先日14日友人のNさんが「菩提樹の花が見頃になったよ」と教えてくれた。早速翌日曇り空ではあったが、昼下がり『戒壇院』へ出かけた。
戒壇院は観世音寺を右手に見て、境内から小道を横切ると小さな門がある。江戸時代に独立するまでは、観世音寺に付随したと聞いた。
761年(天平5年)聖武天皇の勅願によって観世音寺の境内に建立された。僧尼となるにはこの戒壇院で、守るべき戒律を授からねばならなかった(奈良の東大寺、栃木の薬師寺の戒壇と合わせて、天下三戒壇と称される)
ここにお釈迦様がこの樹の下で悟りを開かれたという【菩提樹】がある。勿論そのものではなく、分け樹でここの菩提樹は名僧鑑真和上が中国から持ち帰ったとされる。もともとは、インドのものだという。歴史の総てが定かなものではないが、この樹木の雰囲気を想うとうなずけるような気がしてくる。
毎年6月半ば頃、黄色い小さなややうつむいた花をつける。花は華やかなものではない。慎ましやかな佇まいの花だが、その香りは優しく馥郁としてあたりを、仏法の世界に誘うような気持ちになるから~~不思議なものである。15日は沢山の人たちが訪れており、ちょっとびっくり。前日にTVで放映されたり、新聞にも菩提樹の花見ごろの記事が出たとのことで、いやあ、マスコミの力は偉大でアリマス(苦笑)
今年は花はこぶりだが、びっしりと房のように開花していた。花の香に包まれながら【お抹茶とお菓子】を頂く。 今を盛りの花に堪能したあとは、観世音寺の花菖蒲や紫陽花を愛 で、【太宰府政庁跡】で(観世音寺のすぐお隣のようなものです)、山城だった四王寺を背景に広がる都府楼史 跡で、はるかなる時の流れを想いを馳せながら、ひとときを過ごした。小さな堀には睡蓮が。蓮の花はおおぶりだが、ここのはモネの絵のような睡蓮。陽ざしが弱いので開花はいまひとつだ ったが、水の上に漂うように小柄な白とピンクの花が咲いていた。この辺りまでは、我が家から歩いて30分くらいか。自然と史跡に恵まれた格好な散策が太宰府には多い。というより自然散策の中に、小さな都市が存在していると言った方がいいかもしれない。水道料金は高いけど、この自然と史跡に免じて・・・いやいや、生活環境はちゃんとしなければ(と、主婦感覚に戻ったととろさんです) 都府楼史跡。四王寺山(山城のあったところ)の眼下に、その昔の日本の西の守りの役所がありました。太宰府は歴史の宝庫です。