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4月9日(火)の午後、「万葉の森 船岡山」を約1年ぶりに訪れた。
新年号「令和」で話題となっている万葉集であるが、額田王の歌で有名な東近江市の蒲生野「万葉の森・船岡山」の桜は、4月9日(火)時点満開である。
偶々、「万葉の森 船岡山」で出会った女性は横浜から、わざわざこ東近江市の「万葉の森 船岡山」を目的に訪れた人だった。この方は和歌を親しむ元商社マンの奥さんで以前から「万葉の森 船岡山」のことは知っていたが今回は初めての訪問だという。今年は万葉のブームでこの地を訪問する人が増えるだろうとも言っておられた。
この方は今日は日帰りで、往路は近江鉄道で近江八幡~市辺、帰路は市辺、八日市~米原経由で横浜に帰るという。こんな素敵なところがPRが不十分、観光客への対策も十分でないのが惜しいとも。40年以上郷里を離れたが今は地元に住む一人として東近江市や地元民が自分たちの資源の良さの自覚と対策が進むと良いのにと思った。
「万葉の森・船岡山」は万葉文化を記念するために整備された公園だ。
近江鉄道市辺駅のすぐ北方の船岡山の頂上にある。自然の巨岩に「元暦校本万葉集」の原本そのままの文字を彫りこんだ石板がはめこんでいる。
歌は、
「茜(あかね)さす紫野行き標野(しめの)行き野守(のもり)は見ずや君が袖ふる」(額田王(ぬかたのおおきみ))
「紫草(むらさき)のにほへる妹(いも)を憎くあらば人妻故(ゆえ)にわれ恋ひめやも」(大海人皇子(おおあまのみこ))
という有名な相聞歌(そうもんか)だ。
額田王は大海人皇子(後の天武天皇)と愛し合ったが、後、彼の実の兄である天智天皇の寵愛を受けた。
この歌は、蒲生野遊猟のときに交わされたもので、人目もはばからずに袖を振って見せる大海人を額田王が咎(とが)めたのに対し、大海人が大胆にも人妻である額田王への激しい恋情を歌い返した。
額田王は元大海人の妃であったのだが、この頃には天智天皇の後宮に入っており、この3者には極めて複雑な事情があった。それを背景に描かれた相聞歌が万葉ロマン読者の心を打ち、万葉愛好者を育てるきっかけとなったとも言われている。
船岡山の麓には、約100種類の万葉植物を植えた万葉植物園や当時の遊猟を偲ばせる巨大な万葉レリーフなどを整備した「万葉の森船岡山」がある。
広く静かな万葉の森は一見である。万葉ファンには是非訪れて欲しい場所である。
2018年の万葉の森の桜
https://blog.goo.ne.jp/ntt00012/e/5721ca6f2953099d3a8279b6fd34921d
所在地: 滋賀県東近江市糠塚町
駐車場台数: 約20台
交通アクセス: 近江鉄道「市辺駅」下車徒歩約5分、名神八日市ICより20分、国道8号線より15分
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