のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

2011年08月02日 | 日記・エッセイ・コラム

 中国の人たちに好かれる性格は「竹のような性格」だそうです。日本人も「竹を割った性格」の人は好かれます。

 日本と中国では「竹」のイメージが違うようです。どちらも一直線に天に伸びているので「一本筋の通った性格」というのは共通しているようですが、日本人が「竹を割った」ように潔い割り切りの良さを持った人物像をイメージするのに対して、中国人は「竹のしなやかさ」のほうをイメージするようです。

 「竹のような性格」とは、難題や障害をしなやかに交わしながら決して自分のスタンスを忘れない人物が尊敬の対象になるようです。

 憧れというのは自分に満たされていれば存在しないわけで、それがないから憧れるとすれば、中国には竹のようなしなやかな人が少ないのかもしれません。こうと決めたら一本気な人が多いので、多少波風立てようが自分を貫いてしまう強引さを持った人は多いです。

 案外、日本人のほうが竹のような性格の人が多いのではないでしょうか?外圧にも折れ曲がることなく耐え、辛抱強く難題を交わしながらも目的を遂行してきたのは戦後の日本産業であり、それを支えた人々でしょう。

 物事割り切ったり、切り替えの速さは中国庶民の特徴で、さわやかとは言いませんが意外なほど諦めがいいですし、あとに尾をひかない潔さがあります。あきらめないと生きていけないような厳しい社会制度を生き抜いてきたこともありますが、自己主張も強い分引き下がるのも早い気がします。

 「竹のような」「竹を割った」とイメージが通じ合うのはアジア、それも東部の特徴で、竹の生育が困難なヨーロッパではイメージを共用できません。竹の文化圏に生きる人々だけが共用できるイメージなのでしょう。

コメント
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