<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

差し上げるものがない

2007年01月18日 11時30分14秒 | Weblog
@ 夕空へわたしから差し上げるものがない    釈 応帰

      *

 give はこちらが他へ与えること。take はこちらが他からいただくこと。木の葉も掌も表と裏で構成されている。表裏で一体である。give の表と take の裏とは一体不離でなければならない。

      *

 受け取ること、いただくことがあまりにもあまりにもたくさんである。空気をもらう。光をもらう。空をもらう。山をもらう。時間を頂く。空間を頂く。愛情を受ける。保護を受ける。仏陀の教えを授かる。母を父を子を友を授かる。家族を与えられる。慰めと励ましを与えられる。

      *

 与えられてばかりだったということに気づくばかりだ。与えられてきた分のその1000000000000000000000000000000000000の1をもお返しをしたことがない。 take ばかりで、give がないのだ。

      *

 坂村真民さんの光という詩。正確には覚えていない。こんなふうな詩だった。

 ひかる
 ひかる
 すべてのものは
 ひかる
 この世にあるものは
 ひかる
 
 ひかる
 ひかる
 ひからないものは
 ひかりをうけて
 ひかる

 光ったと思ってもそれは届けられた光の反射である。わたしは発光源ではない。わたしは光の発電ができないことが知られてくる。

      *

 与えていない者は、与えられていることへの感謝しかないのだ。与えることができなかったことへの慚愧に震える。すまなかった、すまなかった、与えてきたと思っていたことがすべてわたしの傲慢だった、それが知らされてくる。    
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする