ニョニョのひとりごと

バイリンガルで詩とコラムを綴っています

「コリア文学教室を理解していただくため」

2013-01-24 13:44:27 | 詩・コラム
 

 コリア文学教室が地域と密着したサークルであることを理解していただくため、地域に関連した創作詩を11篇送りました。

 半分だけ掲載いたします。理解していただけたでしょうか?

                              


1.「 両想い 」 
           

ウゥッ さむっ
花冷えの朝 歩いていたら

メガネをかけた可愛い女の子と
若いおばあさんがなにやら話をしていた

《今日は寒いねぇ 気をつけて行っておいで》
《行ってきまぁす!》

元気な女の子は振り向きもせず
一目散に走り出した

おばあさんは ずっと手を振っている
お気の毒に 片想いですね

ところが角を曲がるとき 急に
女の子は振り返り 大きく手を振った

ニコニコ顔のおばあさん 
両想いだね こりゃ
寒さがいっぺんに吹き飛んだ

                        

2. 「幸せの森」

                         

皆さん、つみき保育園の裏門を
じっくり見たことがありますか?

両扉が鉄のレリーフなんですよ    *レリーフ=浮彫
二本の大きな木が彫ってあります

両扉に彫った木を柱に
特大のブランコが吊るされています

ブランコには男の子と女の子
ウサギさん、狸さん、狐さんも乗っています

バンザイしています おいでおいでにも見えます
みんな 思いっきり口をあけて 笑っています

右扉ではきつつきが幹を突いています
左扉の枝の上で小鳥達がチュンチュン歌っています

リスさん,ふくろうさんが長い枝の上で
子ども達をやさしく見守っています

両扉の下側には赤、黄色のお花がいっぱい
キノコもにょきにょき 幸せの森のようです

先生方の想いが刻まれています
オンマ、ママ達の願いがこもっています





3. 「愛の配達人」
             


2軒隣の田中さんは 愛の配達人
今日も朝から配達です


丹精込めて育てたテッセン、しゃくなげ
惜しげもなく配達します いろんな所に


沢山の方に見ていただいた方が
子供たちも喜ぶといいながら…


御両親と御主人の介護に明け暮れた日々
最期を看取られ 今日はおひとり


でも 田中さんは いつも前向き
毎日 子供のように 花々を慈しみ


植木の育て方をみんなに教えて下さる
命の尊さを身を持って教えて下さる


高校無償化除外の話を聞きながら
在日の子供たちに申し訳ないと涙され


御近所の花に虫がつけば
どこでも駆けつけ取り除かれる


「亡き母の教えなんです」
困った方を助ける事は自分の為だと


田中さんは愛の配達人です
むっつり屋さんも笑顔になります

                              


4.「ごくろうさま」
           

         
朝 いつもの道を歩いていたら
ある郵便受けが目に入った

普通の郵便受け
どこにでもある郵便受け

なのにその郵便受けには
真心がつまっていた

たった一言 小さな文字で
「ごくろうさま」

あぁ なんて優しい響きだろう
「ごくろうさま」

新聞配達のお兄さんも
郵便配達のおじさんも
どんなに 心が和む事だろう

本当にささやかな贈り物
でも胸にじーんときた

早速今夜だんな様に言わなきゃぁ
「いつも ごくろうさま」



5.「4月の風物詩」
             


毎朝 すれ違う 先生と園児達
熊野幼稚園の 年少組かなぁ?

先生1人に園児が7~8人
毎朝 誰かが 泣いている

昨日は女の子 その前は男の子

かっこいい制服に深緑色の帽子
紳士、淑女なのに鼻水タラタラ

先生はいつも子供達の手を繋ぎ
車から守るように蟹さん歩き

あれ?今日は泣いてないよ
1人も泣いてないぞ!

わぁ 記念日だ 4月26日
泣き虫卒業 おめでとう!

こうして大きくなるんだね 君達
もうすぐ新緑の5月だよ

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ニョニョの田舎料理 (20... | トップ | コリア文学教室を理解してい... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (魯 信夫)
2013-01-24 17:20:38
どれも暖かくて素敵な詩でした^^

私もポストに「ごくろうさまです」って書こうとおもいます

返信する
Unknown (ニョニョ)
2013-01-24 20:03:58
魯 信夫さま、コメント有難うございます。

コリア文学教室が地域社会に貢献できるものであることを立証しなければ、使用を継続することが難しいと言われ苦肉の策として日本語で書いた詩(東成区に関係ある詩)を10作送りました。

理解していただけることを望んでいます。

詩以外も区役所や団体でハングルの翻訳などが要求されるときは応じることやハングルでの手紙の代筆等にも協力する旨伝えました。

無料で2年間もお借りしているのですからそれぐらいは当たり前だと思っております。
返信する

コメントを投稿

詩・コラム」カテゴリの最新記事