傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

中国の将来:超大国化における副作用に稲盛和夫の経営哲学が脚光(雑感)

2014-01-29 22:58:34 | 独り言

27日放送のTV東京の番組【日経スペシャル 未来世紀ジパング】の『驚きの"拝金主義"中国を変える!ニッポン式"こころの経営"』で、急成長の中国経済界に、稲盛和夫氏の経営哲学が注目されていると。
急成長の中国は拝金主義の歪が顕在化し、心の拠り所を求めるのは自然の姿でしょうね。

番組『驚きの"拝金主義"中国を変える!ニッポン式"こころの経営"』の番組紹介を転載すると、

”「急速な経済成長の影で、利己主義、拝金主義がはびこる中国。お金が第一の人間関係と、びっくりするようなモラルなきビジネスが、問題となっている。そんな中国で、一人の日本人経営者が脚光を浴びている。JALを再生したあの稲盛和夫氏だ。稲盛氏が掲げる経営哲学は、"家族主義""嘘をつかない誠実なビジネス"など、拝金主義とは真逆とも言えるもの。一体なぜそのような"こころの経営"が受け入れられるのか?実態を取材した。

“拝金主義”中国、モラル無き商売

中国名物・羊のしゃぶしゃぶの羊肉に、キツネやネズミの肉が使われていたり、下水から汲み取った廃油を濾して販売するなど、モラルに欠ける驚きの事件がたびたび明らかになるのが今の中国。取材班は、旧正月間近の中国の鉄道駅で、新手の商売が流行っているのをキャッチした。それは、帰省客向けに販売している携帯電話やスマートフォンの充電式予備バッテリー。しかし、このバッテリーの中を開けてみると…中には何とも驚きのものが入っていた!

日本のカリスマ経営者が大フィーバー

中国・成都で最大の不動産会社の社長、徐さんは今、「目先の利益の為に客をだましていた」と、これまでのビジネスを反省している。徐さんは、稲盛哲学と出会ってこれまでの手法を180度転換したのだという。
実は中国では、書店に稲盛氏のコーナーが出来る程、大人気。総計350万部を超えるベストセラーとなっているのだ。
去年10月、徐さんの会社では6000人が集まる社員集会を開いた。そこに特別ゲストとして招かれたのが、稲盛氏。その時、6000人の熱狂が最高潮を迎えた…。

“個人主義”脱却へ日本のあのイベント大復活!

稲盛和夫氏中国国内では、稲盛氏の経営哲学を学ぶセミナーが定期的に開かれている。そこでは1500人の経営者達が、稲盛経営を実践した体験談の発表に真剣に耳を傾けていた。
参加者の一人、龔臣(キョウ・シン)さんは急成長しているエステサロンチェーンの経営者。
エステ業界ではスタッフの給料は歩合制がほとんど。その為、エステ中に美容クリームなどの関連商品をスタッフが客に押し売る事が日常化し、次第に客離れていく状況に…。
危機感を抱いた社長は、稲盛氏の唱える「他人を思いやるこころの経営」で会社を建て直そうと取り組み始めた。
ある日、その稲盛流にならった大イベントを開催した。日本ではもうあまり見なくなった社員参加型のイベントだ。果たして、稲盛氏をはじめとする“昭和の経営”手法は、中国をどこまで変えることになるのか…?

.未来予測
“昭和の経営”が世界に影響

今や時代遅れにも感じる運動会やコンパ、さらには、社歌・社訓・社是などを用いて一時代を築いた日本の“昭和の経営”が、世界で再び注目されている。
グローバル金融の時代になって株主の利益を追求する考えが広がっていたが、稲盛和夫氏の「社員の幸せを第一に考える」という経営理念が世界で受け入れられつつあるのだ。
今、就職セミナーに、日本の家族経営に魅力を感じ日本での就職を希望する外国人の学生が殺到している。仏教や儒教がベースにある中国などのアジアだけでなく、成果主義の欧米でも、稲盛氏の経営哲学を学ぶ「盛和塾」がアメリカでも浸透し始めている。この“昭和の経営”が世界中に広がれば、日本企業が海外進出する際に受け入れられる土壌となると高柳(高柳正盛:日経ビジネス発行人)は言う。
影響を及ぼすのは外国だけではない。日本でも、これからのグローバル戦略に勝つためには、企業として何が大切なのか経営陣がはっきりと示すことの重要性を認識することが必要だ。日本の古き良き“昭和の経営”から学ぶことは多いだろう
。」”

と、拝金主義が蔓延した中国で、経済界に稲盛和夫氏の経営哲学を取り入れた自省の動きの事例を紹介していました。

中国社会の混迷については、本ブログ『NHKスペシャル:「中国激動 ”さまよえる”人民のこころ」を視聴して(雑感)』(2013-10-15) で、

”「中国が改革開放の歪が顕在し、中国人民が宗教、思想により所を求め、政府も社会の安定化に宗教、思想を活用する現状を報道。
番組は、格差拡大・汚職腐敗で社会が不安定になり、キリスト教の布教活動、政府の孔子が説いた儒学の復活普及活動を紹介
」”

