ニョニョのひとりごと

バイリンガルで詩とコラムを綴っています

2014年11月29日、大阪朝高祝典2014-バトンー私たちが引き継ごう

2014-11-29 19:11:36 | イベント
2014年11月29日、大阪朝高祝典2014-バトンー私たちが引き継ごう




  雨が心配されましたが。どうにか止んでくれたようです。

  午前中から娘も出演する演奏会に行っていた私は、娘の出番が終わるとすぐに会場を抜け出し、高速を飛ばして貰って大阪朝高に向かいました。

  1時45分から演劇が始まることを聞いていたからです。

  到着したのは午後1時半、文化会館前は朝高生、中級生、保護者、同胞たちで大変賑わっておりました。

  あちこちから歓声が聞こえます。マイクを持って進行を担当していたのは奇しくも東中で最後に教えた朴君たちでした。(教員最後の年、この学年は一クラスだけ受け持ちました。)














生徒たちが準備した売店です。メニューも看板もお料理もすべて学生たちが準備します。何日も討論しながら準備しますが、その過程がきっと楽しいのでしょうね。主に3年生が売店を担当します。














 あちこちから聞こえる声はすべてウリマルでした。ギャグさえも!朝高でいかにウリマル運動に力を注いできたかを全身で感じました。

 他の演目すべて終わってからなので演劇の始まりが予定より少し遅くなりました。昨年、感動して涙が何回も出てしまったので期待してやってきました。



「演劇ー綴る そして 繋ぐー」


―パンフレットの中から―

つむぐ、つづく、つづる、つなぐ、つぐ、つくろう・・・
共通点は何だろう?
動詞・・・ 「つ」から始まる・・・

紡ぐ、続く、綴る、繋ぐ、継ぐ、繕う・・・
共通点は何だろう?
漢字の中にあるもの
それは「糸」

破れたものを縫うため
針に糸を通し
破れたものを縫うため
布に糸を通していく・・・

切れたものを繕うため
針に糸を通し
切れたものを繕うため
布に糸を通していく・・・

そして繋がっていく

破れるのは一瞬
切れるのは一瞬

その一瞬の
何倍もの時間をかけて
糸を通して 縫っていく
糸を通して 繕っていく

「糸通しい」ものが「いとおしい」ものへと変わる時
「糸通しい」ものが「愛おしい」ものへと変わる時

その一瞬は
破れないための一瞬
切れないための一瞬になるだろう




  脚本、演出は金奈美先生です。若い6人の先生方が力を合わせ創作された演劇です。

  
「場面Ⅰ-お爺さんの日記を踏んでしまった朝高生ー」















「場面2-電車の中 明日は試験ー」(糸川さんとの出会い)










「場面3-電車 帰る時間ー」








「場面4-おじいさんの日記 オバァさんとの出会い」












「場面5-駅のホームー糸川さんに会えるかなぁ?-」




「場面6-家 お爺さんの日記 知る怖さー」




「場面7-過去  回想シーン ハングルを習うー」











「場面8-日記 お爺さんの過去ー」  





「場面9-家 お爺さんの日記 知る喜びー」





「場面10-過去 ウリハッキョに送るー」




  回想シーン②アボジが幼かった頃、新潟のウリハッキョの寄宿舎に入れた日のこと















 涙を流しながら先生に幼い息子のことをお願いするアボジとオモニ。





  アボジ・オモニを探す幼いころのアボジの姿


 


「場面12ー電車 関心を持てばー」







「場面13-学校 破れてしまったお爺さんの日記帳ー」









 お爺さんが危篤だと知らせてくださる先生




「場面14-学校 繋がれた日記帳ー」

















「場面15-綴る そして 繋ぐ」





  :너무도 쉽게 여러 소리를 들을수 있는 세상입니다.(あまりにもたやすくいろんな声を聴くことができる世の中です。)

  :들어야 할 소리가 감추어지는 세상입니다.(聞かなければならない声が隠される世の中です。)

  :가위소리가 들립니까? (ハサミの音が聞こえますか?)

  :후대와 선대를 끊어놓자는 (後代と先代を切り裂こうとする

  :싹둑싹둑 가위소리가 들립니까? チョキンチョキン はさみの音が聞こえますか?)




  :너무도 쉽게 여러 모습을 볼수 있는 세상입니다.(あまりにもたやすくいろんな姿を見ることができる世の中です)

  :보아야 할 모습이 감추어지는 세상입니다.(見なければならない姿が隠される世の中です。)

  :칼날이 보입니까? (刃が見えますか?)

  :나와 민족을, 나와 조국을 끊어놓자는 (私と民族を、私と祖国を切り離させようとする

  :시퍼런 칼날이 보입니까? 真っ青な刃が見えますか?)




  :너무도 쉽게 여러것을 얻을수 있는 세상입니다.(あまりにもたやすくいろんなものを得ることができる世の中です。)

  :진짜 얻어야 할것이 감추어지는 세상입니다. (本当に得なければならないものが隠される世の中です。)

  :가슴에 씨앗은 묻혀있습니까? (胸に種は埋められていますか?)

  :굵은 뿌리 , 굵은 줄기가 될 씨앗이 (太い根っこ、太い幹になる種が

  :무럭무럭 자라고있습니까? (すくすく育っていますか?)




  :그러니 우리는 짓는다! (だから私たちは作る!)

  :선대들 똑같이 우리의 학교를! (先代たちと同じように私たちの学校を!)

  :우리는 짓는다!(私たちは作る!)

  :이기기 위해 단결의 무리를! (勝つために団結の群れを!)

  :우리는 짓는다!(私たちは作る!)

  :우리의 시를! 우리의 노래를! (私たちの詩を! 私たちの歌を!)

  

  :우리는 짓는다!(私たちは浮かべる!)

  :미래 그리며 (未来を描きながら

  :밝은 웃음을 짓는다! 明るい笑みを浮かべる!)





  :우리는 짓는다! 그리고 잇는다! (私たちは綴る! そして 繋ぐ!) 

  :선대들의 피눈물의 력사를! (先代たちの血と涙の歴史を!)

  :우리는 잇는다! (私たちは繋ぐ!)

  :가위로 끊기려 하는 대를! (ハサミで切られようとしている代を!)

  :우리는 잇는다! (私たちは繋ぐ!)

  :나와 너를, 너와 나를! 우리가 우리로 있을수 있게! (私と君を、君と私を!私たちが私たちらしくあるために!)



  :우리는 짓는다 그리고 잇는다!(私たちは綴る そして 繋ぐ!)

  :넋으로 짓는다! 넋을 잇는다! (魂で綴る! 魂を繋ぐ!)





大きな感動をくれた演劇が終わり出演者たちは一人、二人と去っていきました。拍手はいつまでも鳴り響いていました。

















  涙顔を見られないように外に出ました。丁度文化会館の入り口近くでオモニ会の方たちが後片付けをされていました。記念写真を撮ろうとすると、泣き過ぎた李さんが恥ずかしそうに逃げました。






  学校を背に地下鉄に乗るために一人吉田駅に向かいました。紅葉がとても美しい!

  朝高生たちが愛おしくて仕方がありません。

  生徒たちを立派なチョソンサラムに育てて下さっている先生方、オモニ・アボジ達に対する感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。

  決して忘れてはならないもの、決して失ってはならないもの、それはいったいなんでしょうか?!

  あまりにも簡単に大事なものが捨てられ、記憶からも消されようとしています。


  綴らなければなりません。そして繋げなくてはなりません。心からそう思えた日でした。





コメント (4)
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