岡田幹事長が2009年の衆議院選挙のマニフェスト(政権公約)は実現の見通しが甘かったと謝罪と報道あり、首相も、官房長官も同様な認識で謝罪を表明と報道あり。
民主党執行部よる政局打開策と思われるが、マニフェスト(政権公約)を反故することは、政権運営能力の未熟さ・無能さの責任転嫁でしかないことです。
当方は、菅首相の「後だしジャンケン・後だし理屈付け」で権力保持する気質にはうんざりしており、更に、民主党の執行部も菅首相のダメだしを言いながら、解散阻止し、自分ら影響力を保持する体質を垣間見すれば、「日本は落ちる所まで落ちなければ、再生できない」という心境になっています。
岡田幹事長が、2009年の衆議院選挙のマニフェスト(政権公約)で謝罪については、読売新聞の記事『「検討不十分だった」岡田氏、マニフェスト謝罪』を転載すると、
”「民主党の岡田幹事長は21日の記者会見で、2009年衆院選の政権公約(マニフェスト)について、「政策の必要性と実現の見通しについて検討が不十分だった。見通しの甘さを国民に率直におわびしたい」とした文書を発表し、公式の場で初めて謝罪した。
岡田氏は同時に、菅首相の「退陣3条件」である特例公債法案の成立に向け、野党の協力を求めた。岡田氏は、22日に予定される民主、自民、公明3党の幹事長会談で同様の対応をとる考えだ。
岡田氏は記者会見で「震災復興に必要な予算措置と比べ、マニフェストの政策がより重要なのかという視点が必要だ」と述べ、政策の実現に優先順位を付ける意向を強調。8月上旬までに、マニフェスト検証の総括文書を党内で取りまとめる考えも示した。
自民党は特例公債法案への協力の前提として、公約の中心である子ども手当などの「バラマキ4K」の誤りを認め、撤回を求めている。岡田氏の謝罪表明は、自民党の大島理森副総裁と協議のうえで行われたとされ、「特例公債法案成立に向けた秘策だった」(民主党中堅)との見方が出ている。岡田氏は記者会見に先立ち、自公両党幹部らに謝罪に関する文書の内容を伝えた。」”
と、菅首相の「退陣3条件」である特例公債法案の成立に向け、野党の協力を求めたる為に、「バラマキ4K」(「子ども手当」「高速道路無料化」「高校無償化」「農家の戸別補償」)の「非」を謝罪したと報道。
菅首相の辞任を追い込めない執行部が、ネジレ国会運営に、政権交代を実現させた民主党の政権公約(マニフェスト)の反故を野党との取引材料にするのは、自ら民主党は自壊する道を選択したことになりました。
自分らが選出した菅首相を辞めさせられないのは、我が身が可愛いのであり、掲げた政権公約(マニフェスト)を自ら否定するのであれば、まずは、自らが辞任する事が先決です。
ネジレ国会なった責任をも負わず、政権与党の美味しさを享受し、自ら「身を捨てる」覚悟もないのに、解散阻止に、基幹の理念まで売ってまで保身する姿は醜態でしかないですね。
岡田幹事長のマニフェスト(政権公約)での謝罪は、自戒もなく、自責の念のなく、暗に小沢一郎氏の独断偏見だったと言いたいのでしょうね。
要は、岡田幹事長、枝野官房長官、玄葉大臣らは、菅首相は国民から支持されていない現下で辞任させたいが、小沢一郎氏の再登場は拒否したいという潜在的意識が働いているのでしょうね。
自民党は、強腕・破壊者の小沢一郎氏を天敵としており、岡田幹事長、枝野官房長官、玄葉大臣らは、解散阻止と小沢一郎氏再登場阻止の共通意識で、岡田幹事長のマニフェスト謝罪は、小沢一郎氏外しの思惑の証ですね。
当方は、本ブログ「復興を「大連立」の「錦の御旗」にする民主党の姑息さ」で、
”「復興の遅れは、政権与党の超法規的な政治主導もせず、官僚組織の活用不足であり、ねじれ国会など些細な問題でしかなく、政権与党として国会運営の未熟さですね。
まずは、ねじれ国会ですが、1年前の参議院選挙は、「脱小沢」で政府支持率UPの好材料があったのに、対米追随を容認し、無用な消費税UPを掲げ、国民の期待を失い、10議席を失う大敗したことにより、ネジレを拡大させたのに関わらず、この1年間、国会運営のお粗末さで国民の不評を買い、野党の自民党に隙を与えたのです。」”
と、
”「民主党にとれば、「庇を貸して、母屋をとられる」ことになり、自民党にとれば、「庇を借りて、母屋をとる」ことになるでしょうね。」”
と、大連立構想を批判しました。
また、小沢一郎氏が幹事長時代に、本ブログ「民主の政調復活は政権交代の意義の認識不足(雑感)」で、
”「民主党内部の政策調査会の動きは、理解できる側面もあるが、性急な動きは、政権交代の意義の認識不足の感は否めませんね。
政権交代は、平成維新であり、旧勢力の負の遺産を抱えながら、新政権が社会変革に取り組むことで、異論はあっても、まずは挙党一致で鳩山政府を支え、マニフェスト公約の必達が第一ですね。
民主党内部の「政策調査会」の復活の動きについては、当事者にとっては、議員としての自己実現の欲求不満の側面があるが、外部の傍観者からみれば、現下は、個々の議員の主義主張より、直面する難題を挙党一致で、新政権を支え、新しい「日本の再生」に注力すべきですね。
政調復活の動きは、「反小沢」の動きとなり、「反鳩山政府」になり、政治不信を増長させ、社会変革のブレーキになるだけです。」”
と、党務を預かる小沢一郎幹事長への不満は、青二才の民主党議員の「自家中毒」症状でしたが、結果論としては、民主党はマニフェスト公約の必達を挙党態勢で取り組みしなかったのです。
ネットの世界では、小沢一郎氏の再登場の声があるが、本ブログ「小沢一郎:民主党の「中興の祖」に!・・・良くも悪くも稀有な政治家!」で、”「小沢一郎氏が稀有な特異な政治家であることは、政治理念には固執するが地位に執着しないことでしょうね。」”と書きましたが、政官業の既得権社会を破壊できるのは、やはり、小沢一郎氏しかいないのではないかと思うこの頃ですね。
「付記」
「BLOGOS」の会見記事『「小沢氏はホリエモンと似てる」 東京地検に逮捕された元秘書・石川知裕衆院議員が熱く語る』で、石川知裕衆院議員は小沢一郎氏の後継人の質問に、
”「記者団から「小沢さんも高齢だし、もし政界引退となったら意志を引き継ぐ人物は誰かいるのか?」と質問を受けた石川氏がこう話すシーンが印象に残った。
石川氏:「小沢さんの跡を継ぐ」と自負を持って言える人物が、最低限、資格を持つのだとしたら田中角栄さんの「日本列島改造論」、小沢一郎の「日本改造計画」に次ぐような「日本国をこうする!」という政策体系を世に訴えるような本を出す方でないと私はいけないと思っています。
菅直人首相はもちろん、岡田克也氏や前原誠司氏、仙谷由人氏などの民主党の主要メンバーには、自分の政策集を出版している人はいない。「小沢氏を排除したところで、今の民主党にはそれに匹敵できる人物はいない」と石川氏は言いたかったのだろう」”
たとえば、菅さんに代わって新しい方が総理大臣になったら、どういうことを国民にアッピールするのか。日本の政府は何をするのか。
大連立は手段であって、その目的はまた別であります。その話なしでは、国民は政治にはあまり興味はありません。
問題を解決する能力はない。だが、事態を台無しにする力だけは持っている。
これを実力者の世界というか、親分の腹芸か、それとも政党の内紛のようなものか。
かくして、日本人の世の中は難しくなっている。
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