傍観者の独り言

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橋下市長の辞職・出直し選:各党が黙殺で1人芝居の模様だが?

2014-02-04 11:14:32 | 独り言

大阪市の橋下市長が、大阪都構想の実現への打開に市長辞職して出直し選挙し、再選を果たして民意を問うと表明に、各党は無視し、橋下市長の1人芝居の模様ですが、橋下市長の独善さ・性急さは否めないが橋下市長流の統治機構の改革の取り組みという観点からは一理ありますね。

橋下市長の辞職・出直し選については、NHKニュースは、記事『橋下市長が辞職表明 改めて立候補へ』では、”「大阪市の橋下市長は3日午後、記者会見し、大阪府と大阪市を統合して再編する「大阪都構想」を推進するためには、市民の後押しが必要だとして、市長を辞職し、改めて市長選挙に立候補することを正式に表明しました。」”と、橋下市長の表明に各党の対応については、記事『橋下氏の辞職受け対応を協議』では、自民党大阪府連・民主党大阪府連は独自候補を擁立せず、公明党大阪市議団は他の会派と協議、共産党大阪市議団は橋下市長に最大の打撃策を模索で、選挙自体を無視・軽視の黙殺ですね。
ジャナーリストも「維新の会」の凋落に橋下市長の焦りで何も変わらないという冷ややかな論調で、大阪市民には、何も変わらないのに税金の無駄使いという声もありますね。

橋下市長に好意的な意見は、 高橋洋一氏の寄稿『橋下市長の辞職・出直し選を機にあらためて問う。「大阪都構想」の何が問題か?』、大西宏氏のブログ『橋下市長は市民の懐深く入り、市民の気持ち、また声を集める選挙』が散見される程度で、大勢は政権与党の自民党の意向に追随ですね。

当方は、この度の橋下市長の出直し選表明については、拙速の感ですが、日本社会の硬直化をも見る思いですね。
本ブログ『物事は完成時から陳腐化が始まるのが宿命で、統治機構も陳腐化(雑感)』(2012-11-19)で、

”「物事は完成時から環境変化による不適合・競争力劣化で陳腐化が始まる宿命があり、世の中の生成発展には新陳代謝で環境変化に適合し生存してきた摂理であり、統治機構も陳腐化し、常に内外の環境変化に適合した統治機構の変革が個人にも組織体に求められているのです。
統治機構の変革には既得権の堅持の守旧勢力が障害になってきたのです
。」”

と、大阪府・大阪市の二重行政統治機構も現行体制が当たり前と問題意識が希薄になり、議会も市民も明日が計算できる現体制を容認し、体制変革には拒否反応は自然なのです。

では、大阪府と大阪市の二重行政機構の改革の必要性について、外様の橋下市長に判るのか?、またその資質については、本ブログ『日本再生には、踊り場で一呼吸してから・・・橋下手腕を期待(雑感)』(2012-01-03)で、日経新聞(2012/1/2)の記事『橋下市長支える元官僚5人組 「大阪から国を変革 府市統合本部などに集結

”「橋下徹大阪市長、松井一郎大阪府知事が大阪都構想実現のための戦略組織と位置付ける府市統合本部。2011年12月27日のメンバー初会合に合わせ、ブレーンとなる特別顧問が府市双方から委嘱された。
作家の堺屋太一、慶応大教授の上山信一、元経済産業省の古賀茂明、政策コンサルタントの原英史の4氏だ。ほかに関西学院大教授の山中俊之氏が市の人事改革について助言する特別顧問に委嘱された。

5氏に共通するのはいずれも中央省庁のキャリア官僚だったことだ。堺屋、古賀、原氏が通産省(現経済産業省)、上山氏が運輸省(現国土交通省)、山中氏が外務省。官僚だった期間はまちまちだが、国(霞が関)の硬直した体制や制度を問題視し、行政・公務員制度改革のコンサルティングや政策提言をしてきた。「国でできなかったことを大阪でやる」。ブレーンたちの頭にあるのは大阪の改革を突破口にして国の変革を促すことだ
。」”

を紹介し、橋下市長のブレーンは、中央省庁のキャリア官僚で、大阪から国の変革を促す共通意識を持っているとし、木下 敏之氏が「JBpress」へのに寄稿コラム『橋下市長の周りに優秀なブレーンが集う理由大阪の改革が日本の地方自治を変える』で、

”「橋下市長の特徴ですが、非常に優れたブレーンがついていて、その人たちが離れていきません。
大阪府知事時代の橋下氏のブレーンの一部を挙げると以下の通りです。

【大阪府特別顧問】(敬称略)
安藤 忠雄 (建築家)
上山 信一 (慶応義塾大学総合政策学部教授、元大阪府顧問、元マッキンゼー)
北川 正恭 (元三重県知事、早稲田大学大学院教授)
藤原 和博 (元杉並区立和田中学校校長) 等々

 この人たち以外にも堺屋太一氏や「百ます計算」を普及させたことで知られる陰山英男氏など多士済々です
。」”

と、そして、「大阪市改革の作戦はすでに4年前に立てられていた」で、

”「マスコミはほとんど報道しませんが、大阪市の問題点や大阪府と大阪市の二重行政の課題はすでにきちんとした分析が終わっているからです。上山信一氏がマッキンゼーなどの腕利きのコンサルタントを投入して徹底的に分析をしています。それも4年も前に。
 そして、その作業を通じて大阪市職員の中で改革に前向きな人は誰だとか、反対する議員は誰だとかという情報収集も終わっているのです。

