1
当に知るべし、是の処は即ち是、道場なり。諸仏、此処に於いて阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)を得たり。諸仏、此処に於いて法輪を転じたり。諸仏、此処に於いて般涅槃(はつねはん)したまへり。
妙法蓮華経 「以要言此」より
2
是の処は即ち是、道場なり。
わたしが道場にいる。仏の道場にいる。此の道場の処に生まれて此処を生きて、生死を尽くして、わたしが寂滅し、般涅槃する処、此処はわたしの清明の道場である。
3
わたしたちがいる此処は道場である。諸仏の道場である。阿耨多羅三藐三菩提(=仏の悟道)を得るための道場である。諸仏が法輪を転じている道場である。諸仏が法華経を説いている道場である。諸仏がわたしとともにいて、般涅槃したまふ道場である。是の処に、わたしが生きているのである。諸仏と倶にいるのである。此の道場にわたしが人間をして暮らしているのである。
4
山が此の処にいて阿耨多羅三藐三菩提をしている。空が此の処にいて阿耨多羅三藐三菩提をしている。草が此の処にいて阿耨多羅三藐三菩提している。此処にわたしがいる。この道場にわたしが生きて暮らしている。
5
この仏の道場に生きているわたしをよろこぼう。この上ないよろこびをよろこぼう。この道場にいて山と空と草の法を聞いているわたしを賛美称賛しよう。
6
わたしは仏の道場にいて人間の暮らしをしていられたのである。人間の生死を、仏の道場に於いて生死して終わるのである。
7
これは凄まじいことだったのである。
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