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ととろサンのひとりごと

【観たり聴いたり旅したり】からこちらへ。旅やアメリカでの話、趣味のことなどなど・・・自分の覚書を兼ねて。

高原と滝と

2012-08-24 17:35:06 | 旅のつれづれ

           

 お盆に帰省した娘一家と短い旅を楽しんだ。(小さい画像はクリックで大きくなります)

<東峰村小石原焼窯元→久住高原へ>

今は東峰村(小石原村と宝珠村が合併。なじめないなあ)と名前が変わった。350年の歴史と今も50軒余りの窯元がある。暫くご無沙汰しているうちに、なじみのY窯元やO窯元の絵柄も少し変わった。昔ながらの小石原特有の【飛びカンナ】の模様は残っているが。明日はイベントがあるとのことで、若い娘さんたちが用意に余念がない。漫画チックなイラスト、なかなか上手だ。山裾の鄙びた陶器の村にも、伝統を守ろうとする若い風が吹いているようだ。

娘夫婦が器を補充、我が家も幾つか購入。その足で我が家定番の久住高原へとドライブ。宿もいつもの久住高原コテージ。食事は今回は焼き肉。食きべれない程の豊後牛に若い家族は満足な様子だった。

      

広大な草原の向こうに涅槃像のような阿蘇五岳を眺めながらの露天風呂、キャンプに来ている親子連れも多い(テントなども貸してくれるので、夏休みは人気である)

夜は天体望遠鏡で専門家の説明を聞きながらの星空観測(私は少し疲れたので部屋で留守番)夜空は澄み切って満天の星、空気もひんやり。十分な観測ができて孫たちにとっては夏休みの嬉しい思い出ができたようだ。私たちも孫たちとの会話やトランプなど、楽しい時間を過ごしたことはいうまでもない。二人とも部活は一緒、吹奏楽部、今年は一位の成績でコンクールを勝ち進み、秋には三回目の大きなコンクールがあるという、そんな部活の話なども楽しく聞いた。

 昼間は24,5度だが、それでも下界(笑)とは10度差があり、草原を吹き抜ける風はさわやかで心地よい。特に少しずつ夜のとばりから曙色が広がり始める頃の草原は、実に清々しく、キャンプの人たちもまだ夢の中、可愛い小鳥たちのさえずりと空の色の変化が朝を告げる。朝霧の向こうに阿蘇五岳が姿を現す。今日も晴れるだろう。

         

薄紅に朝の衣が広がる。はるか草原のかなたに 阿蘇五岳が、朝霧の中に姿を現した          

原尻( はらじり)の滝→阿蘇・大観峰へ>  

翌日はトンネルを抜けて竹田へ。竹田は【荒城の月】作曲の滝廉太郎の故郷でもあり、竹田城址は桜の名所としても有名。今回は素通り。(真夏の城址は暑すぎて・・・)

【原尻の滝】へと向かう。幅120M、高さ20M、東洋のナイアガラ・・ともいうそうだが。小規模だがその様子は確かに似ている。以前カナダを旅してナイヤガラの滝を見た。その壮大さに圧倒されたのを思い出した。私は山でもせせらぎの聞こえるような川のあるところや、海が大好き。水のある風景が好き。だから滝も大いに興味があるのだが、ここは大きすぎて滝のそばで遊ぶってわけにはいかない。眺望を楽しむ滝だった。滝の周りは整備されてはいても、里山風景の中で趣があるのだが、何しろ暑い。昨日を上回る気温だろう。肌がチリチリ痛いような強烈な陽射しだった。                         長いつり橋が滝の真正面にかかっている。下の孫は私同様、高所が苦手らしい。揺れるときゃあと声が出そうになるのを、孫の手前こらえた私も実は高所恐怖症。婿やご隠居達はさっさと渡っていく。娘が移した写真を見ると、私はもろにへっぴり腰、みっともなくて載せられそうにもありません(笑)日本一という久住の大吊り橋もまだ未経験。下の渓流では、魚釣りに興じる親子連れ、川の流れにちょっぴり清涼を感じるが、でもやっぱり暑いなあ(汗・汗)

         