と中国の患部と処方策を知ったが、

”「当方は、世界の混乱の根源は、宗教と民族性と思っております。
多民族の集合体の超大国中国は中華思想で世界の覇権者を目指す体質は、簡単に体質改善できるとは思いませんが、中国人が拝金主義を宗教と伝統思想で自省することは中国の安定化になり、世界の安定化に寄与するでしょうね。
しかしながら、安定化過程で中華思想が顕在化し、世界の覇権者争いなることを危惧しますね
。」”

と、超大国になった中国の混迷に、キリスト教、儒教での安定化は不安もあると書きました。

番組『驚きの"拝金主義"中国を変える!ニッポン式"こころの経営"』で、稲盛和夫氏は、インタビューで、理念を、

”「ファインセラミックスの最先端の研究をやっていた時、功を焦る気持ちがあると自分に都合のいいようなデータに解釈する。
心の鏡が純粋で邪念のないものでなければ真理は見つけることはできないと気づいた。
自分の心それが非常に大事だと思った。
一言で言えば”人間として何が正しいのか”という一点で物事を判断するということなのです
」”

と語り、中国で、何故、稲盛経営哲学が受け入れられているかの問いに、

”「中国の人々は、世界中で一番個人主義的な考え方をすると思う。
(経済発展で)確かに物欲という点では非常に喜んで満足していると思うが、何か心の中に空虚というかぽっかり何か空いたのだと思う。
(そこへ)人間の幸せというのは、物欲を満たすだけで幸せを得られるものではなく、心の中の状態が非常に大事であると気付かれる方々が増えてきたと思う
」”

と語っていました。

稲盛和夫氏のWikipediaによる略歴では、幼少期に、新宗教系教団・生長の家創始者・谷口 雅春氏の書物に感化され、、臨済宗妙心寺派円福寺で得度をし、上賀茂神社崇敬会顧問、八坂神社崇敬会会長にも就いており、稲盛和夫氏は宗教とは親密であり、経営哲学は宗教家の講話のようであるが、実経営で成功事例もあり納得性がありますね。
よって、『NHKスペシャル:「中国激動 ”さまよえる”人民のこころ」を視聴して(雑感)』で、中国人民がキリスト教、儒教に心の拠り所を求める様子を紹介していたが、稲盛和夫氏の経営哲学と共通性があり、経済界でも受け入れ易いのでしょうね。

今日の中国について、「現代ビジネス」サイトで「週刊現代」(01月29日発行)の近藤大介氏の記事『現地ルポ 中国要人が漏らした「日中は『再』逆転する—日本経済にはやっぱりかなわない」日本人よ、どっしり構えれば大丈夫 日中韓激しすぎる憎しみの連鎖』では、急成長の市場経済と社会主義の矛盾が顕在化し、大気汚染、物価高に北京市民が苦しみ、習近平主席の恐怖政治で中国経済は萎縮し、大盛況は金の販売店と日本食レストランとし、中国要人の言葉、

”「総じて言えば、中国の社会主義市場経済は、もう限界点に達している。いまや幹部や富裕層たちが、続々と移民を考え始めている。加えて中国経済は、近未来に日本経済に『再』逆転されるかもしれないと、本気で思い始めているのだ」”

を紹介し、”「日本は隣国に目くじらを立てることなどなく、どっしり構えていれば大丈夫だ」”と結んでいます。

当方は、中国の混迷は、超大国化した副作用であり、中国の安定化は良きにしろ悪しきにしろ日本への影響は大きく、番組【未来世紀ジバング】の「未来予測」は、”「日本の古き良き“昭和の経営”から学ぶことは多いだろう」”と予測しており、近藤大介氏は、”「日本は隣国に目くじらを立てることなどなく、どっしり構えていれば大丈夫だ」”と、結論付けているが日本が先生面(ツラ)には疑問ですね。

例えば、TBS番組「隠蔽捜査」では組織を守るための隠蔽を題材のドラマであるが、実社会では、厚生労働省が臨床研究データの改ざんを指摘する実名入りの内部告発メールを無断で告発対象の研究チームの責任者に転送事案も咎められず、冤罪は多数発生しており、福島原発事故で多数の被災者を出したが誰も責任を問われておらずに東電と金融機関への支援で増税・電気料金高になり、安倍首相は靖国社参拝を「不戦の誓い」と詭弁で抗弁し、日本は稲盛和夫氏の「嘘は言わない」「利他の心」の哲学の社会でしょうか?

日本社会は、中国より敗戦で社会変革が先行しただけで、中国を拝金主義と短絡的に批判できるとは思いませんね。
要は、日本社会は、まだ、パワーゲームの打算的な男社会で、「素直な心」で物事を見るのには未成熟なのでしょうね。



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