先日 手術後退院後一ヶ月検診のため久留米へ。結果良好。体調が日 にちが経つにつれてよくなっているのは自覚していたが、やはり安心する。まだ、少し残っていた病人気分ともお別れしなきゃあ。
帰路の車の中で、ご隠居さんと「もう少し食べられるようになったら、温泉にでも行こうか」などと話す。
経過良好とはいっても、大腸を15センチ切除したので、やはりおなかの調子はそう簡単には戻らない。まだ薬の助けを借り、消化しやすいものをと食事に気を配る日々である。食事の量も退院直後に比べると、随分入るようにはなったが、まだまだ少量。温泉のあのずらりと並ぶ品数にチャレンジできるとは思えない。
温泉宿も私のような客のリクエストに応じて、「料理少なめ」その分低料金・・・にしてくれたら、病後養生を兼ねて一泊のところを二泊出来たりするのだが。そんなきめ細かい配慮の宿はないものだろうか。食べ残したり、食べ散らしたりするのは、私の性分に合わないのだが。
今年初めての【井戸端サロン】出席
毎月1回開催の地域公民館行事【井戸端サロン】は文字通り、来たい人、来れる人が集まって【お茶とお喋りの時間】を気兼ねなく過ごすようにと、ご隠居が区長の時代に「地域で何をやろうか?」と相談しながらはじめた町内交流の場の一つ。現区長もそれを継いで、女性区長ならではの、きめ細かなサロンに発展させてくれている。
退院後初めて顔を出した。ごく親しい友人だけに告げて(お見舞い辞退の気持ちがあって)の入院だったが、自然と伝わったようだ。「元気になられてよかった、心配してました」など口々に。有難いことだ。Hさんから「病気の経過などを聞きたい。そういう情報を知りたい」と求められた。皆さんも【他人事ではないよね」と。大腸腫瘍発見から手術、退院後の経過などについてお話した。
・大腸検査(6年のブランクの間に腫瘍が出来ていた。
・セカンド・オピニオン(二つの病院での検査結果)どちらも同じ所見だったので、手術に 踏み 切ったこと。
・手術及び術後の経由、入院中のこと、病室のことなど。経費のことも含めて。
・退院後の体調管理のこと、自宅訪問看護のことなど。
・細かなことでは、肝臓癌から大腸への転移はないが、もし大腸癌になったらリンパに散らばると全身への転移もあり得ること。私の場合の腫瘍は詳細な検査で表面が一部癌化していたことが解った。深部には癌の芽もなかったので、「悪い箇所は切除したので、もう安心ですよ」と医者。私の両親など血縁の者には癌は一人もないのだが、今の世の中、遺伝子だけではなく、誰がいつ癌に罹ってもおかしくない状況なのだから。など、かなり詳細に話す。
私の体験が【病気に関する患者側からの情報提供】として、何らかの役に立てばいいと常々考えているので、長年C型肝炎と向き合ってきたことも、その結果一昨年肝臓に癌腫瘍が出来て「ラジオ波焼灼法(腫瘍が3センチ以内だと可能な方法)」で患部を焼いて(開腹手術などなしに)二ヶ月に一度の定期健診を受けていることなども、全てオープンにしている。肝臓癌の時は、友人のご主人がC型なのだが、CTなどを受けるのがいやだと仰っていたのが、私の話を奥さんから聞いて、すぐに受診【大丈夫!】の診断だった由。そう聞いた私も嬉しかった。一人でも手遅れ状態の人が少なくなることを、心から願う。昨日も【友人がC型肝炎でインターフェロンを奨められているんだけど・・・」と相談の電話があった。
勿論医者の診断・治療が一番大事だが、その体験者としての患者側からの、例えばC型肝炎治療法の【インターフェロン】を受けた場合の副作用のことなど、対応の仕方などは、体験した者でなければ、伝えられないことが多々ある。
C型肝炎の場合は、自分の身体のせいで罹ったのでなく、幼い頃の予防注射や輸血などの結果C型ウイルスが身体に入ってきて発病ということが殆どなので、「なんで?私が?」と落ち込む人も多い(私もそうだった。事故にあったようなものだったから)が、罹ってしまった現実からは逃げられない。でも、上手く付き合っていけば、私の場合仕事や地域のことも出来たし、認知症になった姑の自宅介護も出来た。
病気への正しい認識と自己管理が一番大事だと思う。患者本人でなければ、解らないことが沢山あるのだから。治療する側の医者は病状を体験しているわけではないので、副作用の場合など時として「そんな筈はないのだが」と否定されることもある。知識と体験の違い。患者も個人個人で病状や体調の現れ方に違いがあるのだから。
いずれにせよ、【早期発見とそれに対する的確な処置】が必要だと思う。現代医学は日々進歩しているし、それに人間の持つ【自然治癒能力】に加えて【リハビリ】のように、積極的に【自己参加】して治療にあたることも大事な要素だと思う。
更に一番大事なのは、その人の心のあり様なのかもしれない。同じ一日を暮らすのなら、くよくよして過ごすより、あるがままを受け入れながらも、少しでも明るい気分で過ごすように心がけることが、病気治癒なり、病状緩和の秘訣なのかもしれない。
人間、多少能天気な方が、生きることを楽しめるのかな?