<ソフトクリーム・ラリー>       これは私たちがよく立ち寄るお店で。ソフトではないけど。

「暑いねえ!」焼けつくような猛暑にげんなり。と、娘が【ご当地アイスクリームラリーのちらしを店でもらって来た。長湯・久住・竹田・荻などの道の駅やお店がエントリー。合計20種類。巨峰ソフト・ほうれん草そふと・トマトソフト…などなど珍しいものも多い。スイーツ20種すべてを巡った人には【たけたソフトクリーム大使】認定。認定証とオリジナルピンバッチ進呈、さらに3万円の宿泊券が抽選で当たるとある。どこも観光客寄せにいろんな知恵を絞って頑張ってるんだなあ。

阿蘇や久住は牧場が多く、牛乳が美味しいので、ソフトくりーも美味。それにでっかい!サービス満点である。立ち寄らなかったが長湯温泉は泡・泡の炭酸温泉が取り持つ縁で、ドイツと昔から交流が深い。長湯のソフトクリームはドイツワイン味だそうだ、ちょっと興味をそそられるなあ。

 <阿蘇・大観峰>

 

   大観峰は親子連れで賑わっていた。向こうには根子岳、手前に広がるモザイクのような田畑や家々。世界一の阿蘇のカルデラはやはり見事な眺めだ。見下ろしていると、カルデラから吹き上げる風が焼けた肌に心地よい。孫たちは早速名物トウモロコシを。ちょうど熊本のゆるキャラ【くまもん】が来て、ヘリコプターに乗るとか子供たちと記念撮影をするとかで・・・それで小さな子供たち連れの親子が多かったのかもしれない。

大観峰を降りて日田経由帰路をとる。【ウナギ食べたいな】のリクエストに鳥栖のなじみの店へ。今回の娘たちの旅は我が家での食事やお刺身、握り寿司なども含めて、A級・B級ご当地グルメの旅だったようだ。勿論博多ラーメンもしっかり食べていった(笑)

<いつものごとく>

大観峰が近づいた時、娘が「お母さん、ここで携帯忘れたよね。私が探しに行ったら、5個位携帯の忘れ物があった。携帯忘れる人あるんだねえ」 婿や娘にとっては携帯、いや、今はアイホーン?アイパッド?は必需品。忘れるなんて考えられないのだろう。ご隠居「雲仙でも、四国でも、お母さんは必ず何か忘れるのだから~」わあ、形勢悪くなった!【大丈夫、今度は忘れないから】・・・

最後のグルメ旅?の〆は【ウナギ屋さん】実はここでテーブルの下に私小さな手提げ忘れておりました。まだ娘達には告白してないんだけど・・・大したものは入っていないけど、バックがなくすにはちょっと・・・

お店には預かっておいてくださいと電話。まあ、いいや、その時もう一度美味しいうなぎを食べることができるんだから。

可愛い小さな花達宿の草原で。撮影はご隠居

今回の旅、エッセイとして読みたい方は、ご隠居さんのブロ蟋蟀庵便り をご覧ください。フォトアルバムもあります。

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忙中閑あり、箱根へドライブ

2012-06-13 21:16:45 | 旅のつれづれ

”ニャン子の手よりととろの手”で留守番役に来たのですが、『富士山見たいなあ。貴女達が出発する前に、独りで箱根へ行ってみようかしら』と言っていたら娘が『ここから一時間半で行けるよ』と車で連れて行ってくれました。緑のトンネルをスイスイ、平日なので渋滞もなし。箱根は娘一家、娘の夫のご両親一緒に娘達から招待されて宿泊、温泉や観光を楽しんで以来です。今回は私が行ったことのないところへ。

まずは箱根湿生花園

 湿原をはじめとして川や湖沼など水湿地に生育している植物を中心とした植物園。高山植物1100種あるという。初めて来たので、わくわく、どんな花にあえるのかしら広い園内を標識に従って歩きました。

 ご隠居のカメラならきれいな画像が出来るでしょうが、私のは・・・腕もカメラもさっぱりなんだけど、でも写したい気持ちだけは大いにあるのですが。

      

        広い園内は私達世代ばかり(笑)。山野草好き世代ですね。お供の娘はどうだったか・・・解らないけれど、私にはいそいそ楽しい散策の時間となりました。

ランチは箱根富士屋ホテル

あの歴史を今に残すレトロなホテルに、話の種にと立ち寄りました。

  明治11年(1878年)日本で初めての、外国人向けのリゾートホテルとして開業。外見をみただけで、外人好みだなと思えるデザイン。ラウンジなども重厚な雰囲気でした。ヘレンケラーやチャーリー・チャップリンをはじめ、沢山の著名な海外からの客は、このホテルの日本情緒をこよなく愛したのだろうと想いを馳せながらしばし過ごしました。

 

               

 娘はランチコースを、私は「ここのカレーは有名なのよ」娘の言葉に私はビーフ・カレーを選びましたが、たかがカレーされどカレー!お値段は¥2400!

