ととろサンのひとりごと

【観たり聴いたり旅したり】からこちらへ。旅やアメリカでの話、趣味のことなどなど・・・自分の覚書を兼ねて。

万葉人の饗宴のお膳(再現)を味わった秋の日。

2018-11-18 15:00:15 | 日々の中で

   11月11日(日)今日も爽やかな秋空。観世音寺近くの【観世公民館】で、歴史を遡った700年代、万葉人が食した饗宴の御膳を再現したお食事を、いただく機会に恵まれました(太宰府史跡発掘50周年記念・・・古都太宰府保存協会、常若の会)

天平2年(730年)年正月13日【大宰の帥】であった万葉歌人としても著名な大伴旅人が、官邸にて【梅花の宴】を催し、この時に詠まれた32首の和歌は、万葉集に収められている。万葉集前20巻役4500首のうち、320首は筑紫で詠まれたもの。彼らのような深い文化的要素を持つ、高級官吏達は、のちに【筑紫歌壇」と呼ばれている。そのような万葉人の宴の食事の再現

古都大宰府保存協会が、日本風俗史学会九州支部の先生方との共同研究で、延喜式などの資料を読み解き、試行錯誤の末に再現された饗宴の御膳だそうだ。

  観世音寺近くの

観世公民館がが会場。

   ・・・・・お品書き・・・・(木製御菓子敷は障害者支援施設”宰府園”制作)

・赤米のご飯。

・根菜の茹でもの。醤(ひしお)添え。大豆のイロリ(ゆで汁)で大根・蓮根・里芋。牛蒡・ズイキを、茹でたもの。ひしお(醤)をつけていただく(醤は当時の調味料。醤油の元祖)

・蘇(そ) 牛乳を10分の1に煮詰めたもの。

・芋粥   山芋の殺ぎ切りを甘葛(あまづら)で煮たもの。(芥川龍之介の短編「芋粥」は、これのこと。甘葛はブドウ科つる植物のツタの樹液を集めたもの。 

・潮汁     アサリ汁。

・干し柿、木連子(イタビ==イヌビワ)・棗(なつめ)

・環餅(マカリ)、結果(カクナワ) 米粉や小麦粉を材料にゴマ油で揚げたもの。

これに鮎寿司(あゆのなれ寿司。一ヶ月ねかせたもの当日は保健所規則で食膳にはなかった)   お箸は梅の枝で作られていた。

千年以上前、まだ砂糖も醤油も塩もなかった時代に、自然のものを使ってこれだけの献立が出来たことが、驚きである。素朴で優しい味、いにしえ人になった気分で、美味しく頂いた。頂きながら・・・その頃の庶民、太宰府に住んでいた一般の人達はどんなものを食したのであろうか・・・とそんなことも考えて感慨深かった。

120食もの準備をすることは大変だっただろう。「ひしお」などは作るのに時間がかかるし、材料を集めるのにも。感動を覚えながら味わった。特に芋粥はとても甘くて、デザートのようだ。勿論さつまいもが当時なかったのは知っていたが、里芋を使っていたのかと思っていたし、蘇はチーズの前身、江戸時代からかと勘違いしていた

【大宰府発見塾】の塾長森弘子さんなどによって行われていた、古都太宰府の知識を問う「太宰府検定」実行委員会は、県文化財保護課や太宰府天満宮、九州国立博物館などで構成。古都の歴史や文化を発信する人材育成などを目的に毎年、市と検定を共催してきたが、発掘50周年を機に新しい構想(子供達も加えたり)で再スタートする日迄、幕を降ろすこととなった。

 今年検定に合格して選ばれた【大宰の帥】の關久江さんも、第一回の帥の藤田百合子さんも、ともに同じ読書サークルの仲間である。ほんとに嬉しいことだ。古都を守る会などでの史跡案内にも、太宰府の歴史にも精通した史跡ボランティアでもあり、万葉時代からの太宰府の歴史に詳しい人が私の周りには多い。(私は知識以前・・・でお恥ずかしい限りである)

 

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秋たけなわ町内バスハイク。

2018-11-09 17:08:44 | 草の根地域福祉

11月7日。今日も最高の秋晴れ。

 線だらけなのは残念だが、蒼い空に長くを引く飛行機雲。爽やかという言葉そのままの秋日和が続く。

町内バスハイクで【佐賀幕末維新記念館】→レストラン季楽で佐賀牛ランチ→道の駅大和。

参加対象は70歳以上。最高年齢者は96歳のMさん、お若い頃は小学校の先生で退職後は我が地区初代民生委員サンだった。茶道をご自宅で教えていらっしゃったので、ご隠居が自治会長の頃は『夏休みおもしろ塾』を二人で立ち上げて、Mさん達茶道の心得のある方お二人にもお願いして「子供茶道」の時間を受け持っていただいた。ステッキはついていらっしゃるが、シャキッとしていらして感心する。若い(と言っても大学生や高校生のお父さん)Mさんがエスコート役を買って出て下さる。こんな世代の男性が地域活動に関心を持って下さることが、とっても嬉しい。

私達の頃に幼稚園生だったお嬢さんがもう高校生と聞いて「年とる筈だなあ」としみじみ思った。

地域福祉『ひまわり』さんとしてアレコレ企画、お世話してきたが、今では私もお招きいただく側である。見学と食事と地産買い物。このパターン、女性に一番喜ばれるコースだ。「お久しぶり!」町内の方達でも、普段は会えない人も多い。あちこちで明るい声が弾み。バスがスタートする頃から、話が弾み笑い声が絶えない。車窓から色づく紅葉を眺めながら。ハゼの真っ赤な色が目についた。

 佐賀幕末維新記念館。

モダンな建物にちょっとびっくり!中に入ると・・・

  

 

 

係の人の案内で真っ暗な部屋へ。最初は佐賀藩と維新幕末との関わりの映像が。

次の部屋は【佐賀七賢人】と呼ばれ維新・幕末の頃に活躍した佐賀の秀でた先人たちの映像や物語。いずれも影絵風。物語風。にまとめてあった。三つ目の部屋は、記念館を訪れた人たちの「一言」が壁に貼られている。

う~ん、今風な・・・でも資料などはなく、専ら映像だけでというのは少し寂しい。それにずっと立ったままで見ることになるので、短時間とはいえご年配の人にはきつかっただろう。勿論車椅子は貸してくれるが。他に【リアル弘道館】や【葉隠みらい館】などもある。若い人達に、佐賀の歴史に親しんでもらおうと頑張っている佐賀を感じる。佐賀城址博物館もあるし、現代的には、広々とした佐賀平野と青い空に舞う色とりどりのバルーンが楽しいバルーン大会もある。うん、頑張っているなあ。

薩摩(鹿児島)、長州(山口)、土佐(高知)、肥前(佐賀)の4つの藩が幕末に活躍し、明治への近代化となるのだが、意外に肥前(佐賀)は「え、そんなに活躍した人が出たの?」と思ってしまう。他の三つの藩に比べて控えめな気がするが、実際は「凄いんだぞ」と最近の佐賀は、自分の歴史をしっかり伝えようと頑張っている気がする。佐賀七賢人の存在をはじめとして。

佐賀七賢人・・・は9代目藩主鍋島直正(先見の明があった藩主である。海外を見据えて、日本で初めての大砲・蒸気機関車を作り、藩校医学館・・のちに弘道館を創設。新政府大蔵卿となる・・をはじめとして、大隈重信(参議・総理大臣・早稲田大学創立など)副島種臣。江藤新平・島 義勇・佐野常民・大木喬任・・・。

幕末維新記念館を見学のあと、ランチは「佐賀牛の季楽」JA佐賀経営の店。福岡にも二つ(博多店と中州店)があるが、牛肉が美味で、ランチ1500円から。中洲の那珂川に映るネオンの揺らぎを眺めながら、鉄板焼きを楽しめるロケーションも良くて、気に入っていたのだが、今は観光客が押し寄せて(まさにそんな感じ)昼の手頃なランチコースも予約を入れておいた方がいい。

佐賀牛は一人4切れ(笑)地産の野菜類は新鮮なのがてんこ盛り。果物のジュレやロールケーキのデザートに珈琲付き。シニア世代には手頃なお肉の量だろうが若い人には・・・

なんたって参加会費@2,000円也だから。

ランチの後は【道の駅大和】に立ち寄り、それぞれお買い物。私も産地の新鮮な野菜や果物など色々籠に入れる。(さすが産地!蓮根シャキシャキして美味だった)

午後三時には我が地区に到着。絶好の秋日和、お世話役はYさん(男性)を中心に私達がやっていた頃と同じ世代のお母さんたち。Yさん、笑顔での柔らかな応対や細やかさ。最近の我が地区は活動が下火になってきているので、次期自治会長に!なんて思ってしまっているが、私達夫婦はもう地域お世話役からは卒業。今の役員さん達が考えて下さることだろう。

地域福祉の「ひまわりさん」方、企画からお世話まで、本当にお疲れ様でした。感謝!あるのみ。

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秋の映画・観劇

2018-11-04 15:41:25 | 映画・観劇・コンサートなど

今日も奇麗に晴れ上がった秋空、風もなく清々しい気持ちの良い日和だ。小さな庭をひと巡り。ご隠居サンの趣向で洋花はなく、つわぶき・山茶花・ノコンギク・風船カズラ、シュウメイキクなど山野の草花がつつましく秋を告げている。紅葉も赤く染まり、八朔もだいぶ大きくなった。季節は足早に進んで行く。特に昨今は、春や秋が短くなったような気がする。この爽やかな心地よい秋色に染まる時期も長くはないだろう。寒さがやって来る前のひととき、大事に過ごしたいなと思うけど・・・。

 

 

灼熱の夏を何とかしのいで、秋到来。9月・10月は次女の婿さん、アメリカから帰省、上京なども含めてアレコレ忙しかったような気がする。隙間を縫っての映画・観劇は?

