傍観者の独り言

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藤崎駐米大使を「呼び出し報道」の真偽?(続)・・・外務省は白黒を!

2009-12-28 04:46:38 | 民主党・鳩山由起夫

クリントン米国務長官が藤崎一郎駐米大使を呼び出し、普天間基地問題について、「新たな移設先を探す鳩山政権の動きに不快感を表明し、現行計画の早期履行を改めて求めた」と報道があり、その後、同席したキャンベル国務次官補が「呼び出しを否定」の報道があり、その真偽を外務省は明確にすべきと書きました。
その後、本件について外務省、メディアも動きなかったが、ブログ「ゲンダイ的考察日記」様が、再度、取り上げています。

その後、当方と波長の合うブログ「ゲンダイ的考察日記」様が「日刊ゲンダイ」に掲載された記事『「駐米大使呼び出しデッチ上げ事件~大新聞はなぜ報道しない』(独断でやった芝居なのか 裏に誰かいるのかを紹介しています。転載すると、

”「岡田外相はなぜ黙っているのか
藤崎駐米大使の“呼び出しデッチ上げ事件”が奇々怪々の展開になってきた。
普天間移設を巡り、クリントン国務長官に呼びつけられた、異例のことだ、と藤崎が騒いだ一件である。
本当ならば米国の怒りも相当なのだろうが、この話が報道されると、米側は「大使の方から会い来たのだ」と、“呼び出し報道”を全否定。
当然、今度は藤崎の“自作自演”が問題になると思いきや……岡田外相は何も言わないし、大新聞も沈黙なのだ。裏に何があるのか
クリントン国務長官と藤崎駐米大使が会ったのは今月21日、藤崎は「長官側から連絡があった」「めったにないこと」「重く受け止める」と騒いだ。

「クリントン国務長官は17日にコペンハーゲンで行なわれたCOP15の晩餐会で鳩山首相と隣り合わせになった。このとき、鳩山首相が普天間移設問題の解決には時間がかかることを説明したところ、長官が『よくわかった』と答えたと報じられた。長官は非公式会談の話がメディアに漏れたことを怒っていて、釘を刺す目的で大使と話したかったのは明らかです」(国際ジャーナリスト・歳川隆雄氏)

ま、こういうことは外交上よくある。しかし、脱官僚依存の鳩山政権を面白く思っていない外務省は、ここぞとばかりに「呼び出し事件」を騒いだ。そうすることで、暗に鳩山軽率外交をなじり、普天間も現行案に戻させる。そんな狙いがあったのはミエミエだ。

しかし、米側のスポークスマンは22日、「藤崎大使は長官から呼ばれたのではない。彼の方から会いに来たのだ」と明言。藤崎の大騒ぎは、思いっきり冷や水を浴びせられたのである。

「もし、藤崎大使がウソまでついて米側の怒りを過剰演出したのだとしたら、大問題。更迭されてもおかしくない」(外交事情通)という話だが、奇っ怪なことに、岡田外相は沈黙している。大新聞も全然、書かない。どう考えてもおかしいのだ。

元AP通信の記者でビデオジャーナリストの神保哲生氏は「米スポークスマンは、藤崎大使がクリントンのところにstop by(立ち寄った)という言い方をした。つまり、米側は呼んだわけでなく、たまたま来たのだという言い方なんですね。これも常識ではあり得ない話で、米側にしてみれば、居丈高に呼んだのではないと言いたかったのでしょう」と言う。

この辺が真相かもしれないが、それにしたって、藤崎の言い方は米が驚いて否定するほど“大げさ”だったことになる。
それが現政権の外交政策を後押しするためならいざ知らず、足を引っ張る言動だったことが大問題なのである。
大新聞が真相を報じないのは、こちらも普天間問題では完全に反鳩山、親米だからだ。

亀井金融相は会見でこう言ったことがある。
「日刊紙は国益を損なうことばかり書いている。1周遅れなんだよ。アメリカの機嫌を損ねたら大変だと。何か事が起こると。そんなことがあるはずがない。一体、君たちはどこにおるのかと言いたい」

この言葉を藤崎にも贈りたい。(日刊ゲンダイ 2009/12/25 掲載)
」”

本件については、NHKを含め大手メディアは沈黙していますが、高野 孟氏が『日米間のどこでどうやって情報が歪められるのか? ── 駐米日本大使とクリントン長官の「異例の会談』で取り上げていましたね。

当方も、本ブログ「藤崎駐米大使を「呼び出し報道」の真偽?(続)・・・外務省は白黒を!」で、外務省が白黒をつけるべきと書きましたが、岡田外務相のノーアクションは疑問をもっています。

本件を早くから取り上げた天木直人氏は、最新ブログ『藤崎発言騒動が寝た子をさますもう一つの醜聞』で、沈黙する大手メディアを批判し、「日刊ゲンダイ」に掲載された記事で、注目した部分として、

”「・・・実はこの大使(藤崎駐米大使)、過去にも事実をねじ曲げた前科がある。『93年に在オーストラリア大使館で公金流用疑惑が発覚しました。当時藤崎さんは会計課長で査察の責任者でした。ところが疑惑が広がらないよう、関わった職員の処分をせず、事実の隠蔽を図ったのです』(外務省関係者)・・・」”

の部分を

”「驚いた。この事を知っている職員がいたとは。しかもそれを日刊ゲンダイに漏らす「外務省関係者」がいたとは。
しかし、もっと驚いているのは外務省の幹部職員たちであろう
」”

と、暗に外務省の暗部・恥部の存在をほのめかしていますね。
藤崎駐米大使の個人的風評は知りませんが、元外務省官僚で強引に退官させられた天木直人氏にとっては、他人事ではないのでしょうね。

接待疑惑で有罪が確定した守屋武昌元防衛次官が「中央公論」(2010.01)の対談記事『地元利権に振り回される普天間、日米同盟』で、外務省批判していますね。

”「普天間問題なのを協議する中で、自分(守屋氏)が一番情けなかったのは日米安保の中身がなかったことだ。
別に外務省の悪口を言うわけではないが、日本の外交は「日米安保が基本であり、米抑止力に依存する」と言うだけで、両国の実力組織の防衛協力の実体は何もなかった。別の言い方をすれば、「米国に本当に依存していい政策なのか」と「米軍がどんな役割で、どんな部隊があり、どのように機能するのか」といったことについての裏付けが戦後50年間、一切なかったということだ。冷戦中はそれでも済んでいたが、これからはそうはいかない
。」”

と語っております。
個人的な問題を持つ守屋武昌元防衛次官ですが、実務に携わった防衛事務次官の「外務省の固定観念の弊害」の言葉は重いですね。

外務省の「日米安保が基本であり、米抑止力に依存する」の基本姿勢は、米国従属路線で、米国に追随することが国益という硬直化した姿勢なのでしょうね。
藤崎駐米大使を「呼び出し報道」は、この米国追随姿勢の表れであり、鳩山首相の優柔不断な態度に、日米の信頼関係を揺るがすと過剰反応であり、外務省官僚の恣意的な言動であり、大手メディアも提灯記事を報道したのでしょうね。

どちらにしても、岡田外務相の沈黙は、変に勘ぐりたくなりますね。

また、鳩山首相の「普天間のグアム全面移転は、抑止力の観点から難しい」とグアム移転の否定的発言は軽率ですね。
首相は、グアム移転(一部、全部)を含め「県外・海外移転」で検討すると言えば無難で、グアム移転に否定的発言は慎むことが賢明なのに。
では、具体的な出口戦略があるのかという追求されるだけですね。
外務省の米国追随の固定観念を打破することが肝要なのに。

それに、「抑止力」の語句を持ち出すことは得策ではないですね。
「抑止力」とは何かと質されますね
「抑止力」を持ち出すと、自民党の塚田一郎議員がブログ「米軍が国内に駐留する最大の意義」で書いてような、「日米同盟による拡大抑止(核抑止による対象を、自国のみでなく同盟国も含める)」、「核抑止を有効に機能させるために通常兵器の攻撃能力を確保する必要があります。米軍が国内に駐留する最大の意義はこの点にあります」という安全保障の話になります。
安全保障と普天間移設問題と同一次元で議論することは、「両国合意の日米同盟をとるか、普天間移設をとるか」の問題になり、どちらを優先しても、賛否両論が予想され得策でなく、まずは、「沖縄県民の負担軽減」を第一に「県外・海外移転」で検討すべきですね。
国民の生活守るマニフェスト公約の死守が最大目標で、この不況下で経済対策が最優先課題であり、安全保障の問題は参議院選挙後に取り上げるテーマにすべきです。

マアー、最高責任者は「沈黙は金なり」の格言があるように、結論めいた発言は控えることが賢明ですね。
「有言不実行」が最悪です。




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