のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

救急

2012年12月27日 | 日記・エッセイ・コラム

 昼ごろ、父親から体調が悪いと電話があり、病院にいこうと電話を入れて体を起こしたとたんに吐血しました。

 これはまずいと救急車を呼び、病院へ救急搬送しました。

 極端な貧血のため検査もできず、輸血用の血液が届くのを待ってから検査したら、胃の中に潰瘍ができておりこれが裂けたのだそうです。

 この一週間ほど食事をとっても吐いていましたが、潰瘍が胃の出口をふさいでいたようです。

 高齢でこのところ食事も細くなって体力が落ちていることもあり、親族がいるなら呼んだほうが良いと医者に言われ自分や父親の兄弟に電話をしまくりました。

 とりあえず輸血と点滴で意識を保っていますが、いつショック症状が起きて心停止になってもおかしくない状態。

 病院に行く話をする前に、葬式の打ち合わせなど父のほうから話があり、これは並大抵のことではないなと察しましたが、吐血のとき一時心停止状態になり、口と鼻の血をぬぐって気道を確保してから心臓マッサージ。息を吹き返したので、吐血が気道をふさがないように横にした状態で119番を電話しました。

 この時点で覚悟はできていましたが、案外落ち着いている自分にも驚きました。

 症状が落ち着いて父につながれている点滴を見たらドーパミンとノルアドレナリンが投与されていました。血圧を上げる薬でもありますが、本来なら自分の体内で生成されるホルモンでもあります。この状態で使用する場合は延命行為に使う薬品でもあります。かなりやばいなと予感がしました。

 これらの状態を把握して意思との面談では、今夜が山ではあるが、いつどうなるかわからないから覚悟することと、血圧が安定しても潰瘍の手術に耐えられる体力がないことなど説明を受け、最悪の場合の延命処置について相談を受けました。

 一応弟たちと相談すると前置きしながら、当人からも延命装置への接続は控えて欲しいとの意思を伝えました。

 夜、弟たちがやってきてこの判断に異を唱えましたが、当人からその旨の話をされ、納得できないまでも私に一任と言う形になりました。

 いったん親戚や弟たちを返して病棟の待合室のベンチで仮眠していると妙に騒がしい。父の部屋にナースたちが出入りしているように見えたのであわてて走っていくと、隣の部屋の老婆が息を引き取ったばかりでした。

 父もそれがわかったのか「隣で誰か死んだのか?」と聞いてきました。状況を説明すると、「俺もどうなるかわからないから、見苦しくないようにしてくれ。」と言ってました。

 薬効で良くなったにせよ、この年末は混沌としそうです。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする