共同通信が記事「首相の虚偽記載問題、参考人聴取 東京地検特捜部、捜査が本格化」で、鳩山首相の虚偽記載問題について、捜査の本格化を報道しています。
マアー、鳩山首相にとっては、詰め腹(?)を切らさせた元秘書次第で命取りになる可能性がありますね。
共同通信の記事「首相の虚偽記載問題、参考人聴取 東京地検特捜部、捜査が本格化」を転載すると、
”「鳩山由紀夫首相の資金管理団体の政治資金収支報告書虚偽記載問題で、東京地検特捜部は2日までに、献金したとして収支報告書に名前を記載された人について、参考人聴取を始めたもようだ。共同通信の取材に関係者が明らかにした。捜査を本格化させ、経理を担当していた元公設秘書からも今後任意で事情を聴くなど、虚偽記載の実態解明を進めるとみられる。
鳩山首相側は既に、虚偽記載を認めた上で元公設秘書の独断行為と結論付けているが、捜査で背景事情がどこまで明らかになるのか注目される。
捜査は「鳩山由紀夫を告発する会」と名乗る団体が7月、政治資金規正法違反(虚偽記載など)容疑で元公設秘書のほか、鳩山首相や団体の会計責任者だった政策秘書の計3人を告発したことを受けて始めた。
告発状によると、鳩山首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」が2004~07年分の収支報告書に、既に死亡した人らが寄付したとの虚偽を記載し、首相は監督責任を怠った、としている。
鳩山首相は6月30日の会見で、05~08年の4年間で約90人分に当たる193件、総額約2177万円分の虚偽記載があったとする調査結果を公表。原資は首相本人の資金で、不正なものは含まれていないと説明したが、動機については「個人献金があまりに少ないので(元公設秘書が)『大変だ』と思ったようだ」との釈明にとどまった。
鳩山首相は元公設秘書を同日付で解雇。収支報告書については首相からの借入金として修正し、虚偽と判明した個人献金者の名前や献金額を削除している。」”
と報道しています。
鳩山首相は、2008年の収支報告書で新たな献金者55人分が虚偽記載と陳謝したが、早期に決着したいでしょうが、虚偽記載だけでなく、脱税の疑いもあり、元秘書の問題として終息できるかどうか、しばらくは修羅場を迎えるでしょうね。
文藝春秋(2009.10)に、ジャーナリストの田村建雄氏が『地検特捜が狙う鳩山「幽霊献金」』で、選挙終了で始まる鳩山由紀夫VS検察の暗闘の予想を寄稿しています。
『地検特捜が狙う鳩山「幽霊献金」』では、
幽霊献金が政治規正法違反の虚偽記載であり、鳩山首相は、実務処理をしていたという公設第一秘書の勝場啓一氏の問題とし、会見で解雇したとするが、長期間にわたり虚偽記載の総額が高額で異状あり、幽霊献金者向けに寄付者控除の証明書が多数発行されているのは、所得税の脱税の疑いがあり、また、その細工の原資は、母(安子)からの政治資金管理団体を通じた贈与税の脱税の疑いもあるとし、そして、責任を問われ解雇された元秘書の勝場啓一氏が鍵を握っていると記述しています。
解雇された公設第一秘書の勝場啓一氏は、森ビルから鳩山事務所の応援で派遣され、母:安子さんから人間性を買われ、スカウトされ、86年の鳩山首相の初出馬から仕えており、真面目で、酒も飲まず、支持者の冠婚葬祭にはきちん対応しており、虚偽記載は、指示する力が働き、それを忠実に実行したにすぎないというと記述しておりますね。
田村建雄氏は、解雇後の勝場啓一氏を追跡し、自宅に戻った勝場氏に、声をかけ、
「献金の件でうかがいました」
「全部一人でかぶるつもりですか」
の問いに、勝場氏は、わずかに笑みたたえて、一言ひと言落ち着いた声で、
「五百蔵弁護士が会見で述べたとおりです。鳩山が述べたとおりです。それ以上何も話すことはありません」
と、家の中に消えた。
とあり、そして、鳩山事務所と縁のある人物の言葉として、勝場氏は、
「ゼニカネの話じゃない、道理が通らない、浪花節が通じないなら全部暴露することも平気だということですよ」
と紹介し、勝場氏と当局の動き次第では、政局は再び大波乱となる可能性を秘めていると結んでいます。
鳩山首相は、幽霊献金の会見時に、勝場氏を責めるでなく、
「会計を任せたいた職員(勝場氏)は、長きにわたって私のために尽くしてくれた、信頼をしていた秘書。今回の問題は大変に残念で無念」
と友愛精神を見せていたが、長期間、異状処理は、脇が甘かったとしか、思えないですね。
弟の鳩山邦夫議員から「黒い鳩」と揶揄されるのでしょう。
野党時代に、小沢元代表の西松献金事件の教訓もあり、政権与党になった現下では、政治力を行使できる立場であるが、鳩山首相は勝場啓一氏には、最大限の善処を約束しているでしょうし、母:安子さんも動くこともあるでしょうが、喉に小骨が刺さった心境でしょうね。
検察も、鳩山首相が虚偽記載を認めてはいるが、告訴を受け付けた以上は、何らかの捜査はやらざるを得ず、政権交代後、どういう着地にするのか興味ありますね。
平野幹事長が手腕の発揮する場面でしょうね。
挨拶申し上げます。
疑惑は疑惑で解決が必要ですが、国民の目の届かぬところでの権力者間のイザコザは困ります。
ナントカの「会」をいつまで秘匿するのか?
まあ、鳩山さんがどうなっても、何かが大きく変わるものでもありませんが。
では、失礼します。