のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

野宿のごとき君なりき

2015年12月12日 | 日記・エッセイ・コラム

 オリオンの三ツ星を軸に赤みがかったペテルギウスを探し、その右をたどって行くとおお犬座のシリウスが無駄に大きく見える。シリウスを左側にほぼ正三角形にたどるとこいぬ座のプロキオンが見つかり冬の大三角形が見つかります。

 プロキオンとペテルギウスのラインに沿ってふたご座があるはずなんですが、天空にはラインが引かれていない。困ったもんです。

 新月から間もないので月の明かりが薄いのでふたご座流星群を見るには良いチャンス。と言うことでロープウェイ使って谷川岳に登ってテント張ってシュラフにくるまりながら星を眺める予定だったんですが、だんだん空に霞がかかってきましたぜ。北京の大気汚染の影響?と言うより雲が出てきて天気が崩れかかっていると考える方が妥当な気がしないでもないけど、朝までロープウェイ動かないし。

 とりあえずテントたたんでロープウェイの山頂駅周辺に移動。雪がある場所はまだいいのですが、雪の解けた岩の上はベルグラと呼ばれる薄い氷が張っているので、アイゼンガッチャンガッチャンならしながら山頂駅の軒下でテントをかぶって一晩明かしました。朝、明るくなったらみぞれが降っていました。

 金曜の台風並みの風雨が嘘のような晴天の一日だったんですが。

 ふたご座のカストルあたりから放射状に流星が出ると言うので、願いの言葉は一つ「カネ・カネ・カネ!」。

 大金持ちになれたかもしれないのに雲に妨げられました。これもゼウスの妨害か?

 天の海に 雲の波立ち 月の舟 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ それにつけても カネの欲しさよ るんるん

 万葉集に出てくる柿本人麻呂の歌ですが、その情景を淡々と情景を読んだだけの「賦」の歌なのにいろいろと語ってくれます。夜空が海、雲が波、月が舟、星が林と言うのも面白い。今の時代なら「月の舟」ってUFO?

 人麻呂のように雅な心で星空を眺めたかったのですが、悪天で生命の危機を感じながら一晩過ごしてきました。

コメント (2)
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