ととろサンのひとりごと

【観たり聴いたり旅したり】からこちらへ。旅やアメリカでの話、趣味のことなどなど・・・自分の覚書を兼ねて。

今夏は蝉の誕生が遅いのかな

2011-07-24 07:03:22 | 日々の中で

  ネジバナ

昨年の我が家の狭い庭には、ポコポコといたるところに蝉の這い出た穴があった。アチコチに沢山の抜け殻が。福岡の中心街でもクマゼミの鳴き声かしましく、店での会話が聞こえにくい程だったという。

今年は・・・早朝目覚めても、降るような蝉の鳴き声はない。ここ数日やっと少しずつ蝉が生まれでている。ご隠居さんは早速カメラ片手に夕暮れの庭先を蝉の羽化を探して(羽化したばかりの蝉。撮影はご隠居サン)

七年もの長い間地中で過ごし、あの硬い地面に穴を開けてこの世に姿を現す。樹木の葉の陰などでゆっくりゆっくりと羽化が始まる。生まれたての蝉の羽は薄く薄く、淡いエメラルド・グリーンに輝き、なんとも言えず美しい。今も心は昆虫少年のご隠居サンならずともその生命誕生の瞬間には、心が震える程の感動を覚える。

七年かけて生まれて、この夏を限りと精一杯羽を震わせて啼いて次世代を残すための儀式を終えて、蝉は短い短い命を終える。なんという凝縮した生命の燃焼だろう。時にして自然界のなせる業の残酷なほどの定めに、心おののく想いである。

 過日 N響コンサートへ。大編成のオーケストラは久しぶりだった。最近は室内楽やピアノソロコンサートなどが多かったので、それぞれの音の大いなる美しいハーモニーに酔った。スザンナさんの指揮もすてき!黒のパンツスーツの外人にしては細身ですっきりとした文字通り私の好きな「ハンサム・ウーマン」といった感じの女性。最近は指揮にも女性の進出があり、日本人では西本智実さんなど。嬉しいことだ。

樫本大進さんのヴァイオリンも、とても繊細で素晴らしかった。ご隠居は若い頃からクラシックが大好きで必然詳しいし、もともと耳がいいようだ。私は付き合い始めてその影響で好きになり・・・といっても、知識も耳もさっぱり駄目だが、ただ聞くのが好き!歌舞伎や文楽は私がご隠居サンを感化したもので(すんなり入ってきてくれたのが、結婚決意の一つ??かも)付き合い始めてお互いの趣味を共有しあったもので、山歩きはこれもご隠居サンに教わったといえる。

舅は今生存なら百歳を越したところだが、なかなかの趣味の持ち主で、会社人時代はゴルフはシングル、麻雀負けなし?囲碁も。大学時代はテニスの選手、戦前当時の朝鮮に仕事で赴任している間は猟も楽しんだという。ただしダンスは全く駄目だったとは、姑の話。

今回のコンサートの【スペイン交響曲】はその舅の好きな曲だったそうだ。

N響コンサート、詳しいことはまたもや  蟋蟀庵便り でご一読下さい。

夫婦・・・縁あって伴侶として長い人生を共に歩いてきたが、もともと生まれも育った環境も違う異性同士の結びつき、趣味は共有できても、性格やその他諸々??ということもあったし、これまでの人生には「なんだ坂、こんな坂」ともう登るのも歩くのもやめようか・・・と思ったことがなかったわけではない。それはどの夫婦も多かれ少なかれ体験することだろう。そうこうしているうちに、振り返ると長い私達の歩いてきた道が凸凹しながらも自然と出来ていた。

高村光太郎の詩に確か【僕の前に道はない、僕の後ろに道は出来る】という一節があったような。【道程】だったか?恥じることも後悔することもあった人生、だけどいつもひたむきに歩いてきたことには後悔はない。

終わりよければ全て良し】穏やかな日々に感謝しながら、今夏もなんとか酷暑・猛暑乗り切って涼風立つ季節の到来を待つとしよう。夏が来れば秋が来る、自然の理。四季のある日本ってやっぱりいいな。寒い冬があるから暖かな春が嬉しい、暑い夏があるから、爽やかな秋が嬉しい。四季折々の中で、今年も自然体で過ごすこと!改めてそう思った今朝であった。

ネジバナが咲いた。一つ一つの花の可愛さ、楚々とした立ち姿の可憐さ。風に揺れながら灼熱の木陰でひと時の涼やかさを感じさせてくれる。

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夏に倦んで気分転換 塚原温泉へ。

2011-07-24 06:11:19 | 旅&温泉紀行

 昨年暮れの手術以来まだ今一つ本調子ではない体調、生来の慌て者気性からの足の甲のヒビと言った冴えないことに加えて、東北大地震・福島原発などの先の見えない、いらだたしい虚しい与野党の攻防。今夏はどうも総てに歯切れが悪く”なんとなく心倦む夏” を過ごしている。

