9月28日
(秋空の下の観世音寺)
空はあくまで青く広がり、陽光は鮮やかだけど、あの灼熱のぎらつきはなく、まさに初秋の明るさと爽やかな風・・・。家籠りには勿体ない好天気だ!
猛暑から急に10度以上気温downで、ご隠居さんは季節変わり目の体調なんとなく不調が数日続いていたので、気分転換にと「歩こうよ」と誘いだした。「う~ん、そうだな」もともと山歩き・自然大好きなので、重い腰を上げて。
11時頃から、近場遠足と洒落る。セブンイレブンによっておにぎりやお惣菜に、デザート用のスイーツを買って。コースは?思いつくままに。
太宰府は山に囲まれた盆地状の町であり、古くは万葉の時代から西の守りの都としての多くの歴史の跡があることで、有名な観光地でもある。散策の場所には事欠かない。四季折々に楽しめる。
まずは観世音寺方面に。
赤・白の彼岸花が緑の田畑の間を、美しく彩る。蝶々が飛び交う。彼岸花に止まったところを写そうと思うけど、すぐヒラヒラと。(画像はスマホでご隠居が)羽を傷めた蝶が多いのは、懸命に生きて今は最期の時なのか。最後まで頑張る姿にちょっとわが身を重ねたりして。
観世音寺隣と戒壇院の間の小径は、私の好きな小径。趣のある道。ここを抜けて、Yさんの家庭農園の前を通って。コスモスが揺れていた。
秋の森へと。
武藤資頼・資能の墓所。資能は鎌倉時代、太宰府に生まれ、父能資頼の跡を継ぎ、九州の武人の統領として活躍。外交・貿易・行政を司る太宰少弐と豊前守の官職などを、53年もの長きにわたり務めたという(墓所の顕彰碑による)
樹林の間から見上げる空の美しさ。白い雲はふんわりと柔らかい。夏は銀色に輝いていなあ。季節が秋へ移ったことを感じる。秋の森はまだ紅葉には早いけど、土の匂いとひんやりとした風は初秋。人影ももなく、マスクもいらず、セブンで調達したランチ(笑)も、自然の中で食べると、なんて美味しいんだろう!
萩の花も揺れていた。万葉集に詠まれた花では萩が一番多いと聞いたが。
帰りは、万葉歌人、山上憶良の歌碑のある小路を通って。初秋の心地よい日和の午後でした。
子等を思ふ歌。教科書にも載っていたなあ。瓜喰めば子ども思ほゆ・・・。
反歌は、銀も金も玉も何せむに、勝れる宝子に及かめやも・・・。だったか。
太宰府が古事記に【筑紫大宰府】と記されたのは万葉の頃から。日の本の西の守りとして(水城堤防跡や四王寺山城など)都(京都)を彷彿とさせる都府楼政庁。多くの歌碑、史跡。自然を楽しみながら、往時に想いを馳せると、太宰府は奥の深いところだなと改めて思う。まだまだ知らないことが沢山ある。博多生まれの私は福博のことはかなり知っているつもりだが、結婚して移り住んだ太宰府に関してはまだまだ・・・知らないことが多い。
ほんの数時間のミニ・ミニ遠足だったが、初秋を満喫した気分。コロナ禍の中でも、それなりに楽しみを見つけて秋の季節に染まりたいものだ。