朝日新聞が記事『西日本でもセシウム検出 文科省、汚染地図作製へ』で、25日、文部科学省が調査(容器に溜まったチリの4ヶ月の積算値)で、福島原発事故で放出された放射性物質が沖縄を含む45都道府県(宮城、福島県は計測器故障で観測不能)で観測されたと報道。
問題は、大気観測値と土壌汚染値の違いですね。
報道によれば、放射性セシウム134,137の積算値が最も高かったのは茨城県(ひたちなか市)の4万801ベクトル、山形県の2万2570ベクトル、東京都の1万7354ベクトルと続き、中国や九州地方は格段に少なく、沖縄は9.114ベクトル、最低は熊本県の0.378ベクトルで、茨城県の現時点の放射線量は毎時0.14マイクロシーベルトほどで年間1ミリ以下となると。
また、別記事で、文部科学省が土壌の蓄積量を航空機モニタリング測定による放射能汚染地図(22都県)を発表し、文部科学省は22都県以外の地域について、北海道、西日本でも微量ながらセシウムを含んだチリが確認されたとし、来年から測定と取り組むと。
文部科学省のウェブサイト(http://bit.1y/unlfH0)に公開資料が閲覧できると。
記事のいうウェブサイトは、文部科学省の報道発表(http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1910/2011/11/1910_1125_2.pdf)と思います。
本記事を一読して、朝日新聞の特集記事プロメテウスの罠 観測中止令>を思い起こしました。
まずは、文部科学省の報道資料を一見して、放射性セシウムのチリの最高積算値は茨城県ひたちなか市であるが、土壌の蓄積量を航空機モニタリング測定では、茨城県地域の数値は中程度に低く、原発事故以来の放射性物質を含んだ大気が移動していたのであり、如何に、大気の放射能観測が不可欠だったかと。
文部科学省の報道発表の【5.今後の予定】で、
”「○他方、文部科学省がこれまでに測定してきた月間降下物の測定結果をみると、北海道や、西日本についても、微量であるものの、放射性セシウムの降下がかっく人されている。(参考6参照)
○そこで、これまでに航空機モニタリングを実施していない北海道や西日本についても、放射性セシウムの沈着量が少ないことを確認するため、航空機モニタリングを実施する。」”
と発表しています。
当方は、朝日新聞の特集記事プロメテウスの罠 観測中止令>に関して、本ブログ「朝日新聞:〈プロメテウスの罠〉で気象庁データを公開に尽力したのは森ゆうこ議員!」で、今年度、気象庁気象研究所での放射性観測の予算凍結なかで、気象研究所の放射能研究の中核の地球化学研究部の青山道夫氏が水面下で観測を続行してき、気象研究所の放射能観測データの公開および観測継続に尽力したのは、森ゆうこ参議院議員と書きました。
森ゆうこ議員の尽力がなければ、3月~6月の4ヶ月の大気中のチリの観測データがなく、文部科学省は北海道や西日本の航空機モニタリングを実施をしなかっただろうと想像できます。
それ以上に問題は、現時点の土壌汚染マップと爆発後4ヶ月の大気中のチリの蓄積観測データとの相違(相対性がないこと)ですね。
要は、現在の土壌汚染と爆発後の4ヶ月間の大気汚染とは、相対していないことで、放射性物質を含んだ大気が移動していたのです。
現時点の放射能汚染は、土壌汚染マップが現実と推察できるが、福島原発事故から4ヶ月の期間の大気中の汚染状態は、福島、宮城を除外すると、茨城、山形、東京、栃木、埼玉、群馬、千葉、神奈川が圧倒的に高く、その期間、東北南3県、関東地区に居住していた人間は放射能の大気汚染の危険にさらされていたと推察できますね。
やはり、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)による予測結果が住民避難に活用されなかったばかりでなく、東北南3県、関東地区に居住していた人間は大気汚染(外部/内部被曝)の危険にされされていたことが、森ゆうこ参議院議員の尽力で実証されたのです。
事故初期に、水道水の放射能汚染が社会問題になったが、同時に併行して大気汚染(外部/内部被曝)の危険性があったということです。
福島県では県民の健康診断を着手しているそうですが、特に、茨城県(ひたちなか市)の数字が断トツに高く、行政は健康診断すべきでしょうね。
政府、公的機関の情報隠蔽は犯罪的行為と思わざるを得ないですね。
「参考」
朝日新聞の特集記事『プロメテウスの罠 観測中止令』の記事は、ブログ「nanohana」様のエントリー『〈プロメテウスの罠〉第3シリーズ 観測中止令(完)』に、まだ削除されずに、全文掲載されております。