 「こりゃあ、いかんなぁ」と心につぶやき、ご隠居がネットで見つけた部屋付き露天風呂のある温泉へ。足を庇った結果起こった筋肉痛を和らげるという目的もあって、塚原温泉 四季庵 という宿へ出かけた。別府アフリカンサファリへの道標も立っている辺りの、丁度由布岳の裏側に広がる高原の一隅にあった。二百年前の合掌造りの古民家五階建てを移築した・・・というのがこの宿の”売り”だろう。

 

湯質はう~ん、イマイチかな。古民家の佇まいと離れ家形式(もう少しレトロだといいしだけど、そっけない小さな一戸建ての感じ)、自然溢れる広い庭、仕切り越しとはいえご露天風呂から間近に【由布岳】を見上げる景観は雄大で気持がいい。平日だったが、子供連れの家族が多く、殆ど満室のようだったが、それぞれが離れ家なので、充分に静けさに浸った。部屋の露天も気持ちよく、筋肉痛をほぐすためなんと5回も入浴してしまった私。ふやけた?かな。不思議に何時も貸し切り状態だったのが嬉しかった。足の動きを庇いながら、ゆっくりゆったり、ぼ~と何も考えない時間を過ごすことが出来たのは最高の贅沢かもしれない。

いまだ昆虫少年、いや、今は昆虫老年かな・・・のご隠居サンはとても珍しい【ルリボシカミキリを見つけて興奮気味だった。大自然のありがたさ。

  

 丁度十五夜だったのか、山の端に登るまん丸な月は大きく美しかった。非科学的でも”兎サンがお餅つきをしている”と眺めた子供の頃を思い出すような見事な月だった。

      詳しくは 表現力豊かなご隠居サンのブログ 蟋蟀庵便り  をご覧下さい。

 五階建ての高さがあるという大きな白川郷の合掌つくりの古民家、こういう建物は九州にはないので、旅先の飛騨高山などで見ただけ。

改めてゆっくりその佇まいを見た。大きな自然木の天井の梁はじめ、そのしっかりした建物に圧倒される。移築する様子が民具などの展示とともにビデオで流れていた。組み立て、茅葺の様子など、10ヶ月を経て完成した由。ここの一階が食事処となっていた。

 庭には  鶏やヤギが遊んでいた。「夏休みは子供さんたちも多いので、喜ばれます」そういえば、人慣れしていて自由に歩き回っている。   

 両側を緑の何処までも続く草原に囲まれながらの、阿蘇のドライブウエイはいつもながら本当に美しい。世界一のカルデラの光景は他には類を見ない独自の美観である。帰路はまた道の駅などに立ち寄ってご当地産物や野菜を買ってのいつもながらの”小さな温泉旅”であった。

(ブログ引っ越ししたら画像がかなり消えました?? バックアップしていなかったので・・・ドジな私です。画像はネットからお借りしました。虫の写真はご隠居さんから拝借・・・笑・・・)

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美智子妃殿下とハナシノブ

2011-07-13 05:40:15 | 日々の中で

                    
(画像は先年阿蘇にてご隠居撮影

どうやら足が治ったので、気になっていた【ハナシノブ(花忍ぶ)】を見にいった。新聞で福岡農業高校の生徒達がこの絶滅種に近い山野草を種から育てて群生させたとの記事を目にしたので。ひにちが経っていたから、もう駄目かなと思ったが、学校の前バス停のあたりに、優しげに群れて風に揺れていた。

 梅雨明けの陽ざしが眩しく、風がかなり強く吹いて花は風のままに揺れており、残念ながらカメラ におさめるのは諦めた。

  この薄紫の小さな花、初めて目にしたのは阿蘇での山野草散策の時だった。素朴で可憐な花の風情に見とれてしまったものだ。ハナシノブは九州阿蘇あたりに限られて咲く花で、今は絶滅種に近い状態となり、その生育は保護されている。(群生の画像はネットから拝借)後に知ったのだが、このハナシノブには美智子妃殿下にまつわる話があった。

以下ネットより拝借。 参考

 佐藤 武之氏のブログ美智子皇后様とハナシノブノの御縁をとりもったのは、阿蘇郡高森町在住の佐藤武之氏。
 昭和48年8月、阿蘇で開催された第15回自然公園大会に御来熊された妃殿下は、ハナシノブノ花名をお耳に留められ、その美しい名を持つ花に大変興味をお持ちになられた。昭和61年全国緑化フェアで再度御来熊になられた折、皇居で育てみたいとのお気持ちを聞いた佐藤さんは種子を送り、その後も平成6年に再度献上された。  
 献上された種子は美智子皇后様の手に育てられ、平成16年4月にその苗が24株、大小5つの鉢に分けて佐藤さんに届けられた。 【ハナシノブ】という優しい響きの名前とひっそりと咲く薄紫の山野草との縁は、美智子妃殿下に相応しいエピソードだと思ったものだ。