確かにコクのある美味しいカレーでしたが、一度体験したらいいかなって思ってしまったのは、ととろサンは庶民感覚の主婦だからでしょう。ちなみにランチコースは¥3900。お土産にオリジナルの紅茶やクッキーを求めました。

ホテルオリジナルのクッキーといえば、やはり老舗ホテル【金谷ホテル】のバタークッキーは、まだ手作りケーキの店など一般的ではなかった昭和40年代初めてお土産でいただいて以来【美味しいお菓子】のひとつとして私の記憶にしっかりと残っています。あのころはまだ手作りケーキの店などごくごく珍しい時代でしたから。

芦ノ湖で遊んだあとはラリック美術館LA・TRAIN)

 

あいにく曇り空となり、富士山はど~んと見えたものの、前に独り旅した山中湖の時のようにくっきり鮮やかというわけにはいきませんでした。やはり空気が冷たく澄んでいる季節がベストなのでしょう。

芦ノ湖で湖面を渡る風を心地よく感じながら過ごしたのち、娘が「これはきっとお母さんが喜ぶはず。サプライズよ」と案内してくれたのが、ラリック美術館のLE・TRAINでのティタイム。予約していたそうです。

  

あのオリエンタル急行が(勿論本物)今はティールームとなって、”お茶タイム”を楽しめるのです。

 

(車内でお茶タイム)                  (予約を入れて)

 高校生の頃、早川ミステリー文庫にはまったことがありました。イギリスのミステリー作家アガサ・クリスティが気に入って以来、探偵ポアロ物、ミス・マーブル物など、今では文庫本ですが最後の「カーテン」まで全部本棚に並んでいます。

その中の一冊【オリエント急行殺人事件】の舞台となったのが、このヨーロッパを走った列車で、列車が走る間に殺人事件が起こります。その思いがけない結末は、ミステリーの女王クリスティならではでしょう。

当時そのままの列車の中には、幻想的なラリックのガラスパネルが150枚以上室内に使ってあるとか、どうしてここにこの列車があるのかなど、詳しい説明もありました。ラリックがこの列車の室内装飾を制作したのは、1928年、68歳の時だそうです。
 
ルネ・ラリック(1860-1945)は、19世紀末から20世紀半ばにかけて、アール・ヌーヴォーのジュエリー制作者、50歳過ぎてアール・デコのガラス工芸家として優れた作品を残している。

ほのかな明かりの中で、ちょっとクラシカルなお茶タイムがゆっくり流れました。当時としては最高に贅沢な列車の旅だったことでしょう。車窓からの自然光や室内ランプなど、昼夜の光を巧みに幻想的な空間と安らぎとちょっとした贅沢気分を味わいました。私はアガサ・クリスティゆかりの列車に乗れたことが、嬉しくて。彼女は考古学者の夫がエジプトに赴任する際、一緒に列車の旅をして、それがのちにミステリーとなったと昔読んだ記憶があります。

 そうそう、花月園の庭にも寄りました。つつじ真っ盛り、見事でした。

   

箱根に行ったら日帰りなら【立ち寄り湯】に・・・と用意していったのですが、あちこちでゆっくり楽しんでしまって、子供達が学校から戻るまでには帰宅しなければと今回は断念、また宿泊でゆっくり温泉味わいたいものです。片道1時間半の【箱根ドライブ】本日のところはこれにて幕。久しぶりに母娘で遠出した嬉しい一日でした。案内役・サプライズ、有難う!

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雨に煙る樹林もまた良からずや(その1、Eさんの山荘にて)

2011-05-25 22:32:32 | 旅のつれづれ

   梅雨に入る前に萌える緑の美しさを!と友人夫妻と久住へ。ところが天気予報の読みがちょいと狂って二日間とも灰色の空、小雨は霧のように広がって山も樹林も朧に包み込んでしまう。それもまた、明るい陽ざしの中の風景とは異なった墨絵のような美しさを見せてくれる。

