おだやかでいたい。あれもこれも調えてもらっているのだから、もうこれ以上の請求事項は取り下げにしていいのではないか。少なくとも不満不平は取り下げにしていいはずである。
おだやかでいたい。欲しいと思ったものは与えられている。欲しいと思わなかったものすらも与えられている。それだけふんだんに与えられているのだから、暗い顔や尖った目つきは止めにして、しばらくおだやかでいたい。
秋の日がさぶろうに訪れている。これはさぶろうが欲しいと思ったからではない。少なくともそれを請求はしなかったのだが、無条件で与えられている。百舌鳥が来ている。石蕗の花が咲いている。さぶろうはこの秋の調和のただ中にいることが許されている。
ここまで調えられているのだから、もうさぶろうの個人的な欲求はそのトーンを大幅に下げてもいいように思える。そうした方がずっとおだやかでいられるようだ。
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