おれは一体何をして暮らして来たのだろう。ふっとそんなことを思った。なあんにもしてこなかったじゃないか。だらしなく生きて来ただけだったんじゃないか。そう思って赤面した。自分に与えられている力を使い切れずにいることは、与えてくれた存在への冒涜なのかもしれない。死なずに生きている人間は、それだけの特権、特権を行使するチャンスを付与されている人間ではなかったのか。
仕事をリタイアして、家に引き籠もるようになってもう15年が経った。体を壊したこともあるが、それにしても、それにしてもだ。ぬるま湯につかって過ごしていただけだったような気がする。おれは社会にちっとも役立っていない。役立つようなことをしていない。後ろへ後ろへ引き下がって、洞穴の奥の間をよしとしてきた。月日は流れた。静寂だったが、それが有効な月日だったかどうか。大いに反省させられた。
もうお前にはパワーがないのか。使い切ってもいないのだから、ふんだんに残されているはずだ。むしろ澱んで停滞して、うじうじして湿りきって、腐りかけているはずだ。死んでしまうまでこうしているのか。自分に問いを発してみた。何かしなくちゃいけない。行動に出なくちゃならない。活発にならなくちゃならない。そのパワーの捌け口がまだ見つかっていない。見つかっていないが、なんとかしなくてはならない。さぶろうは、日曜日にそんなことを思っていた。雪の降りしきる中でふいにそんな思いに囚われていた。
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