今回の選挙で落選した前市長の平松邦夫氏は、4年前の選挙で現職の関淳一市長を破ったのですが、改革つぶしに公務員労働組合が担いだ人です。実際は改革派でもなんでもありませんでした。

 歴代の大阪市長は、助役(副市長)から市長になる人ばかりで、市議会の自民党と民主党と公務員労働組合が権益を分け合っているという構図でした。平松氏が4年前に破った関市長ももともとはその流れにいる人でしたが、大阪の凋落を目の当たりにして、これではいけないということで関市長は改革派に変身したのです。

 関市長は公務員の厚遇や同和問題などにも手をつけ、地下鉄の民営化も打ち出しました。当時、すでに上山信一氏のチームがコンサルタントを投入して、職員とともに各局の事業をこと細かに洗い出していました
。」”

と、橋下市長には、大阪府と大阪市の二重行政の課題に取り組みしていたブレーンが就いており、ブレーンの衆知を集めた課題解決の主たる解が大阪都構想だったのでしょうね。

橋下市長の資質については、

”「当方は、橋下徹氏を現実主義で、異才として将来を期待するのは、複雑な家庭環境で、母子家庭で幼少時から苦学し、高校時代は、ラグビー部主将とし花園に出場し、全日本候補になり、早稲田大学に入学し、卒業後まもなく弁護士資格をとり、早々に独立した略歴は、社会の現場を肌でしっている現実的が生き様であり、誰でもできる生き方ではない、異才と思いますね。

橋下徹氏は、法律に抵触しなければ何でもやるドライさ、利用できる物はなんでも利用する利口さ、一旦公言しても形勢不利と思えば方向転換する機敏さ、特徴的な例えで説得する機知さ、高圧的な言い回しで相手の本音を出させるテクニックのうまさなど特徴点はあるが、一番のすごさは、目標設定を明確にし、その実現に権限を手中するために組織力(政治力)を形成する戦略性でしょうね。
世の中、すべてパワーゲームであり、新人メンバーの集合体と思える「大阪維新の会」は、この度のダブル当選で、「大阪維新の会」は、国政にも影響力を持ったことになったのです。
並の人間には、短期間に、国政に影響力をもつ組織化など出来ない才能でしょうね
。」”

と、橋下徹氏の凄さは、個人のパワーの限界を知っており、組織化し、パワーアップし、発言力・影響力を高める術を知っていると書きました。
しかしながら、橋下市長の事を急ぐ性急さが、石原慎太郎代表の「太陽の党」との合流、慰安婦問題発言などで行政、大阪都構想へ傾注できず、「維新の会」に批判層を増やしたことですね。

世の中、破壊と創造の新陳代謝しながら社会の安定化に収斂してゆくが、革新には根回しの根気と慎重さと大胆な決断が肝要で、”「階段に踊り場があるように、一呼吸し、先に進まないと、息切れし、踏み外し、大怪我します」”ではないが、橋下市長の性急さが批判層を増やしたのでしょうね。
本ブログ『大阪ダブル選挙:橋下「大阪維新の会」がダブル圧勝・・・異才に変革を委ねることが賢明』(2011-11-29)で、

”「神保哲生氏が保坂展人氏(世田谷区長)との対談を、ブログ『区長になって見えてきたこと』で、

”「保坂氏は区長就任時の区職員への挨拶の場で、これまでの区の方針の95%は継承することを明言している。
これは5%は大胆に変えさせてもらうという意思表示でもあるが、あえて5%という控えめな数字を提示したのは、国会議員時代の経験に基づいているという。
何かを急激に変えようとしても、かえって強い抵抗に遭い結果的に何も変えられなくなる。既存の政策を活かしながら、5%の改革で住民参加型の自治体を実現したいというのが保坂氏の戦略だと言うが、区長就任半年あまりで、5%改革はどこまで進んでいるだろうか
。」”

と書いており、社民党出身の保坂展人氏の改革を5%としているのは、現実的な智恵とし、

”「(橋下市長は、)大阪府知事に就任し、当初は急進的な発言し、現体制に挑戦的・高圧的であったが、孤軍で現勢力と戦う限界を痛感し、現実的に、まずは、権力を手中にすることが肝要とし、着々と自己実現への体制を構築し、それの主戦場が、ダブル選挙でした。
要は、孤軍で、正論を掲げて守旧勢力と戦っても、敗北するのは歴史が証明しており、まずは、権力を持つことに努力してきたのでしょうね
。」”

と書き、橋下市長は、「民主主義は数」「数は力」「力は権限」と意識し、「維新の会」を作り、「太陽の党」と合流し、権力を持つことに邁進してきたが、この性急さが「出る杭」を打つという守旧勢力に逆襲され大阪府構想が頓挫し、二重行政の弊害解消の都構想に理があっても「僕の首を取ればいいじゃないですか」発言は事実でも傲慢さの印象を与え余計に不評を買うのでしょうね。

日本全体を俯瞰すれば、東京一極集中は東日本大震災を見れば問題が明確であり、東西二極化が日本全体の安全度UPになり、大阪都構想を真剣に検討する価値はあると思いますね。
橋下市長には、市行政の責務以外は自重し、都構想に傾注し、基本設計作りに全力投入されることが願いますね。



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