花言葉 儚い愛 はかない恋。絶滅種に指定され保護されている。           

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梅雨明けとともに蟄居解禁

2011-07-13 05:39:21 | 日々の中で

梅雨明けとともに眩しい陽光の夏がやってきた。今年は特に猛暑、早くもアチコチで気象台始まって以来の高温と報道されている。原発事故関連での節電呼びかけもあって、エアコン我慢の熱中症も続発。遅々として進まぬ災害復興のなかで酷暑に耐える人達のことを思うと切なく辛い。

ドジな私の足の甲のヒビも梅雨明けとともに、医者から「ギブス外していいですよ」とお許しが出た。約一ヶ月、一週間ごとのレントゲンの画像で説明を受けていたのだが、黒い筋と見えていた傷跡がだいぶ白くなっているのが、私にも確認できる。

 【加骨】というのだそうだ。この言葉、初めて知った。ヒビの部分をカルシュームなどで自然に埋めて修復していくことだそうな。若い世代ならもっと早く自然治癒するのだろうが、そこはそれ、トシですから・・・更に医者が付け加える『ギブス外すのは家の中だけ。外出の時はもう暫く使って下さい』

昨日朝起きようとすると『ア、痛い』寝る前まではなんともなかった臀部の奥に痛みが走った。一日様子を見ても治りそうにもないので医者へ。”これって、坐骨神経痛?”そうではなかった。坐骨神経痛の場合はもっと腰部も痛くなるとのこと。私は腰の痛みはまだ経験したことがない。

 ご隠居は【ギックリ腰】が持病で、気功をやっているのも予防のためだが、それでもチョクチョク不意打ちをくらって、痛々しいほどだ。松葉杖はどうにも使いにくくて、この一ヶ月、右足は親指に力をいれ、足裏を浮かし爪先だけでチンタカ・チンタカと歩いていた。その不自然な歩き方で、筋肉がよじれた?みたいになったらしい。普通に歩くようになれば、自然に治るようだ。おかしなもので、長く不自然な歩き方をしていたので、いざ普通に歩こうとしても足裏が浮いてしまう。”慣れ”とは怖いものだなと思う。   今しばらく用心しながら過ごすことにしよう。

 今朝もピーカン!真夏日33度くらいにはなるだろう。今年初めての夕顔が暮れなずむ庭でひっそりと真っ白な花を咲かせた。ガラス窓に這わせて・・・風鈴の音色や玄関のチャイムの涼しげな音とともに我が家の毎夏の風物詩。

しっかり水分摂って熱中症予防に努めよう。冷蔵庫にはスポーツ飲料常備。普通の水よりは点滴に近い効果があるそうだから。

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月下美人、祖父から息子、そして孫へ

2011-07-02 09:08:00 | 日々の中で

今夜月下美人が開花しました。銀白の大輪の花が開きました。

 アメリカに住む次女”めい”からも「今年で二年目。咲いたよ」と画像が送られてきました。

何年前でしょうか、荷物の中にこっそり二枚の月下美人の葉を忍ばせて運びました。その葉がもう随分背丈が伸びて、昨年から花開くようになりました。カリフォルニアは気温の高いところですから、一年中外に置いていても大丈夫のようです。ご隠居の転勤で私達4人の家族が沖縄に住んだのはもう35年も前のこと。社宅の庭で咲いた月下美人。隣家の奥さんから名前を教えてもらいました。

月の光を浴びて銀色に輝く、まさに月下に佇む美しい人の風情、しかも一夜限りの花という儚い夢の定めに惹かれ、庭弄りが趣味の舅に二枚持ち帰ったのは、35年も前のことでした。その二枚から幾つもの鉢物として成長、その頃はまだ月下美人という花は珍しい種類とされ、TVでも「XXさん宅で咲きました」と報道されておりました。「テレビ局に連絡したら撮影に来るわよ」と友人達に言われた程、日本では貴重種のような花でした。

 今では珍しい花とはいえませんが、その頃はご近所の方達と【月下美人を愛でる夜】を楽しんだものでした。

 その同じ花がカリフォルニアの娘の所でも咲く・・・ただそれだけのことですが、祖父から息子(ご隠居)へと受け継がれ、挿し葉され株分けされて海外に住む孫へと受け継がれていることを嬉しく思いながら、静かな夜の世界で咲きにおう花を眺めました。CAからメール添付で届いた花の向こうに娘夫婦の笑顔が見えるような気がします。

 35年の間一つの鉢から、その命が受け継がれているというそのことに、自ら求めて留学、その後も遠い地で暮らす娘との繋がりを感じます。横浜に住む長女”さつき”は超の字がつく程多忙な日々。月下美人は夏の帰省の時に”眺めること”を楽しんでおります。

朝にはしぼんだこの花は、薬膳料理にも使われます。早速小鉢(酢の物)にして食卓へ。とろりとした粘りが薬膳の効果があるのでしょう。時々料理屋さんでもお目にかかるようになりました。月下美人・・・・メキシコ原種のサボテン科。花言葉 「はかない美、儚い恋」  カリフォルニアの次女のところで咲いた月下美人         

 

 

 

 

 

 



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