1
雨が止まない。豪雨ではない。微雨が続いている。洗濯物干しの竿に雨の雫が列んで、丸くふくらんで落ちる。
2
諸仏世界 復不可計 無数刹土 光明悉照
しょぶつせかい ぶふかげ むしゅせつど こうみょうしっしょう
浄土真宗経典 讃仏偈より
3
諸々の仏の世界は数えることがないほどにたくさんたくさんあるのだが、その無数の仏国土は、仏の慈悲と智慧の光明が残らず隅々までも照らしているので、輝きに輝いている。
4
そこへまもなくわたしが行く。行くことに決まっている。決めたのはわたしではないが、そう決まっている。わたしは、そこで輝きに輝く。輝くことに決定している。輝きに輝いて、やがて仏と等しくなる。
5
そう決まっているのだから、私達は誰もジタバタしないで済む。恐れないで済む。安らいでいられる。わたしたちにはそういう明るい未来が待ち受けている。その設定をしてくださったのだ。
6
往生不退至菩提。おうじょうふたいしぼだい。往生して退かず菩提に至る。この世を去って仏国土に往ってそこで誕生して、涅槃寂静する。そこに落ち着いて安らぐことになる。
7
めでたしめでたし、だ。わたしがそれを、自力でするのではない。仏がそれをするのである。絶対他力である。安心安堵していていい。後生は決定(けつじょう)している。
8
わたしの未来=後生が決まっている。では、その日が来るまでは、この世の花を見て鳥を見て風を見て月を見て、そこでうっとりしていていいように思える。うっとりとしないで、苦虫を潰していても、それでもそれでいいように思える。
9
往生安楽国。おうじょうあんらくこく。わたしたちはやがて仏の国に往生して、そこでまざまざと仏を見、教えを聞き、こころ安らぎ、こころ楽しむ。これ以上の幸福があろうか。
10
ここを出発点にしてわたしたちは、しかし、また次の旅に出る。出ることになる。次の使命と次の活躍と次なる進化向上が待たれているからである。
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