まはだかがまはだかを抱く夜の底 海と空とはまはだかなりぬ 薬王華蔵
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もうすぐ死ぬ身である。もういちど、まはだかでまはだかを抱いてみたい。眠れない。生きている人の生きているうちのいのちの輝き。白い乳房。いのちの噴き出すふたつの丘。人だけが持つ願いではない、これは。海と空とが真夜中に抱き合っている、しんしんと。ふたりともまはだかである。
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もうすぐ死ぬ身である。もういちど、まはだかでまはだかを抱いてみたい。眠れない。生きている人の生きているうちのいのちの輝き。白い乳房。いのちの噴き出すふたつの丘。人だけが持つ願いではない、これは。海と空とが真夜中に抱き合っている、しんしんと。ふたりともまはだかである。