傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

朝日新聞の「声」:高齢者への点滴の是非を問う(雑感)

2014-03-02 11:04:17 | 独り言

2日の朝日新聞の読者の「」に、神奈川県の主婦・小村由美子(62)の【口で食べられるのに、なぜ点滴】で、入院中の高齢者を一律点滴させることに疑問を問うています。
朝日新聞の「声」は、”「医師によると、母には飲み込む力があるとのこと。口から食べられる能力があるのに、なぜ老人は皆一律点滴になってしまうのか」”と経営効率第一の問題提起ですね。


朝日新聞の読者の「声」の【口で食べられるのに、なぜ点滴】(主婦 小村由美子(神奈川県 62))の全文を転載すると、

”「入院している94歳の母が誤嚥(ごえん)して一度は点滴を打たれましたが、必死の懇願の末に再度、口からの食事にしてもらうことができました。医師によると、母には飲み込む力があるとのこと。口から食べられる能力があるのに、なぜ老人は皆一律点滴になってしまうのか疑問です。
 
 末期症状の老人の細くなった身体に点滴はつらいと思います。針を刺した周辺は内出欠で赤紫色ににじんでいます。手足の関節が動かせなくなってしまう「拘縮」は無言の抵抗にも思われます。高カロリーの点滴を心臓に近い太めの血管から入れる「中心静脈栄養法」に至っては拷問のようにも感じます。最後まで口から食べさせてやりたいと思うのが家族の願いなのです。
 
 老人の口からの食事には人一倍気を使い、時間がかかります。口腔ケアもしなければなりません。そのために幾人かの看護師の確保が必要です。また、点滴に代わる新たな薬などの開発を製薬会社に望みます。点滴の乱用はやめて、口から食べるという人間本来の考えに立ち返る方針をとって頂きたいと思います
。」”

で、入院中の高齢の母親(94歳)に誤嚥で施した点滴を、家族の必死の懇願で口から食事に戻してもらったことで、入院先が安易に高齢者に点滴を施すことへの問題提起と推察できます。
その背景に、家族は高齢者を口から食事させることを願うが、口からの食事は入院先の看護師の介助負担も大きく、入院先は高齢者を一律に点滴を施すことを選択するのではないかという思いなのでしょうね。

当方の入院中の認知症の老母(93)は、特養入居し、半年経過後、転倒事故を契機に拒食症状になり、薬も飲み込めず吐き出し、食事を一切受け付けず、特養内で静脈点滴の施しをしていたが、2週間程度で特養内で点滴が不調になり、病院での医療行為を受けることなり、一昨年末、一般病院に入院し、静脈点滴も2日程度で不調になり、中心静脈栄養法か経管栄養法かの選択を問われ、大腿部からの中心静脈栄養法を施したが3ヶ月程度で不調になり、昨春に経鼻栄養法を施しを選択し、現在に至っております。

当方の老母の入院中の一般病院は、実質、高齢者向けの病院で、経管栄養法を施しの患者が4割、口からの食事の患者が6割程度ですね。
朝日新聞の「声」にあるように、”「老人の口からの食事には人一倍気を使い、時間がかかります。口腔ケアもしなければなりません。そのために幾人かの看護師の確保が必要です」”と口からの食事の患者は、経管栄養法の患者、中心静脈栄養法の患者より看護負担は大きいことは事実ですね。

当方の経験では、認知症の老母の拒食症状は薬をも吐き出し、乳製品も舐める程度で要らないと拒絶し、ドリンク剤も口をつける程度で拒絶され、静脈点滴、中心静脈栄養法は延命治療とは思うが、家族としては意思疎通が出来る間は延命治療無用とは決断出来ませんね。

本ブログ『認知症看護での「ユマニチュード」手法の効用は納得!』(2013-09-19)で、

”「当方は、NHKの番組を視聴しショックを受けました。
それは、ユマニチュード効用もありますが、個人的には経管栄養を施している87歳の女性患者がベットで食事を摂っている場面です。
当方の認知症の老母が最初に緊急入院した大手病院では、ミトン型の手袋をし、手足がベットに拘束され点滴されていました。
拒食症状で、現在の入院先では、鼻からチューブの経管栄養を施しており、当方の面会時以外は終日ミトン型の手袋をしております。
当方は、老母を在宅での終末期医療を断念し現在の入院先で看取ってもらうことにし毎日面会に時間を割いていますが、再度、病院側と相談し、拒食に挑戦しようかと思いましたね
。」”

と書いた老母の拒食に挑戦については、口から食事は1年以上しておらず、病院側と相談したが、毎日の口腔ケアをも嫌がり拒絶されており、口から食事させることは期待薄で新たな拒絶反応を起す恐れも予想され断念しました。

朝日新聞の読者の「声」の問題提起は、医療機関は、口から食事できる高齢者には手間隙を要し安易な点滴、中心静脈栄養法を施す事への問題提起でしょうね。
要は、運営の効率化を目指す医療機関は、看護ケアの簡単な事柄(ユマニチュード:「優しさ」「丁寧さ」「聞き上手・説明上手」)を経済原理至上主義の世に忘却してきたのでしょうね



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。