朝日新聞が記事『福島第一原発の電源復旧、19日以降に 作業ずれ込む』で、”「電源の復旧が19日以降にずれ込みそうだとし、通電すれば、水の循環や給水が可能になれば危機的な状況に光がさすだけに、東電はこの作業に望みを託す。」”と報道。
何故、東電は外部電源の確保を第一にやらなかったのか?
トップが馬鹿だから現場が苦労しているのでしょうね。
当方は、11日に事故発生し、12日には、事故現場は外部電源を確保し、復旧活動中と静観していましたが、水冷システム・非常電源の損傷による危険性の報道が多く、外部電源の確保や現場作業の全体像のニュースがなく疑問に思っていました。
非常発電装置が使用不可能で、電源車による電源で、海水注入による格納容器を冷やす作業らは報道されたが、外部電力の確保、冷却装置が正常機能に関して一切報道がなく、常識的には、外部電源で暫定的なポンプで海水注入作業しているが順調に行かずに、放射能漏れ・水素漏れを覚悟に圧力弁を開口し、海水注入作業しているが燃料棒の発熱を抑制できずに苦戦していると理解していました。
15日に、本ブログ「東日本大震災:原子力発電の爆発・放射線漏洩(所感)」で、自衛隊の電源車を手配したと報道があったが、何故、外部安定電源をも最優先で確保しなかったか疑問とし、
”「現場の責任者にとっては、優先順位は核分裂を抑えることと放射線漏洩はさせないと判断すれば、解決すべき問題別に担当責任者を任用し、外部電源を確保に非常手段を講じたと思いますね。」”
と、現場責任者は、外部電源確保に非常手段(政治的)を用いるとし、現場責任者の力量、権限に疑問を感じ、対策本部のあり方に疑問を持ちましたね。
16日に、産経新聞の記事『自己犠牲50人「最後の防御」 米メディアが原発作業員を絶賛』で、
”「16日付米紙ニューヨーク・タイムズは「最後の防御」と題して50人を特集したが、驚くべき自己犠牲の精神に対する称賛の裏側には、この国家的危機に際しても他の電力会社や国際社会の総力を結集できずに手厚い作業体制を敷くことができない日本の対応への疑問やいらだちも透けてみえる。」”
と、
”「ニューヨーク・タイムズは50人をこう表現した上で、「彼らは迷宮のように機器が入り組み、停電で真っ暗になった施設内を、懐中電灯だけを頼りに、防護服とマスクに身を包んではいずり回り、海水注入などの作業にあたっている」と、その献身ぶりを伝えた。」”
と、外電は作業員の自己犠牲の努力には称賛しているが、
”「米CBSテレビは「死をも恐れぬ50人」と勇気をたたえつつも、「作業が長引けば、現在の50人に代わってリスクに向き合う覚悟を持った次のチームを見つけるのはきわめて難しくなる」と指摘している。」”
と、現体制の限界を危惧していると報道していました。
正直、東電であろうが、保安院であろうが、「馬鹿だなー」と思いましたね。
現場作業は、何をするのにも電気は不可欠なのに、外部電源の確保は、作業の前提条件です。
NHKニュース(3月18日 4:25更新)が『18日にも外部電源復旧目指す』
で、
”「東京電力は、冷却機能を回復させるには、外部からの電源を復旧させる必要があるとして、17日から発電所に送電線を引き込む作業を始めましたが、放水に時間がかかり、作業を終えることができませんでした。
東京電力は、2号機に電気を送るための新たな送電線を17日までに敷地内に引いていて、18日に送電線を発電所の内部でつなぐ作業を行うことにしています。
・・・・・・
しかし、工事では、作業員が原子炉に近づかなければならず、放射線の影響などで作業が難航することも考えられるということです。」”
と報道しています。
「放射線の影響で作業が難航?」とは、いかにもごもっともな報道ですね。
まともな現場責任者であれば、放射線の影響を軽減させる智恵があるでしょうね。
大型の送風機を作業現場を持ち込みぐらいは素人でも考えますね。
外部電源の話題は、16日から17日にニュースになりましたが、現場責任者が実務経験者なら、12日には、外部電源と電源車を確保し、水冷システムの動作確認済みでしょうね。
水冷システムが動作不調の場合を想定し、大型ポンプらの代替案を立案していたでしょうね。
報道は、いかにも、東電が熟慮の上、外部電源による徐熱作業を立案した書き方ですが、保守サービスの実務者にとれば、”『トップが馬鹿だから、現場が苦労する』”と言うでしょうね。
自衛隊ヘリコプターによる散水を、「国難に生命の危険をかけた隊員の行動」を決断したと防衛大臣が美談めいた発言していましたが、隊員行動には敬意を示しますが、政治ショーに写りますね。
報道された外部電源で、電気設備の損傷が比較的少ない2号機で、早ければ18日夜、必要な作業を終えて、電気を使って冷却装置を動かし正常機能が発揮されたら、外部電源で12日から作業していれば、1号機の水素爆発を防げたかどうかギリギリでしょうが、その以降の深刻な事態は回避できましたね。
本ブログで、「船頭が多く、現場が犠牲」と書きましたが、菅内閣、東電、保安院のトップが馬鹿だから、現場が苦労するのです。
計画停電で、庶民は生活を振り回されており、まだ、爆発しないのは、東日本大震災の被災者を思えば我慢しているのです。
当方は大規模停電など心配していないのですね。
東電社長は、計画停電が終了するまで、毎日、庶民に土下座して謝れと言いたい。