一日目はサークル仲間で今は福岡在住のEさんの山荘に、6年ぶりに。そんな歳月が経ったとは思えない程懐かしく、ほっとするすてきな木造りの山荘とすてきなご夫婦。豊潤の時間が静かに流れるに相応しい。でもまあ、この時は久しぶりということもあり、山野草大好きな友人が張り切りすぎて、賑やかな時間になってしまったが・・・私もつられて少々はしゃぎすぎてしまった。

詳しくはご隠居サンのエッセイ蟋蟀庵便に、そのたたずまいが描かれている。画像はこちらにUP。

IMG_3522 画像 008  

 

画像 010

 

 

 


IMG_3542  


 


 


 


二階からの眺めは、晴天だったらはるかに九重連山を見渡すことが出来る。その手前の水田には、逆さ富士ならぬ逆さ九重連山がくっきりとその姿を写すそうだ。素晴らしい初夏の眺め。この山荘からの眺望は最高だ

IMG_3508 
三俣山はじめ九重のやまなみが雲に包まれているのは、本当に残念。また晴れた時に是非!とEさん。600坪の庭には様々な山野草や樹木に満ちている。ご主人から山荘四季折々の写真やその時々の花々をTV画面にスライドで見せていただく。芽吹きの春も、緑濃い夏も、紅葉の秋も、真っ白な雪一色の冬も、それぞれに素晴らしい。「もっと頻繁にいらっしゃい」とEさん。若い頃から槍・穂高・谷川などからヒマラヤなどなど登っていらした山男のご主人、結婚後山歩きが大好きになった奥さん、お二人の人生の夢の実現がの山荘だと思う。柱にかかった想い出のザイルに目が留まって、井上靖の【氷壁】でのナイロンザイルのことなど、お話を伺った。

庭には木工が趣味のご主人の工作小屋もある。共に仕事を持っていらっしゃったご夫婦なので、「働いている時は金曜日夜に来て、日曜の夜帰って翌日仕事」そんなことを繰り返していたのよと優しい笑顔のEさん。今では一年の殆どをこの山荘で過ごしていらっしゃるという。

3e9f059e291b48b439c1c4f6b3c3830a[1] これは6年前に訪れた時の画像。

 テラスの縁に並べたワイングラスに、逆さの九重連山がくっきりと映っている。ご隠居が写したものだが、私の大好きな一枚である。その時のご隠居サンのエッセイの一部。

・・・・テラスの手摺りに持参したワイングラスを並べて、フランスの赤ワインとドイツの白ワインを注いだ時、思いがけない発見があった。琥珀色のグラスに逆さまに写し取られた木立と山並み・・

16年の歳月を費やして築き上げられた山荘は、木立と野草に囲まれて見事に自然と調和し、数々の木々や草花が彩りを添えていた。ヤマザクラは既に盛りを過ぎたが、足元の草むらにはヒトリシズカ、ヤマシャクヤク、シュンラン、ナルコユリ、エヒメアヤメ、カタクリ、サギゴケ、キスミレなどが山庭の春を謳っていた。オーナーご夫妻の心のこもったもてなしが、至福の時間を演出してくれる・・・

 二階から庭の巣箱を見る。ここはヤマガラ夫婦の住まい。裏の巣箱はシジュウカラ夫婦が子育て中。ご主人の手からヒマワリの種を食べるヤマガラ。

画像 016

 

         

 

 

 

 

 前回訪問は築16年目、今回は22年目の歴史を刻む山荘。樹木は記憶よりはるかに高く空に枝葉を伸ばし、山野草も群生が広がりを見せていた。「今年はエヒメアヤメが増えましたよ。山桜の時もいいですよ、ぜひ!」とのお誘いに来春が楽しみだ。

あ、その前に見事な紅葉の季節があったなあ。夢は簡単に叶えられたのではない。経費的なやりくり、土地探し、設計図も自分で。自然の木をそのままに生かした作りも素晴らしい。大工さんは最初はこういうのは初めてだと言ったそうだが、一緒に使う材料探しもして、建築まで自分達の目で手で、惜しみない努力と愛情で創り上げられた山荘は心地よいぬくもりに満ちていた。                  画像 013
 

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窯元&キリシタン歴史の跡など

2010-10-24 17:15:41 | 旅のつれづれ

朝ご飯伊勢えび味噌汁 翌日は朝から晴れ上がっていた。朝食には伊勢えびのお味噌汁(これがまた美味)がたっぷりついていた。後はごく普通の温泉朝食でした。旅に出るといつも食欲旺盛になってしまいます。

 

