傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

朝日新聞の連載記事『<カオスの深淵> 借金が民主主義を支配する』・・・日本はどうする?

2011-12-04 13:11:05 | 民主党(野田政権)

朝日新聞:連載記事『<カオスの深淵> 借金が民主主義を支配する』が3回予定で開始されました。
初回は、「欧州発の危機」で、”「民主主義への道は、人々を借金の苦しみから解放しようとした男(ソロン)が切り開いた」”という切り出しではじまっており、”「市場の速さに付いて行こうとすれば民主主義は制限される。民主主義を尊重しようとすれば市場が社会を窮地に追い込む。民主主義はわなにはまったように見える」”と。

記事は、「市場という魔物」の見出しで、ドイツの実情を「牙をむいた熊」とし、
”『「ベア(熊の)マーケット」。相場が下がる市場をそう呼ぶ。上がる場合は「ブル(雄牛の)マーケット」だ。いま市場に居座る小心な熊は、債務問題で不安を越えて、性急に解を求める。手順を重視する民主主義は、その要求に追いつけないでいる』”と。
小国スロバキアは、市場に翻弄されたとし、退任したラディツォバー首相は、
”『いま真の意味で社会を統べているのは誰か。国民から選ばれた政治家より、正体の見えない市場に深く依存していると言わざるをえない』”と。

また、巨大化した市場は、単独介入の効果など簡単に飲み込むと、円を買うのは、ヘッジファンドだどの投機筋だけではなく、「海外で問題が起きた時、最も巨額の資金を引き揚げるのは日本人」とJPモルガン・チェース銀行の佐々木融・債権為替調査部長は断言する。
戻った円は銀行預金になり、貸し出しの延びない銀行は日本国債を買っているのだと。
だが、日本の政府債務残高は国内総生産(GDP)の2倍強。
市場はいつまでも日本の回答を待てるのか。
と結んでいます。

当方は、リーマンショックは、戦後の金融資本主義の歪で、世界経済は、虚業・虚像の世界になり、どこかで破綻なり、激変すると思っていました。
朝日新聞の特集記事<カオスの深淵>は、金融市場パワーが民主主義を動かしているという論調ですが、金融資本主義が実体経済を遊離させ、虚像・虚業を醸成し、その虚業・虚像の世界を従来の政治的解決手法では、解決できない状況に直面していると思っています。

2年前、本ブログ「副島隆彦氏の「ドル暴落の予想」・・・綱渡り虚像世界」で、副島隆彦氏は新著『ドル亡き後の世界』で、小康状態の経済が2012年にはアメリカ経済は破綻し、ドルの暴落を予想しており、植草一秀氏がブログで、『ドル亡き後の世界』を推奨しており、推奨文に、「6京円にまで膨張したデリバティブ金融商品。副島氏は「金融時限爆弾」が破裂する宿命を背負っている宿命を明晰に示される。」とあり、「6京円にまで膨張したデリバティブ金融商品」を世界は、アメリカは、日本はどのように軟着陸させるのか興味を持ったと。

当方は、リーマンショックは、戦後の資本主義の歪であり、世界は激変すると予想し、日本は、新たな国家の計が必要という思いで、本ブログ「エコノミスト下村 治氏について」で、エコノミスト下村 治氏が、20年前に「世界同時不況を覚悟するしか解決の道はない」発言に共感し、

”「「100年に一度の危機」で世界不況になり、新たな経済システムが形成されると思うが、従来の処方箋での景気回復は、一過性にすぎないというのが当方の考えです。
この不況を契機に、「国家100年の計」の策定をすべきであり、将来、予想されるエネルギー、温暖化、食料危機になろうとも、成長ゼロでも国民が安心・安全に暮らせる社会を形成すべきで、まずは、第一次産業を拡充し、将来不安を解消する社会保障制度を充実させ、国際協調での競争力をもつには、人材育成が肝要ではないかと思っています
。」”

と、下村治氏が予見した「世界同時不況を覚悟するしか解決の道はない」が、現下であると思われ、平凡で堅実な生きかたが幸せと思う社会には、「破壊と創造」が必要で、万人は汗と血を流す覚悟が必要と書きました。

当方は、日本のバブルの際に、「土地神話」「金が金を産む」世界に素朴な疑問を持っていました。
サブプライム問題が顕在化した時は、借用書(ローン債権)が商売(証券化)になる事はあり得ないと思い、あまりにも巨額の金融派生商品が世界にばら撒かれている実態を知り、世界経済は、虚業・虚像の世界で、どこかで破綻なり、激変すると思いました
。」”

と書きました。

当方は、日本のバブル破綻の際に、「日本発の金融危機」回避が喧伝され、金融再生を第一とした政策には、疑問を持っていました。
バブル主導したのは、金融機関の「財テク」のバブルであり、「金が金を産む」風潮の虚業経済を創出したのは金融機関であり、オリンパスの不良債権の隠蔽問題は、処理が下手だったに過ぎないのです。
金融機関は、国の助成の元で、再生したが、オリンパスは自己努力で不良債権を解消したのに過ぎないのです。

日本の再生の好機は、バブル破綻、リーマンショックでした。
硬直化した日本社会の変革の好機を、時の政治が表層的な対処療法で、老人性骨粗鬆症に陥ったのは、政治の責任と思い、政権交代を期待しましたが、民主党政権は、従来と同じ指向であり、財政健全化と日米同盟堅持であり、日本の再生には遠のいたという思いです。

当方は、世の中、生成発展には新陳代謝(破壊と創造)が不可欠という考えであり、挑戦的、先鋭的な人物に期待しているのがその理由です。
小沢一郎氏の「自立と共生」や、橋下徹氏の「維新の会」や、孫正義氏らを期待しているのです。
野田首相の「社会保障と税の一体改革」は、一理あるが対処療法に過ぎず、市場にも影響されない「国家」像の策定が先決でしょうね。




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