ニョニョのひとりごと

バイリンガルで詩とコラムを綴っています

投稿詩 百年後の今十字架を担う  森本忠紀

2023-10-19 21:15:24 | 詩・コラム
 ⁂大阪府庁前での「火曜日行動」常時参加者の森本忠紀さんが詩を書かれました。ぜひお読みくださり、一緒に考えてくださいね。


百年後の今十字架を担う         森本忠紀

家庭ではみな、優しいお父さんやお兄さん、おじいさんなのに
そんな優しい人たちがどうしてあのように残酷なことができたのか
そのような疑問がよく聞かれる
それよりもぼくはその後のことが気になる
あんな惨酷な人殺しをやってしまった後は
家庭に戻って以前と同じように優しい
おとうさん、優しいおにいさん、優しいおじいさんとして振舞うことは
決してできなかっただろうと

通常、殺人犯が受けるような警察の追及も法による裁きも大方は免れた
でも やったことは決してなかったことにはできない
人殺しをやってしまったおとうさんを おにいさんを おじいさんを
家族はどのように迎え入れたのか
おとうさんがどれほど残虐な人殺しをしたのか
追及して議論巻き起こり大喧嘩 そのようなことはなかったろう
そのことで家族会議が開かれるというようなことはなかったろう
おとうさんの口から事実がもらされることはなかった
おとうさんは口を閉ざした
家族も触れることはしなかった
家中、家族皆が口を閉ざした
あったことがなかったことにされた
それが家庭の幸せ?
それが家庭の平和ということだったのか?

おとうさんは優しいおとうさんをやめたのだろうか
罪を腹に秘めながらやさしい
おとうさんを演じたのだろうか
優しいおとうさんを諦めながらやさしい
おとうさんを演じたのだろうか

ジシンカミナリカジオヤジ
恐いお父さんは恐がられながら愛されるおとうさんだった
本当は優しいおとうさんをやめることはできない
優しいおとうさんであるためにはすることがある
自ら犯した罪を隠さず認める事
反省し謝罪すること
犯した罪に相応する賠償をすること
自警団や在郷軍人会を即刻辞めること

自分のような罪を犯す人間を二度と出さないよう
そんな社会をつくろうと
そんな日本をつくろうと
そのための活動に残った命を捧げよう
犯した罪は決して消え去らない
常に贖罪を忘れない
そのために十字架を背負うこと
ぼくも一緒に背負いたい

本当は百年前になすべきことを
放置してきたのがこの日本という国
ぼくらの社会だ
百年間腐りに腐った魂を
清め蘇らせ取り戻すこと
朝鮮人関東虐殺から百年
今からでもできると信じたい



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