傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

池田信夫氏ブログ:「小国路線でも!」読者コメントについて

2009-08-23 12:25:36 | 独り言

池田信夫氏ブログで、「Fading Japan」の読者コメントに、「小国でけっこうです。!」が論争になっていますね。
池田信夫氏は、「日本は小国になれるか」で、「小国路線も」一理あるが、「GDPを大きくしないで分配を平等にしようという民主党の「高福祉・高負担」路線は、結果的にはもっと不平等で貧しい社会をもたらすおそれが強い、「成長戦略」を口先でいっている自民党のバラマキ路線も、実質的には同じだ」と論じています。
当方は、「小国路線」の考えではないが、関心あるテーマですね。

長い物には巻かれろの適当な人間である当方は、経済については疎いんですが、GDP規模拡大偏重の成長路線でよいのか疑問をもっています。
池田信夫氏は、ブログ「Fading Japan」で、
”「このまま衰退すると日本は――歴史上ながくそうだったように――中国の傍の小国になるだろう。外交戦略もなくFTAにも消極的な日本が、アジア経済圏の中心になれるはずもない。世界市場で日本が今の地位を維持するだけでも思い切った規制改革と市場開放が必要だが、マニフェストに「成長」の文字さえなかった民主党にそれを期待するのは無理だろう。」”
と民主党の政策に辛口の論調しています。

池田信夫氏のブログに、某読者が、
”「小国でけっこうです。!
そういう経済規模万能主義(あるいはシェア争い)の議論はもうおしまいにしたいですね。そこそこの経済と静かな環境でみんなと仲良く生活できればそれでいいんじゃないでしょうか
。」”
とコメントし、論争になっています。

それに対して、池田信夫氏は、ブログ「日本は小国になれるか」で、経済学の通念では、「安心」とか「のんびり」といった価値への評価は計測できず、モノの需要が飽和する一方、環境や文化の重要性が高まってきた今日では、GDPとは別の指標で幸福を考えることも意味があるだろうと小国路線に一定の理解は示しています。そして、

”「こういう問題は「市場原理主義」をやめて、みんなに平等に分配したら解決するだろうか。税負担が大きくなると、金持ちやグローバル企業は日本から出て行くだろう。それによって成長率がゼロ以下になると、財政や年金の赤字をファイナンスすることは不可能になるので、財政が破綻する。結局、貧乏人と若者に負担がしわ寄せされ、ますます自殺は増えるのではないか。

こう考えると、GDPを大きくしないで分配を平等にしようという民主党の「高福祉・高負担」路線は、結果的にはもっと不平等で貧しい社会をもたらすおそれが強い
。」”

と論評しています。

当方が、本ブログで「御立 尚資氏の日経ビジネスに連載コラムが最終回・・・・残念ですね!」で、御立 尚資氏(ボストン コンサルティング グループ日本代表)の最終回のコラムは、「リーダーたちよ、日本の成長戦略を「理」で語ろう」は、「日本経済の成長を本気で目指すのかどうか」の問題提起で、

”「政・官・民を問わず、様々な政策提言の中で「日本の成長戦略」という言葉が出てくる。一定程度の経済成長を目指すのが大前提という立場なのだろうが、最近「それを前提としてよいのか。成長の追求に否定的ないし消極的な層が、どんどん増えているのではないか」と思えてならない。」”

と、経済成長の前提への良否を問うていました。
そして、御立 尚資氏は、

”「経済成長に対して、本音では「ネガティブ」な思いを持つ層が拡大している状況下、現在のリーダーの皆さんにとって必要なのは、「環境論議」とリンクづけた感情論、あるいは「成長は悪」という感情論を廃し、Graceful Decline(優雅な衰退)論に与するべきか、そうではなく適切な経済成長を通じてより豊かな日本を作ることを目指すのか、論理とデータで語っていくことではないだろうか。」”

と結んでいました。
何か、世の中の有識者は、「成長」が不可避という論調ですね。
適当な人間の当方には、世の中、企業社会であり、成長は否定はしないが、国内を充実させ、堅実さが肝要という思いですね。
成長の鍵は企業であり、企業は生成発展が第一であり、営利追求が当然であり、生存競争を勝ち抜くには、国策であろうとなかろうと、自ら成長分野にシフトするのは当然で、リストラも当然であり、「生存か?、雇用保持か?」となれば、企業は「生存」を選択することが当然ですね。
問題は、リストラになった人間の自己責任の範囲であり、社会は何処まで世話するのかでしょうか。

当方は、人間は、元気で、生涯現役で、生涯社会参加が理想と思っており、加齢とともに、自然志向になり、俗世間というのか「百姓」というのか、自然相手の自給自足が一つの理想と思っているが、このような生活者を全面否定できないのです。
TV、メディアが「自然保全」、「里山」、「自産自消の農業」を時々、取り上げていますが、それなりに商売になっている証と思われ、多分、池田信夫氏のブログに、某読者のコメント「小国でけっこうです。! 」は、マニフェスト比較で、経済学者、経済アナリストらの強調する成長戦略に食傷・倦怠を覚えたのでしょうね。

本ブログ「中谷 巌氏の新自由主義にもとづく構造改革の懺悔のついて」で、中谷 巌氏が「すべての改革が悪ではなく、さらなる改革を模索することが日本再生への第一歩だ」とし、そこには、「日本社会の良さとは何か、いかなる社会を作っていくべきか」と語っていると書きましたが、経済学者の言う「成長戦略」は、日本の「幸せ」に直接的に繋がらないのではないかと思っています。
当方は、「成長路線」も大事であるが、国内の円熟度をUPさせることも肝要と思っています。


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