のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

アメリアの遺言

2009年12月09日 | 日記・エッセイ・コラム

 3年前の12月に鉄骨で指を挟んで以来ギターを弾いていませんでした。久し振りに弾いてみたら当然ながら指が上手く動きません。

 気の赴くままに30分ほど遊んでいましたが、自分が弾いている曲の名前がわからない。「お粥ができたよ」だったっけな?

 これが気になってならないので、ギターをしまって譜面などを探してみましたが、思い出したのは何とかの遺言と、昔シャボン玉ホリデーで使われていた曲だということ。

 ネットで探していくうちに「アメリアの遺言」だと思い出しました。

 スペインのカタルーニャにアメリアという王女がおり、継母に夫を寝取られた上、毒を盛られて死んでいく物語。いまわの際に継母が来て「なんぞ言い残すことおますのか?」と残酷にも問いかけ、枕元にはケシの花が。継母から送られたこの花の毒にやられてアメリアは衰弱していったわけですが、残酷なストーリー。

 悲劇を好むドイツ文学ならわかりますが、陽気なスペイン民謡や子守唄には意外にもこうした悲劇を題材にした歌が多いと聞いたことがあります。

 貧しい母親にとって子供は足かせだったのでしょうか?男を引き入れるために早く子供を寝かせようとする母親を歌った子守唄なんぞもあるということです。自堕落な今の時代の日本の母親みたいですが、日本側には悲壮感がない。新しい男を作るため子供を殺した畠山鈴香の子守唄なんぞ作ってもよさそうなものですが、案外スペインではこうした母親を歌うことで戒めにしていたのかもしれません。

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