1
仏典はお爺さんの避難所。雨を避けてここに来る。風を避けてここへ来る。嵐を避けてここに来る。
2
ここは静かだ。仏陀のやさしさに満ちている。安らげる。落ち着ける。仏陀の高尚な教えが理解できなくとも、足を延べて身を浸しているだけで、寒さがやわらいでくる。
3
どの経典でもいい。開くと、「あなたを導いてあなたを助ける」と書いてある。で、にこりにこりする。そろりと手を差し出す。仏陀に手を引いてもらう。ついには失禁に及んでしまう。
4
お爺さんは理屈の理解はしない。できないから、しない。それだけの専門家でもない。僧侶ではない。お寺にも行かない。勉強もしない。
5
情的理解だ。ただとろりとなる。仏陀の湧かしてくれた安心のお風呂に入って、ゆっくりする。四肢を伸ばして、とろりとなる。
6
いい加減な男だ。こうであったらいい、という読み方しかしない。だから修行もしない。経典の野原に寝そべって、のんべんだらりとしている。
7
死んでも死なないと思っている。永遠の命の仏陀と等しい命を生きていると思っている。わたしが自力でそうしなくとも、全部が全部、仏陀の智慧と慈悲にお任せでいいと思っている。
8
往生浄土すると決めている。浄土成仏すると決めている。決まっているから、決めないでもいいのだけど。
9
すべてが良い方へ良い方へ、歓喜へ歓喜へひたすら上り詰めて、ひたすら向上をして行くと信じ込んでいる。
10
輝いて輝いて、わたしもとうとう一等星になると思っている。宇宙中を照らす星の活躍をすることになる、とそう決めている。
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