ロビー 宿は至って和風旅館なのですが、ロビーは新しい感じの改装で【白秋全集全40巻】【赤い鳥(1918年大正7年、作家鈴木三重吉によって発刊された童話と童謡の雑誌)】の復刻版が並んでいました。芥川龍之介の【蜘蛛の糸】なども確かこの雑誌に発表されたと思うのですが。

【北原白秋の邪宗門や杢太郎の南蛮寺門前なども古いものが並んでいました。なんだか嬉しい懐かしい気持ちになりました。経営者の奥さんの趣味だとか。戦前の実家や叔母の家で読んだ古びた【赤い赤い鳥復刻版 鳥】・・・福岡大空襲で全て焼けてしまいました。珈琲を飲みながら、赤い鳥のページをめくり、しばし想いに耽っておりました。珈琲カップの白磁の色が余りにつややかな白だったので、この器を焼いた窯元を訪ねたくなりました。この辺りには幾つもの窯元があり、【窯元祭り】なども開催されています。天草陶石の採掘は江戸時代に始まり、その白さと材質は一等・二等などとランクづけられて磁器の材料に使われます。

 


天草は焼き物も

白磁に艶があり薄くて、つい、小皿など求めました。今回は3軒の窯元を訪ねましたが、次回はもっと回ってみようかな・・・と思います。有田などのように有名ではないけれど、素朴な窯元には心惹かれます。

IMG_2086 白磁の白がキラキラ綺麗 キラキラ輝く海を眺めながら山の方にくねくね道を走って小高い丘に建つ大江天主堂をまず訪れました。与謝野鉄幹や白秋がガルエニ神父を訪ねて、キリシタンの歴史に触れたところ。白亜の教会が秋の青空に、映えていました。昔この回り、見下ろす辺りは農村が広がっていたようです。今も住宅の屋根屋根や山が、遠くには海が見えます。農村の佇まいの中にありました。

大江天主堂2 天草に初めてキリスト教が伝わったのは1566年。熱心な布教活動の結果入信者が増えコレジオと呼ばれる神学校も天草に出来たが、その後キリスト教禁止令による280年余りの、厳しい迫害の歴史が続いた。キリシタンの人々は、隠れ部屋に潜みながらオラショ(祈りの言葉)を唱えながら、苦難の中信仰を守り通した。?大江天主堂の横には、日本風な墓でありながら十字を描いた墓が並んでいた。               

 

?大江天主堂でルルドのマリア像 有名なルルドのマリア像。

 再度訪れた吉井IMG_2091 勇の歌碑がありました。

 

ともにゆきし友あらず 我ひとり

 

老いてまた踏む天草の地

 

もう一つの同じような歴史を持つ【崎津天主堂】へ。ここ天草や島原を訪れると、広がる海の彼方の波のうねりの向こうには、異国・伴天連の国があり、渡来した神父の情熱が素朴な村落の人々の心魅了し、やがてキリスト教受難の時代へ。その時代を乗り越えて、今もなお静かにたたずむ天主堂の周りには信仰厚き人たちが暮らしているのだと思うと、若き日の白秋・杢太郎ならずとも、宗教は解らなくとも熱く切ない想いを新たにしてしまったととろサンでした。

この教会は海のすぐ近く漁師町にあります。天草下島の南部、東シナ海に面した湾傍の漁師達の信仰の場所です。崎津天主堂は海の傍に この湾水が澄んでとても綺麗でした。この辺りでも熱帯魚が泳いでいたり、少し沖の方へ行けばテーブル・サンゴが見られるとか。イセエビもすぐ近くで採れますよ。許可なしではダメですが・・・とそんな話を自分で作って売っている、干物売りのご夫婦から聞きました。ご隠居は「来夏は天草でダイビングしよう!!」と張り切っています。(海側からの教会の画像は、ネットからお借りしました)

海の傍の先津店主導 珍しいヨメゴチという地元の干物。みりん味が利いて、ちょっとあぶって酒肴にぴったり。

 


IMG_2183 お土産などに幾つか買いました。干物やサンの猫ちゃん1 干物やサンの猫ちゃん、アメリカの娘宅のサヤによく似ていたので


 パチリと写してしまいました。 二つの天主堂を見て、苦難の歴史と鄙びたところに建つ美しい教会の姿に謙虚で強い心を持った当時の人たちのことを思わずにはいられませんでした。宗教のことは解りませんが、やはりそれほどに強いものなのでしょうね。

