のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

ヒデゴン

2012年07月01日 | 日記・エッセイ・コラム

 30年ほど昔のことですが、北アルプスの乗鞍岳に謎の巨大類人猿が出没したと言う噂が耳に入りました。

 人類と同じくらいの大きさの二本足で歩行する毛むくじゃらの巨大生物で、夜半に出現したそうです。自動車の中に逃げ込んだ目撃者が、バックをしようとすると、それがわかるらしく、そのときは自動車の背後に回り威嚇する。ギアをバックに入れると、後ろのランプが点灯するのでそれがわかるらしいのです。なかなか頭が良い。

 つまり、普通の人間が変装していたずらしていたんでしょうな。

 その頃、ひでおちゃんと言う知り合いが毎週のように乗鞍にスキーに行っていました。彼の容姿が先祖がえりした原始的な顔立ちだったので「奴が犯人じゃなかろうか?」と仲間内で話題になり、乗鞍の巨大生物をわれわれの間ではヒデゴンと呼んでいました。

 昔は乗鞍岳の3000m近い山の上まで自動車で昇ることができたので、今頃の季節にスキーに行ったものですが、現在は一般車両は上まで登れません。

 スキーかついで雪渓を登ってわずか数十秒で滑り降りてきて、またスキーを担いで延々雪渓を上る。こんなことを繰り返して何が楽しかったのか?今はそんな気持ちになれないけれど、当時はとにかくそれが楽しかった。

コメント
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