傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

野田首相に、旅順要塞総攻撃に固執した乃木希典を連想する(雑感)

2011-12-08 08:57:39 | 国家の計

先のNHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」の「旅順要塞総攻撃」を視聴し、旅順要塞に固執した乃木希典大将に、財政健全化へ増税を固執する野田首相を連想しますね。

当方が司馬遼太郎氏の長編小説「坂の上の雲」を通読したのは、20数年前であり、日露戦争の勝利は、秋山兄弟の存在と旅順要塞攻撃での乃木大将は、肉弾戦で多数の兵隊の屍を築いた無能さと児玉源太郎・総参謀長が指揮権に替わり、「203高地」の確保し、旅順港に停泊中のロシア艦艇に圧力をかけたことが印象的でした。

ドラマでは、日本の大本営は、遼陽でのロシア会戦を主戦場とし、旅順経由を兵站ルートとし、乃木大将に旅順要塞を落とすことを使命とさせたが、日本の大本営は、ロシアの旅順要塞を日清戦争の経験だけで軽視してたが、現実は難攻不落の近代的な強固な要塞になっており、乃木大将は、敵情の情報不足のまま、正面突破の正攻法の肉弾戦の総攻撃に固執し、多くの戦死者をだすだけであったと。
児玉源太郎・総参謀長が乃木大将に他に策はないのか質すが、乃木大将は肉弾戦の総攻撃しかなく、旅順要塞は落とせねばならないと固執し、大本営も乃木大将の使命感を容認する。

ドラマを視聴し、旅順要塞を落とすことが使命と固執する乃木大将に、「不退転の覚悟」「捨て石になる」と決意を表明した野田首相を連想しましたね。
野田首相は、消費税増税、TPP参加交渉、安全保障の強化に「不退転の覚悟で臨む」と表明し、「自分の代で国難をしっかり受け止めたい」「捨て石になる」と強い表現で決意を語ったと報道があったが、消費税増税し、TPP参加し自由貿易市場で、日米同盟を深化させ、日本は経済成長し日本国民は幸福になるのでしょうか?疑問ですね。
日露戦争で旅順要塞の攻撃は、兵站ルートの確保に不可欠であったが、敵情不足に、肉弾戦の正攻法は勝算がなかったが、肉弾戦の正攻法で不落との教訓を学習したのに、乃木大将は旅順要塞を落とすことが使命と固執し、日本は窮地に陥ったのです。
旅順要塞への攻撃は、旅順港に停留のロシア艦艇を抑制することで、来る遼陽での主戦場の前哨戦でしたが、乃木大将の前哨戦への拘りが日本を窮地に落とし込んだのです。
ドラマでは、この窮地を救ったのが、旅順港を見渡せる「203高地」の確保であり、次回(12月11日)になります。

世界は、戦後の金融資本主義の歪が顕在化し、激変が進行中で、日本は高齢少子化と赤字国債体質の老人性骨粗鬆症の硬直化社会であり、生成発展には新陳代謝が不可欠で、社会変革が不可避なのです。
ITの世界では、”「システムは完成した時点から陳腐化が始まる」”と言われるが、明治維新後、営々と築かれた官僚組織も陳腐化と弊害が現出している現下で、過去の延長線上の官僚主導の政治を盲信しているのが野田首相と思えますね。

野田首相が不退転の覚悟で臨む消費税増税、TPP参加交渉、安全保障の強化は、日露戦争の前哨戦の「旅順要塞への攻撃」に思え、野田首相には、難攻不落の旅順要塞を肉弾戦による正攻法を盲信した乃木大将を連想します。
何故、乃木大将は、浅智恵で総攻撃したのか、総攻撃で敵情を把握したのに、また、正攻法の総攻撃したのかです。
ドラマの次回では、三千百余人の白襷隊による決死隊も壊滅するそうだが、野田首相の固執する消費税増税、TPP参加交渉、安全保障の強化は、国民に白襷隊による決死隊で、前哨戦の国難に立ち向かえと言っているとしか思えないですね。

国難は、赤字体質、高齢少子化で成長力鈍化、原発事故汚染による後むき出費で、日本社会の老人性骨粗鬆症状です。
この老人性骨粗鬆症状には、新陳代謝が不可欠であり、「破壊と創造」しかないのです。
当方は、日本の再生には、革新的・挑戦的な異才に委ねるしかないと本ブログに書いてき、孫正義氏、小沢一郎氏、橋下徹氏らを期待すると書いてきましたが、NHKドラマ「坂の上の雲」を視聴し、明治維新の功労者も、明治時代の世界と戦う智力がなく、旅順要塞攻撃より203高地の確保を主張した秋山真之(弟)、クロパトキンが率いるロシア陸軍を退却させた秋山好古(兄)の秋山兄弟のような若い異才が日本の窮地を救ったのです。

野田首相が固執する消費税増税、TPP参加交渉、安全保障の強化の施策は理解できるが、国難の本質解決とは思えないですね。
国難は何かを明示し、その解決への「国家の計」を明示することが先決であり、消費税増税、TPP参加交渉、安全保障の強化は部分解の解法(施策)にすぎないです。




1 コメント

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司馬氏の乃木観 (nobby)
2012-01-08 13:56:55
私は昭和三十三年生まれの男です。「坂の上の雲」は歴史に材をとった、ただの小説、だと存じます。特に旅順攻囲戦に関する部分は、乃木希典をとにかく徹底的に貶めてやる・・・との隠微な意図が、すべての記述の前提に隠れていることが行間からにじみ出ていることにお気付きになりませんか?。私は日教組組合員の父から反日教育を受けましたが、大学生のおり「坂の上の雲」を読み、反日史観の呪縛から解放された一人ではあります。しかし「坂の上の雲」は、「面白い娯楽小説」ではあっても歴史書ではありません。「坂の上の雲」の記述をもとに現政治家を批判するのは、水戸黄門の諸国漫遊と活躍?を引用して、江戸時代の悪代官や悪徳商人の跋扈を嘆き批判するようなものだと考えます。
ちなみに私は厳たる反民主です。同様にNHKの制作姿勢を以前より批判し、受信料も一切払っておりませんので視聴も致しておりません。

ブログ主様には、お怒りのタネにしかなるまいと考えましたが、あえて書かせていただきました。読み捨てて頂いて結構でございます。
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