映画 【空飛ぶタイヤ】【モリのいる場所】【散り椿】【ビブリア古書堂の事件手帳】どれもそれなり

     に満足・・かな。最近洋画見てないことに気が付いた。お勧めがあれが教えて下され。

   (TVで【スティング】を観た。もう何回目だろう?何度見ても面白い。最近はこういう洒落た

    映画をハリウッドは作らなくなったなあ。ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードどち

    らも素敵なスター!!昔の映画、いいのがあったなあと思うのは私だけかしら。

・コンサート【西本智実指揮、ロシア国立交響楽団・・・チャイコフスキーの悲愴。

                                                    ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番他

・舞台 【朗読劇 VOICARION】博多座。面白かった。もともと朗読とか放送劇といった声が主 体のものは大好きなので、この新しい感覚の朗読劇、ちょっとはまりそう。

 【十八世中村勘三郎追善公演】歌舞伎座(昼の部・夜の部)仁左衛門・玉三郎・勘九郎

    七之助・白鸚・扇雀・歌昇・錦之助・獅童・高麗蔵・亀蔵・弥十郎・隼人・巳之助・児太郎・

    千之助・歌女乃丞・芝のぶ・・・他、やはりお江戸の舞台は役者層が厚い!!特に夜の部は

     演目・役者共に、大いに満足の舞台だった。

 【魔界転生】日テレ開局65周年記念と銘打って。プロゼクション・マッピングを駆使しての舞台島原の乱で滅ぼされたキリシタン一揆の指導者天草四郎が死者再生の術にて蘇り、現世の怨念を晴らそうとする、荒唐無稽だけど面白い発想の物語 上川隆也・道端淳平・浅野ゆう子・ 高岡早紀・松平健・・・などTVでおなじみの俳優さん達出演。立ち回りなど熱演。が、昔見た 沢田研二(若き日の)が妖しくも美しい四郎を、柳生十兵衛を千葉真一を演じた、深作欣二監督の映画の方が面白かったような気がした。

秋到来の季節の頃は、久住の高原散策などをいつもなら楽しむのだが、今年はご隠居の股関節手術後とあって、まず近場の温泉で保養を兼ねと、車で1時間の「武雄温泉」へ。画像を少し。詳しくはご隠居のブログにUPされているので。 蟋蟀庵便り

 

明治34年創業の老舗旅館。(建物は当時のものではないが)現在五代目。お風呂はごく普通の大風呂の向こうに露天風呂。湯質は柔らかで気持ちがいい。やっぱり温泉はいいなあ。お料理は程よい量、凝ったという程でなく温泉宿風。気に入ったのはレトロな雰囲気の喫茶室、古いオルゴールや木製の蓄音機など相当の年代物、珍しいクラシカルなものがあること。昔の古いレコードも。私が生まれる前の童謡などのレコードもあったり。好きな者を掛けてくれる。針のノイズの入る懐かしい音、オルゴールの優しい調べ耳傾けながら飲む珈琲は特別美味しく感じられた。

一泊一人九千円也。宿は古いけど、年金生活者には手頃なお値段である。ただ、ご隠居さんは畳に布団というのが、寝起きがきつく「やっぱりベッドのある部屋で、出来れば露天風呂付部屋の温泉がいいなあ」確かに!ただしお値段はかなりのものになるから、二度行くところを一度にしないと厳しいかも。

 

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秋晴れの農園、コスモス揺れて。

2018-11-01 19:14:41 | 日々の中で

 10月後半は爽やかな秋日和が続いている。あちこちで自然災害が多かった後だけに、ほっとして季節を楽しむ気持ちになっている。

【歌舞伎の会】の会員でもあるYさんから「栗おこわを炊きました。お昼をご一緒してお芋ほりしませんか?」とお誘いを受けた。美味しいお食事をいただいて午後から畑へ。家庭菜園と言っても300坪。野菜など畝の向こうには、広いコスモス畑もある。ご主人が植えられたコスモスは花びらが一段と大きく、背丈も高い。コスモス大好きな私は、時折吹き渡る風に優しく揺れる秋桜に暫し見とれてしまう。

念願のお芋ほり。出てくるお芋に子供みたいに歓声を上げてしまった。流れる汗も心地よい(私は芋づるを揃えただけだった・・・笑・・・)

サツマイモの種類は【紅さつま】紅の名の儘に、洗うと真っ赤な色が美しく、ホコホコした食感と甘さが美味しかった。芋づるもきんぴらなどにして。生シイタケや茄子、柚などもいただいた。収穫が終わって大きく枝を広げている晩白柚が陰を作っているところに、椅子やテーブルを出して下さって、ご隠居が淹れて持参した珈琲でお茶タイム。談笑しながら自然の中に身を置くって、なんと幸せなことだろう・・・友人の病気や夫を亡くした友のことなど、切ないことの多いこの頃だが、自然の優しい空気がひとときそんな心を休ませてくれる。

  

「新鮮な牛蒡ってこんなに肌が白いのね」といつもスーパーなどで買う牛蒡しか知らなかった私には驚きだった。採りたてのお野菜の新鮮な美しさ・美味しさは格別だ。

コスモスを沢山切って下さったので、我が家の古びた玄関も部屋も、コスモスで秋色に染まった。

コメント (5)
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