@ それだけのことよと言いて別れきて立ち止まる駅のカンナはおんな 薬王華蔵
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カンナは大柄。カンナの花は、しかし、葉に隠れておしとやかに見える。つつましやかに見える。自己主張をするおんな気丈夫よりも、つつましやかな女性に惹かれる。
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男が捨て台詞を吐く。別れる理由? そんな高級なもんあるものか。「嫌になった、それだけのことよ。」 飛び乗った汽車が小さな駅に止まる。急行をやり過ごすために3分停車する。男が開いたデッキから顔を出す。真夏の花のカンナが咲いている。陽炎が立つ空。ひそやかに咲いている。カンナが別れてきたおんなに見えた男は? さて、どうするのだろう? 3番ホームの汽車に飛び乗って詫びを入れに行くのだろうか?
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行ったらおしまいだ。そこで小説は終了する。これでいい。
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カンナは大柄。カンナの花は、しかし、葉に隠れておしとやかに見える。つつましやかに見える。自己主張をするおんな気丈夫よりも、つつましやかな女性に惹かれる。
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男が捨て台詞を吐く。別れる理由? そんな高級なもんあるものか。「嫌になった、それだけのことよ。」 飛び乗った汽車が小さな駅に止まる。急行をやり過ごすために3分停車する。男が開いたデッキから顔を出す。真夏の花のカンナが咲いている。陽炎が立つ空。ひそやかに咲いている。カンナが別れてきたおんなに見えた男は? さて、どうするのだろう? 3番ホームの汽車に飛び乗って詫びを入れに行くのだろうか?
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行ったらおしまいだ。そこで小説は終了する。これでいい。