不潔男は朝起きて、気が変わらないうちにそそくさと風呂場に直行して、ザブザブザブとシャワーを浴びた。
石鹸まみれになる。石鹸はお乳の匂いがする。但し、人のそれではなくて、モウモウ牛さんのそれだが。いい匂いだ。それにしばらくまみれておく。幸福の中にまみれているような、錯覚に固まって。ふふ、いい気なものだ。こんなことで、この男は有頂天にもなれるのだ。この安上がりぶり。
最後は立ち上がって冷水を浴びる。冷たくて震える。これでシャンとなる。心も身も、ともに。
そして脱衣所へ出て、上下とも新しい下着に着替えて、清潔万歳をする。老人なのに、まるで幼児なみだ。まるでではなく、そのものズバリ幼児なのかもしれない。その老醜の外形の、内側は。何十年生き長らえても内側はそのまんま。成長をしていない。
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