もう一つ訪れたいところがありました。カーナビの力を借りながら(但し、カーナビさんは一途に自分の思う道を辿らせようとするところがあるようです。ご隠居は道路が変ったり、増えたりしたとはいえ天草に詳しいので、目指すところに行き着きました。

 【ギャラリー・つる田】天草出身の画家・イラストラートレーター、鶴田一郎サンの実家で148 お姉さんがオーナーの小さなギャラリー。ノエビア化粧品の宣伝にも使われておりました。美人画を得意となさってます。

営業は木曜~~日曜と確認して出かけたのに、残念、しっかりと戸は閉まってクローズ。多分用事が出来て出かけられたのでしょう。(画像はネットからお借りしました)絵葉書欲しかったんですが・・・残念。

 

昼定食 ?ここで町内のTさんからご隠居サンに携帯メールに「お昼まだでしたら、僕が会社時代天草に出張の時泊まっていたビジネスホテルが、食堂をやっています。安くて美味しいですよ」との情報を寄せて下さいました。丁度これから帰路に向かう途中にあるお店(河丁という名前でした)だったので、立ち寄りました。座席のすぐ前に海が広がっています。明るく優しい海を眺めながら定食を食べました。1050円也。安いけどお刺身も新しく、お煮付けに小鉢など、美味しく頂きました。気さくな女将さんで、Tさんのこともよく覚えていらっしゃいました。旅先でそんなちょっとした会話を交わせると、旅の楽しみが倍加します。

今回の天草への一泊旅、行きは晴れたり曇ったり、イルカと夕陽は見ることは出来なかったけど、キリシタンの歴史に伴天連異国情緒を感じ、五足の靴の文学遊歩道にはちょっとがっかりしたとはいえ、若い詩人達の当時の心境などを思いやり、文学的な心も掻き立てられながらも、何よりも伊勢えび!美味しかったなあ!なんて!あはは、やっぱり食い意地が張っています。

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蛍訪ねて、山の宿へ。

2010-06-29 08:09:40 | 旅のつれづれ

 蛍 舞う

 薄墨色の空を背景に、生い茂った樹々がひときわ高く黒々と聳え、息を潜めるようにして佇む私の足元近くで、川の瀬音がさやさやと小さな音を立てていた。時刻は夜8時を回ったろうか、後ろで女の子の声『ねぇ、蛍まだかな?』誰かが手にした旅館の提灯の火を消した。闇が更に濃い色を増した。

 その瞬間!「あっ」 無数の黄色がかった小さな光が、一斉に闇の中に浮かび上がった!かなりの上空で灯っては消え、また灯して、時には私の肩のあたりを掠めて飛ぶ。乱舞する一つ一つの灯りは、思ったより強い光となって輝く。光の尾を引くように瞬時もとどまらず、蛍たちの、次なる命の結実を求めての舞いは一時間ほど続き、私は幻想的な情景の中に、包み込まれていた。

  一斉に光り一斉に闇となる、蛍の群れ。『一匹くらいは、ちょっと遅れて明かりを灯すような、間抜けな蛍はいないのかしら』と思うのだが、その点滅のリズムはピッタリと合って、崩れることはない。蛍が灯を消した瞬間の暗闇の中で、想い出の中の蛍の情景が脳裏をよぎる。蛍の明かりが灯ると、想い出は陰を潜め、目の前の灯りに心を奪われる。

 『蛍を見たい!』その想いを果たした、心地よい充足感を覚えながら宿へ戻る。ほんの5分くらいの道のり。蛍の後は、気持ちの良い温泉が待っていた(露天風呂の周りは自然の山の樹林)

 6月16日 蛍求めて一泊の旅   法泉寺温泉へ。

 『蛍見ない歴・・・ウン十年』今年こそは!とネット検索。”いいな”と思った料理に定評(お米も自作)の小さな宿は、トイレ共同、部屋食にあらず・・・で断念。期日指定・二組限定の残り一組に滑り込みセーフで、【一泊二食付き1万五千円也】が半額7500円という宿に決めた。大分県玖珠郡宝泉寺温泉郷。

余り人に知られていず、ドライブ好きにはスリルも味わえるワーム・わいたロードを走りぬけ(私は助手席の女です)久住の黒岳登り口にある男池(おいけ)の樹林を散策。ここは【名水百選】に選ばれたところ。樹林を流れる澄み切った川の底から、こんこんと湧き水が絶えることがなく、登山の帰りなどに喉を潤したり、水を汲み持ち帰る人も多い。山野草散策も楽しめるところなのだが、今回はさすがに山野草は見当たらず、樹木の緑を楽しんだ。

