傍観者の独り言

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郵便不正事件:捜査段階の供述調書 採用されず・・・まだ、序の口!

2010-05-27 05:22:03 | 郵便不正事件

郵便不正事件で、大阪地方裁判所は、村木厚子元局長の関与を認めた供述調書を「信用できない」と証拠として採用せず、村木元局長が無罪になる可能性と報道あり。
村木元局長の無罪は予想されていたが、供述調書が否定されたことは検察の図式破綻であり、検察の捜査のあり方については基本的な問題が顕在化したことになり、可視化は不可避で、検察の良化の契機になればという思いです。

当方は、郵便不正事件については、当初から、本ブログで、「何故、官僚が不正行為までして証明書を発行したのか?不可解です」と書き、報道される事件の構図には素朴な疑問を持っていました。
国会議員からの口利きがあろうが、実行者には、一銭の得にもならずに、不正行為する必然性が分からないと。
その後の事件の推移で、「検察の劣化」「検察の独善的正義」を強く思い始めましたね。
積年の自民党主導の政治が硬直化した「政官業」の既得権社会を形成してき、検察・報道機関も、その一環に醸成されてきたという思いで、政権交代による社会変革を切望しました。

NHKニュースの『捜査段階の供述調書 採用せず』を転載すると、

”「厚生労働省の元局長が郵便の割引制度をめぐって、うその証明書を作った罪に問われている裁判で、大阪地方裁判所は、元局長の事件への関与を認めた部下などの捜査段階の供述調書について、「信用できない」と判断し、証拠として採用しないことを決めました。検察の主張の根拠になっていた供述調書が採用されないことで、元局長が無罪になる可能性が出てきました。

厚生労働省の元局長、村木厚子被告(54)は、障害者のための郵便の割引制度を悪用しようとしていた団体のためにうその証明書を作った罪などに問われ、無罪を主張しています。この事件では、村木元局長の部下で元係長の上村勉被告(40)が、捜査段階で「うその証明書は村木元局長の指示でつくった」と供述しましたが、裁判では「自分で勝手にやった。供述は検察官に誘導された」と証言するなど、関係者が相次いで村木元局長の関与を否定し、捜査段階の供述の信用性が焦点になっていました。
26日の裁判で、大阪地方裁判所の横田信之裁判長は、上村元係長の供述調書について「検察官は取り調べの際、上村元係長が『記憶があやふやだ』と説明しても『ほかの関係者が言っているから多数決だ』と言って、上村元係長の意思に反する内容を調書にした可能性がある」と指摘しました。
そのうえで「検察官の取り調べに問題があったと言わざるをえず、捜査段階の調書は法廷の証言に比べて信用できない」と述べ、検察が証拠として申請した上村元係長の15通の供述調書すべてを採用しないことを決めました。
さらに横田裁判長は、村木元局長の事件への関与を供述した団体の元会長の調書についても「検察官の誘導があった可能性がある」などとして採用しませんでした。
証拠に採用されなかった上村元係長などの供述調書は、村木元局長が事件にかかわったとする検察側の主張の大きな根拠だっただけに、村木元局長が無罪になる可能性が出てきました。

刑事裁判に詳しい甲南大学法科大学院の渡辺修教授は「事件の核となる上村元係長の供述調書が却下されたことで、検察側は犯罪を証明することができなくなり、村木元局長は無罪になるだろう。
きょうの裁判所の決定は、供述調書を作文するような地検特捜部の捜査手法を否定し、『法廷での証言が信用できる』と判断したもので、高く評価できる」と話しています。
」”

と、検察の図式破綻し、村木厚子被告が無罪になると報道しています。

郷原信郎氏は、本件について、ツィートで、
”「 たった今、大阪地裁での郵便不正事件村木公判で、検察官請求の検事調書40数通のうち9通のみ証拠請求を認め、その他の調書の証拠請求を却下、上村調書も却下との情報を入手しました。その通りだとすると、検察にとって、致命的敗北濃厚。論告求刑がまともにできるかどうかという事態です。

詳細はまだ不明ですが、いずれにしても30通を超える検事調書が「特信性」なしと判断されたというのは極めて異例の事態です。」”
と、検察にとっては、異例な事態と呟いていますね。

村木厚子元局長は、無罪になり、冤罪を回避できたことはハッピィで、当然ですが、虚偽証明書を発行した村上係長の単独犯行で終息することは問題と思っています。
問題は、「検察の劣化」への責任問題と政治ゴロが政治家へ口利きをし、それを官僚組織が「政治家案件」として対処する構造です。

郵便不正事件は、郵便割引制度を活用を企てた障害者団体の設立者が政治ブローカーに郵便割引制度の便宜を政治家に取り次ぎを要請し、取次をうけた政治家が高級官僚に取り次ぎ、高級官僚が下級官僚に、善処を指示し、下級官僚が虚偽証明書を発行し、虚偽証明書で障害者団体が郵便割引制度を悪用した構図です。
まだ、厚労省の問題ですが、虚偽証明書で、郵便局側が郵便割引制度を認可した背景は明らかになっていませんね。

虚偽証明書を発行した村上係長には、村木厚子元局長から具体的な指示がなかったことは、この度の、大阪地裁が供述調書を不採用で明らかですが、何故、村上係長は、直接的な上司から指示もなく、一銭の得もなく虚偽証明書を発行したかに疑問を持っています。
当方は、被告の村上係長には、ノン・キャリヤ官僚の悲哀を感じています。

本ブログ「郵便不正事件:極悪人(塩田幸雄氏)が小豆島町長へ・・・厚顔無恥!」でも書きましたが、当方は、検察が村上元局長に、証明書発行を指示したとする元上司の塩田幸雄氏を極悪と決めつけしています。
元上司の塩田幸雄氏は、厚生労働省の「政治家の窓口」と広言し、元自民党議員(木村義男)から金銭を授受しており、事業仕分け対象となった年金担保融資制度の(独)福祉医療機構に天下りし、今春、地元の小豆島町長に就任しています。

郵便不正事件で、村上元局長の無罪は当然ですが、ノンキャリアの村上係長へ、誰が具体的に証明書発行のプレッシャを加えたか、また、日本郵政側が不正証明書で郵便割引制度を速やかに、誰が認可させたか解明されていないですね。

郵便不正事件は、まだまだ、序の口の段階ではないですか?


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