【いい宿の会】という小冊子が送られてくる。温泉宿モニターに応募したところ、なんとまあ、籤運のない筈の私が当たってしまったのだ。
何だか嬉しくなって、毎月購入している【演劇界】に挿入されていた産地直送品お試しというのにも、はがきを出してみた。当たりました。といっても四国の【毎日飲むゆず酢】(まじりっけなしのゆず、なかなか爽やかな味である)たったそれだけのことなんだけど、【当たる】のは気持ちのいいものだ。得しちゃったなあ気分。ネットの方たちの中には、そういうお得な企画を使って、上手に旅したり食事したりしている人たちも多いようだ。
宝くじ買ってみようかしら・・(爆)
9月の終わり、一泊二食¥14000が半額¥7000で。目的地は熊本の山鹿温泉。
いつものようにご隠居の運転、私は【助手席の女】で。夏バテ回復でゆったり温泉・・・が目的なので3時のチェックインに会わせて出 発。我が家を出て一時間半で到着。
山鹿温泉には江戸時代そのままのたたずまいを残す芝居小屋【八千代座】がある。玉三郎さんの公演など何度も足を運んだのだが、この温泉に泊まるのは初めてである。【寿三(すみ)】という宿は八千代座の近く、山鹿の町中にあった。江戸時代の街道筋にあたるので、その当時の面影を保存したお店や建物があり、小さい街だが散策するには楽しい。また、8月の【山鹿灯篭踊り】は優美な踊りで有名だ。
粋な趣のある和風の宿だった。部屋は10畳の和室に6畳の寝室(すでに床がのべられていたので、湯上りにひっくりかえってのんびり・・・ただ残念なのは全体に灯りが暗く、本を読む習慣のある私達には薄暗かったなあ)にゆったりとした広縁。古いが和の作りで、ゆったりとしている。
体客などの着く前、3時半ごろから夕方にかけてのお風呂は【独り占め】出来ることが多い。今回もガラス窓越しにまださんさんと明るい陽射しがかけ流しのお湯をきらめかせる中、のんびり、ゆったり、心身共に休まる時間を過ごした。町中なので露天はない。
夜も遅めの時間はこれまた貸切り。湯は単純アルカリ性、柔らかな肌さわりの湯質で飲料として胃にも効力があるようだ。5階が大浴場だったが、見晴しは家並みやビルで、味気ないのは仕方がないだろう。山の中の宿ではないのだから。フロントや係りの人達の応対はとてもよかった。
お料理はたっぷりの品数、温泉宿風和風な料理に、熊本名産の馬肉を使ったシチューや馬刺しのカルパッチョなども。
いつも思うし、ブログにも書くのだが 温泉宿に【シニア向けコース】が欲しい!
量や品数は少なめに、ちょっと洒落た料理があるといいなあと思う。並べられた品数では、とてもこんなには私たちは食べられないし、多すぎるねえ・・・と贅沢だがため息つくことが多い。余り凝らなくても、品数・量少なめで料金も割安になったシニア向けのコースを作ってくれたら、連泊してもいいし、リピーターになってもいいなと思うのだが。
八千代座公演を見るために山鹿に来る人たちには、格好の宿だろうが、自然の中の露天など、温泉が大好きな人達には、ちょっとどうかな~~。
翌日チェックアウトのあと昔の豊前街道の雰囲気を残すあたりを散策、楽しいお店をのぞいたり「珈琲飲みたいね」と入ったお店の珈琲、ほんとに美味しかった。自家焙煎【タオ珈琲】ローカルなのにこんな美味しいお店が!とちょっとびっくり。自家製のアップルパイも美味。写真撮るの忘れてゆったりとした時間と味を楽しんだ。
制服姿の中学生たちが、あちこちに座り込んで【わが町】を写生中。私たちが通りかかると「今日は!」と明るい声をかけてくれた。三々五々思い思いに写生しているのだが、どの子も向こうから【今日は!】と挨拶する。学校でのしつけがいいのだろう。とても気持ちがよくて、ちょっとお喋りなど。みな感じがいい!何だか嬉しくなった。
帰り足で阿蘇小国町の【鍋ヶ滝】に立ち寄ることにする。まだ夏の名残のような暑さだが、吹き抜ける風も雲の形もまぎれもなく秋!