「おいで!」
         

空豆を食べるのがイヤだと
朝からピイピイ泣いていたユファ
まぶたが はれている

保育園に着くなり
担任の先生 発見!

「おいで!」
いつものように 両手を広げて
先生が むかえて下さった

一目散に
先生めがけて 走っていく ユファ
涙顔が ニコニコ顔に 変身!

たったの ひと言 「おいで!」
どれだけ 多くの 園児達が
この言葉に 癒されたことか

やさしい笑顔と 暖かいひと言と
ぎゅっと 抱っこしてもらえるだけで
子供達は こんなにも 幸せなんです




 9.「僕のハンメだぞ」
                        

ひよこ組のガラス戸越しに
ヒジョンとタッチしたりチューしてたら
ゆう君がとことこやってきた

ニコニコゆう君
バンバン戸をたたき
わたしにタッチした

それを見ていたヒジョンが
ゆう君の手をはらいのけた
めげないゆう君 またタッチ

ついにヒジョンが
ゆう君をつきとばしてしまった
《僕のハンメだぞ!》

こかされ エンエン泣き出したゆう君
ごめんね ゆう君 大丈夫?
謝りながら苦笑いしてしまった

1才の反撃にびっくり!
《さわるな 僕のハンメだぞ!》
眼が得意げに言っていた

       (2011.2.24)

*ヒジョンは1歳、まだしゃべれません       
                              



10.「ハンメ 見ててや」

          
いつもの時間 朝 保育園で
ユファが 言った
「ハンメ 見ててや」


ニコニコ顔で 朝の準備
声掛けだけで アドバイスする
(これもいらないかも?)


制服脱いで 袖 出して
ハンガーにていねいに掛ける
お手拭、箸箱袋もいっしょに


カバンからお帳面出して
出席のシールはり
「今日 何日?」


帰るときの着替えも
ちゃんとロッカーにいれ
洗濯物袋もすかさず広げる


最後はうがいに手洗いだ
水道の蛇口も自分で開け
ゴロゴロペーもお手のもの


もうじき4歳 でも 軽すぎて
弟のヒジョンに時々やられるけど 
立派な お姉ちゃんです


「ハンメ もう来なくていいよ」
嬉しいやら 寂しいやら
いつかは訪れる 自立の日です 



11.「コマッスムニダ!ありがとう!」
                 

ミルクが飲めなくて
人見知りがはげしくて
泣いてばかりいました

牛乳もダメ、卵もダメ
そんなリファを
大事に大事に育んでくれた
<つみき>保育園!

声も一番大きいです
踊りも大好きです
絵本も大大好きです
なんにでもチャレンジします

赤ちゃんの時から
5さいになった今日まで
我が家のようにすごした
<つみき>保育園!

つみきを積み上げるように
一段また一段
成長させてくれました
温かく見守ってくれました

生活発表会、運動会
バザー、保育参観…
なによりも 毎日の生活指導

いつも一生懸命な先生方
国籍や肌の色やハンディを越え
誰にも平等にやさしかった
親、きょうだいのような先生方!

あなた方のご苦労は
子ども達の笑顔になり
子ども達の心の栄養になり
子ども達の未来へと繋がりました

コマッスムニダ!ありがとう!
思いやりの心を育ててくれた
<つみき>保育園!
リファ達みんなの心のふるさとです!

 
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