骨に皮が被っている、って感じだな。シワシワの皺の皮が、ゴツゴツの我が手の甲の、骸骨を覆っている。皮の下には肉がまだ幾らかはあるけれど。これがお爺さんの手だ。
死ねば燃やされて灰になる。白い粉になる。骨も皮も。肉も。
これでまたゼロに戻る。もともとはゼロだった。ゼロにいろいろなものが添加されて、やがて我が肉体が豊満になった。そしてその豊満が薄れて希薄体に傾斜して行く。行くばかり。
お借りしていた物ばかりだったのだ。我が所有ではなかったのだ、肉体も。骨も、皮も。お返しするときが刻々と近付いて来ている。お返しするのを拒んではなるまいから。
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