 おなじみの硫黄山の噴煙。

樹林から久住牧の戸へ。若い頃はよく登った久住連山を眺めながら走る。風がないので硫黄山から立ち上る硫黄の噴煙もまっすぐ空へと向かっていた。見上げる遠くの山肌はピンク色に染まっている。今年は【ミヤマキリシマ】の開花が少し遅かったらしく、今満開で登山客の車が駐車場のみならず道路にまでずらりと並んでいた。

宝泉寺温泉(大分県玖珠郡)宿は小さめのが8軒。昔は秘湯であったろうと思われる。

  

千年ほど前、空也上人がこの地を訪れ、杖を突き刺した処から温泉が湧き出したという伝説がある。日本最大の石櫃風呂は、宝泉寺温泉のシンボルとなっているそうだ。

泉質は単純泉・ナトリュウム塩化物泉で、無色透明。効能は慢性皮膚病・婦人病・神経痛・筋肉痛・リュウマチ・胃腸病などに効くそうで、現在も毎分2000リットルの湧出量とのこと。

私達の泊まった宿は龍泉閣、外見は小さなホテルという感じ。ロビーも何の変哲もない。温泉宿のひなびたレトロな雰囲気が好きな私達には・・・ちょっと・・・だったが、何しろ半額で泊めて下さるんだもの。年金生活者には有難い。

 

お風呂は女風呂にも露天が付いているが、大きい方の露天風呂がよかった。【温泉めぐり】も出来るので、温泉好きの私、張り切ってしまったが、ご隠居は一軒目体験であとは宿のでいいよ・・・とパス。一人でいくのもなあ・・・と宿の大風呂露天が気に入ったので、貸しきり状態で楽しんだ。

一軒入浴お邪魔したのは【山の湯】お風呂は小さかったが、ロビーなどはなかなかお洒落だった 。露天は高温すぎてゆっくりは入れなかったし、 数人入れば満杯という感じで・・・ゆっくり入浴好きな私は落ち着かなかった。ロビーでの寛ぎはGood。

   

宿が並んだ前には小さな川がある。「昔はこの川でも蛍が飛んでいたんですがね」と宿の人。今は旅館の並ぶところの脇道まで少し歩いて【蛍見】に行く。昨夜は雨で蛍は飛ばず、今日は雨の後だったから湿気も多くて蛍が出る条件が揃っていたとの事。ラッキー!だったなあ。

お料理は温泉定番という感じだが、豊後牛がとろけそうな食感で美味だった。しかし、これで7500円とは!なんだか申し訳ないような気がした。

ドライブ・立ち寄り風景         

       

帰りのドライブ中、天瀬温泉の近くで【農業公園】の看板に釣られて(地元野菜買おうかなと)立ち寄ったら、広大な【薔薇園】があった。「薔薇はもう終わってるよね」と話していたら、手入れをしていたオジサンが「入場料入りませんから是非」と声をかけてくれた。全て花は終わっていたが、ここは珍しい【型作った】薔薇が見事なところなのだそうだ。種類も多く「山椒薔薇」などという初めて耳にするものもあった。色々説明をしてくれる。「五月の連休明け」くらいが見ごろだそうな。来年は訪れてみよう。野菜?そういう場所ではありませんでした(笑)

それにしても、走っていると黒川温泉、はげの湯温泉、筌の口温泉などなど沢山の温泉がある。全部一通制覇してみたいものだ

ドライブコース【わいた・ファーム・ロード】にも、口蹄疫の消毒所が設けられていた。道路に敷いた消毒液のしみた敷板の上を車で通る。タイヤの消毒だ。なんとか【ザ・ストップ】しようとの処置。思いがけない災害とも言うべき口蹄疫騒動に巻き込まれた宮崎、本当に本当に気の毒だ。気のせいか、このあたりでも牧場で遊ぶ牛達の姿が少ないように思う。

    口蹄疫のタイヤ消毒所

最期に立ち寄ったのは日田の【元気の駅】こ こで野菜やお土産を買って【蛍を求めて】の小さな旅は終わった。 宝泉寺温泉郷には【川底温泉】や【壁湯温泉】という古くからの、ひなびた温泉がある。ここあたりも 出かけて見たいなと思う温泉である。

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